初めての敗北
初投稿のため、至らない点が多々あると思います。
温かく見守っていただければ幸いです。
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幾度となく死と隣合わせの攻防を繰り広げてきた。
できることは何でもした。
時にはプライドだって投げ捨てて、死ぬ物狂いで勝ちを拾った。
だから俺は強かった。
一度の敗北(=死)もなかった。
しかし、どんな強者でも負ける時がくる。
敗北はいつだって、あっけないものなんだ。
俺は33歳住所不定職業妖精。
パンツ一丁で布団に包まれて寝るのが大好きな、わがままボディな男の子だ。
つい数刻前まではホームレスではない、ただの初級フェアリー兼中堅ニートだった。
33歳の誕生日、昼の鐘と共に目を覚まし、
社畜乙(笑)とほくそ笑みつつ床ドンを行使した俺に、母は無言で通帳を差し出してきた。
これが稀に言う、手切れ金であることを理解していた俺は、
見えないふり。
ゴミを見る目。
土下座。
ゴミを見る目。
逆切れ。
ゴミを見る目。
両手両足じたばた
ゴミを見る目
くそ、今日はいつになく厳しい闘いだ。
……ついに封印を解くしかないようだな。
これだけはやりたくなかったが仕方あるまい。
お気に入りのボクサーパンツからブリーフに履き替え、ベッドに立つ。
アイ キャン フライ!!
ジャンピング土下座
肩に優しく手が置かれる。
自分の才能が恐ろしい。
また、勝ってしまった。
手の甲から浮き上がる美しい紋章は、俺の勝利を祝福している……
「……紋章?」
ということは……
そっと顔を上げると、最高の至福が目前に迫った人間の顔がそこにはあった。
「シギル・テレポーテーション」
シギルは、パンイチ(白ぶりーふ)の妖精を真冬の街へといざなった。
ハッピーバースデー俺。
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