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 ルビーはゆっくりと地上に降り立った。


「勝ったのかしら?」


 状況が分からなかったが、恐らくメガフレアは命中した。


「でも、これからどうすれば……」


 幸か不幸か、周りには誰もいない。


「この姿を見てたら、みんなどう思うかしら……」


 下手を打てば自分が街を壊した張本人かと誤解を招く恐れすらある。

ルビーにはそれを否定してくれる友達は思い当たらなかった。

 

「……はぁ、お先真っ暗じゃない」


 しかし、人生とはそんなものだ。

今に始まったことではない。

ルビーが最初にお先真っ暗だな、と思ったのは小3の時だ。


「おめ~、動物と話せるとか、きもいんだよ~」


 当時、鼻水を垂らしたクソガキに言われたのをルビーは思い出した。

今だったらぶん殴っていただろう。

しかし、その後ウォッシュと出会い、自分の人生に光が差した。

ウォッシュはこう言った。


「ルビーはガリ勉でちょっときもいかと。 でもそれを生かして考古学者になったら、ちょっとカッコイイかもです」


 某有名映画を見た直後、そんなことを言われた。

今だったら、黙ってろアライグマ、と一蹴していただろう。

まだ関係が良好だった当時、ルビーは大人しくその言葉に従ったのだ。


「引きこもらーだった私が、今やトゥー〇レイダーだもん。 笑っちゃうよね」


 素直に従っといて良かったな、とルビーは思った。


「そうよ、必ず光はある。 犬も歩けば棒にあたるんだもん。 ルビーだって、歩けば何かに当たるわよ」


 光は次の光に繋がっている。

しばらく歩くと、遠くから声が聞こえた。


「あっ! 猛獣使いのねぇちゃん!」


 雑技団の少年であった。





終わり


終わりです!


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