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キメラ

 ルビーは職員に、エレベーターからのうめき声が落ち着いた時点で電源を復旧し、中の竜を改めて別な場所に移すよう促した。


「あー疲れた! さすがに寝ないと身が持たないわ」


「お休み、ルビーちゃん」


 騒ぎにならないよう、1号は校舎から少し離れた森で休むことになり、ルビーは研究室で瞬く間に眠りについた。





 翌朝、ルビーは目を覚ましてテレビをつけた。

そこでやっていたニュースを見て思わず目を疑った。


「緊急速報です! 昨日、都市部が何らかの影響により、水没。 壊滅状態に陥っております。 国が原因の究明に当たっておりますが、まだ詳しい内容は分かりません」


「えええええーーっ」


 ルビーはラインを送信し、数分後、1号が駆けつけた。

研究室の窓を爪でコンコンと鳴らす。


「待ってた! 大変なことになってるのよ!」


 事情を説明し、何とか自分たちで止める方法はないかと話し合う。


「雷の力が良かったよなぁ…… 3号は2号寄りだから、協力はしてくれないだろうし」


「私の火の力で何とかならないかしら? 例えば水を沸騰させてあいつを茹でダコにするとか」


「ダメダメ! ルビーちゃんを食べるなんて絶対無理!」


「私を食べないで火の力を得る方法か…… アメシスの専門分野になるけど、私とあなたのDNAを融合させて、新しい生命体を生み出せないかしら?」


 突拍子もない発言に、そんなことできんの? と1号が疑いの眼差しを向ける。


「いわゆるキメラってやつよ。 あなたたちが作られた研究所にもう一度向かいましょう」


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