爆破予告
ここは茨城県内のどこかにある森田吾郎の探偵事務所。
この森田探偵事務所には探偵が一人(森田所長)がいます。
ルルル。固定電話機が鳴った為、所長は電話に出た。
「はい。こちらは森田吾郎探偵事務所です」
電話の相手は機械でつくったのような声です。
「東北地方の6つ県庁の駐車場の車に爆弾を仕掛けました」
「イタズラ電話はしないで下さい。警察に通報しますよ!」
「信じて下さらない理由を教えていただけませんか?」
「話を信じて欲しいのなら、あなたの名前を教えて下さい」
「私自身の名前でしたら、お教えすることはできません」
「なぜ教えていただけないのですか?」
「今から1時間後に冒頭に話した事件を起こすからです」
「犯罪者になるから、名前を教えられないんですか?」
「はい。その通りでございます」
「では、偽名で良いので名前を教えて下さい」
「偽名でも良いなら、『東北地方県庁舎連続爆破犯』で」
「長くて呼びにくいので、『爆破犯』でも良いですか?」
「仕方ないですね。『爆破犯』でも良いですよ」
「お許しいただきまして、ありがとうございます」
「礼には及びません。では、早急に爆弾を見つけて下さいね」
「激励ありがとうございます」
「では、失礼します」
森田所長は通話を終えた直後に警察署に通報しました。
「はい。こちらは架空警察署でございます」
「私は森田探偵事務所の所長の森田吾郎でございます」
「そうですか。では森田さん。御用件はなんでしょうか?」
「はい。1分程前に『爆弾犯』からある連絡が来ました」
「それはどんな連絡だったのか、詳しく説明して下さい」
「爆弾を東北地方の県庁舎にしかけたという連絡です」
「具体的な6つの県の名前を教えていただけますでしょうか?」
「恐らく、『青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島』です」
「承知致しました。早急に各県に連絡したいと思います」
「そうですか。では、宜しくお願い致します」
「はい。今後も協力をお願いするかもしれません」
「もちろん。喜んで警察に協力させていただきます」
「ありがとうございます。では失礼します」
ギリギリ、全ての爆弾を発見することができました。
その為、爆弾が爆発することはありませんでした。