アメシスサイド 4
しかし、直前で狙いを頭上の照明に変更し、打ち抜いた。
照明が砕け、辺りは一瞬闇に飲まれた。
竜はその影響でアメシスを見失った。
「グルゥ……」
狙い通り、と思われたが、アメシスは竜に踏みつぶされており、足を骨折して動けなくなっていた。
「くっ……」
しかもその時……
「アメシス教授、どうされましたか?」
踏みつぶされた際、無線のボタンが押され、それに職員が反応した。
竜も段々と闇に目が慣れ、とうとうアメシスの姿を確認した。
「グラアアアッ!」
「あのアライグマを殺した弾丸があればな……」
それで頭を打ち抜けば楽に死ねただろう。
竜はアメシスを鷲づかみにすると、大きく口を開けた。
「アメシス!」
ルビーが到着したのは、アメシスが今まさに飲まれようとしている瞬間だった。
1号にまたがり、猛スピードで駆けつけたが、一歩遅かった。
食われる直前、アメシスが叫んだ。
「無線で職員と連絡を取れ! こいつをエレベーターに閉じ込めるのだ!」
アメシスが無線を投げると、そのまま竜の口に収まった。
「1号、あの竜を校舎内に放置は出来ないわ。 協力して」
「……エレベーターにぶち込めばいいんだよな?」
その時、竜がこちらに気づいて声をかけてきた。
「そこの娘は火の属性持ちだったな。 ついでに頂くとしよう」