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ニュールビー

「かなり迷ったけど、分かったよ。 ルビーちゃんの為だもんね……」


 少し切ない表情の1号を見て、悪いことしちゃったかな、と思ったルビーであったが、背に腹はかえられない。


 こうして、ルビーの体に1号の細胞が移植されることになった。





「さあ、目を開けて」


 手術は無事に終了し、ルビーは目を開け、体を起こした。


「うっ…… なんか、自分の体じゃないみたい……」


「まだ慣れないせいもあるかも知れません。 ゆっくり起き上がって下さい」


 それでも、鉛の詰まったリュックを背負っているみたく、体が重たい。

ルビーは自分の姿を確認すべく、鏡の前に立った。


「……これ、やっちゃったやつかなー」


 背中には竜の翼が生えており、尻尾までついている。

ユニ〇ーサルスタジオのキャラとかにいそうだ。


「……外れないよねー」


 翼を引っ張ってもくっついて取れない。

ルビーは投げやりな気持ちになってきた。


「胸のふたを開けてみて下さい」


「む、胸の蓋?」


 確かに、胸には蓋が付いている。

恐る恐るそれを開けてみると、火だねのような弱々しい光が空間の暗闇を照らしていた。


「これを」


 研究員が渡してきたのは、プリントの束であった。

それを胸の空間に入れ、蓋を閉める。

すると……


「あれ、何だか体が軽くなってきたわ」


「そうです。 その体は、胸のかまどで火を起こすことで、力を得ます」


 火の力を操れる、のではなく、火の力を動力源として動く。

どうしてこうなった。


「もう開き直るしかないわね。 これで竜を倒してくるわ」


「あ、待って下さい! 最後に重要なことを教えます。 そのかまどにある特別なものを入れることで、必殺技のメガフレアが撃てます」


「……何を入れるの?」


「あなたの一番大事なものです」



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