名探偵ルビー
遠心分離機にかけた結構、成分が骨と一致し、本物であることが発覚。
更に……
「骨に土が付着してたわ」
「それが何か関係あるんですか?」
「土から発掘現場が割り出せると思うの」
土だけで現場を特定することは難しいが、ルビーの在籍している大学には、土壌の年代を特定できる研究者がいる。
「土の年代まで特定できれば、後はしらみつぶしに発掘現場を当たるだけよ」
「へぇ~、ルビーって探偵みたいですね!」
「考古学者なんだけどなぁ……」
その日の内にサンプルを渡し、年代を割り出してもらった。
研究室で結果報告を受ける。
「土の年代はおよそ30万年前のもの…… って、そんな新しいの!?」
「ええ、間違いありません」
恐竜が君臨していたのが数十億年前であり、それと比較するとあまりに最近のことである。
「人間が誕生したのが丁度それくらいよね…… まさか、地上の覇権争いに敗れたとか?」
「さあ、そこら辺は僕ら詳しくないんで。 それじゃ」
そそくさと研究員は立ち去った。
「検索かけてみましょうか」
パソコンで発掘現場、30万年前、と検索をかけると、1件ヒットした。
「トッポギ市の発掘現場が出てきたわね」
そこに記してあった大学の連絡先をメモし、携帯でかけて、現場監督に取り次いでもらった。
「初めまして、ルビーといいます」
「知ってるとも! うちの大学でも君のファンは多いんだ。 トゥー○レイダーみたいで格好いいって」
「あはは…… あれに出てる女優ほどスタイルよくないですけど」
「で、何のようだい?」
ルビーは、自分が最近竜の翼の化石を見せてもらったことを説明し、トッポギ市の発掘現場でその化石が見つからなかったかを聞いた。
「……まさか、オークションにかけられていたとは。 確かにあの発掘現場で竜の化石が丸々見つかった。 しかし、それを積んだトラックが失踪してしまったんだ」
「運転手の裏切り?」
「それすらも分からない」
結局、そこで手がかりは途絶えてしまった。
「日時と時間は覚えてます?」
「確か、9月3日の夕方だったと思う」
「ルビー、どうします?」
「こうなったら現場に行くしかないわね。 事件は研究室に籠もってても解決しないわ」
電車を使い、現地に到着。
すでに辺りは暗くなり始めていた。
「さーて、目撃者を探しましょうか」




