1:死の足音
プロローグをお読みいただきありがとうございます。
本編にはいります。お楽しみください。
「今朝、仕入れたばかりの暗鎧魚300リエルだよ‼」
野太い声で、大柄な男が目玉の魚を安値で売っていた。
また、別の店では「白夢花、初入荷で~す!」
可愛い声で、猫人族の女の子が花を売っていた。
元気な男の子達が通りを走っていたり、若い男女の二人が愛をはぐくん
でいたり、壊れた家の屋根の修理をしているドワーフの二人組。
人々がせせこましく大通りを歩いている。人々の笑いは絶えないー。
大戦の傷痕は消えていた。
そんな大通りから離れた裏路地の、ある一つの建物 人のはいった形跡はない。
そんな建物の地下に、一つの檻があった。
なかには息を殺しているものが3つありその檻の前に薄汚れた格好の男が3人。
その瞳には欲望がむき出しで口元には下劣な笑みを浮かべていた。
その中で小太りの男が
「なあ、せっかくわざと売れ残したやつら今いただこうぜぇ~?」
その欲望丸出しの一言に3人の内の細長い男は
「いや、ここではまずいだろ《上》にばれたらやばいぞ。」
「そうだな。」その言葉に賛同するように大柄な男が言った。「それに、別の
場所にの方がいいだろう。」
だが小太りは、
「ええ~、我慢したんだから少しくらいいいだろう?」
だが大柄な男は、
「駄目だ。ちゃんと人数分あるんだ、それに絶対服従の首輪
をつけてるんだから、逃げられないしな。」
そういいながら檻の中を一瞥した。
小太りは不満げに「チッ…わかった。だがあれは俺のものだからな‼」
「わかった。わかったから落ち着け。」大柄な男が小太りをなだめていると、
「じゃあそろそろ開けるか。」「ああ、そうだな。」3人の意見が一致して、
檻の鍵を鍵穴に差しこもうとしたとき...
「カツカツカツ」と、規則正しく正確に男たちの方に向かってくる足音に
男たちは動揺と警戒を感じつつ、その足音の正体が来るのを待ち構えた。
だが、男たちは考えもしなかったであろう。この足音が自分たちに死を運んで
くるものとは...
お読みいただきありがとうございます。
次で主人公出します。今後ともよろしくお願いいたします。
小太りの男は憎たらしい奴を、想像して書きました。