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ガレージにて

 昼、黒猫とルビーの2人は雑技団のガレージの前で身を潜めていた。

手には南京錠を切断するためのクリッパーを持っている。

ホームセンターでルビーが購入したものだ。


「来たわ!」


 先日の少年が現れ、シャッターキーを操作してガレージの中に入る。

2人も後をつけたが、すぐに少年が気づいた。


「……誰だっ!」


 少年が振り向くと、ルビーはクリッパーを構えてこう言った。


「大人しくそこのライオンを檻から出しなさい。 さもなくば、こいつで殴るわよ」


 まさかクリッパーを脅しの武器として使うことになるとは。


「……檻から出してどうすんの? 相当な騒ぎになると思うけど」


「普通なら…… ね。 でも、私はどんな猛獣も飼いならせる」


 口から出任せにそんなことを言ったルビーであったが、やはりライオンである。

大方少年の言うことの方が正しいだろう。

すると、少年は予想外のことを言った。


「姉ちゃん猛獣使いなの?」


「……まあ」


 猛獣使いではないが、それと同様のことは恐らくできる。


「じゃあさ! うちの雑技団に入ってくれよ! 猛獣使いが抜けて、ライオンの扱いに困ってたんだ」


「……それは無理ね。 本業は考古学者なんだ。 私」 


「ちぇ…… けち臭いな」


 その時、ルビーは黒猫が足元にいないことに気づいた。

黒猫は檻の近くでライオンと話をしていた。


「兄貴、助けに来ましたよ」


「この姿では、外には出れまい……」


 ライオンは自分が外に出たらどうなるか分かっていた。

最悪殺されてしまうだろうということも。


「くそ…… どうすればいい…… 兄貴が安全に暮らせる場所はないのか」


 その会話を聞いていたルビーがある提案をした。


「富豪に竜の化石を渡す代わりに、ライオンの住む場所を提供してもらうってのはどう?」







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