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育成スキルで最弱キャラ育てます。  作者: マメ太郎
オルスタン大陸 帝国編
26/27

ラクス頑張ることにしました。

ラクスをFランクのまま育てます。



 ラクスをこのままFランクで強くすると決めた。

 始めにやらなければならないのは、やはりステータス値の底上げだろう。

 走るのにも、物をもつにもステータス値は大きく関わってくるからな。

 え、俺の場合はどうしてるのかって。

 俺には最弱の極みの中に、身体強化系のスキルも多くストックされているからな・・・・・必要な時に、必要なスキルが使える最弱の極みはとても便利だよ。

 それでもスキルを使ってない間はステータスが最弱だから、いろいろと大変なこともあるけどね・・。

 と言うわけで、まずはラクスの限界値を探るために体力測定でもして見ますか。


「まずは・・・そうだな、ここからここまで10mの距離を体力が続く限り何回往復できるか調べてみようか」 

 

 体力測定をしたことがある人なら分かると思うけどシャトルランです。

 ホントのシャトルランは20mでやるところを、今回は半分の10mでやります。


「頑張ります」


 ラクスはやる気十分だ。


「無理しないでね、苦しくなったらすぐやめるんだよ」


「はい」


「よし、それでは位置について・・・・・ヨーイ、スタート!」


 ラクスが勢いよく走り出す。

 10m・・・ラクスはまだ元気だ。

 20m・・・ラクスは元気だ。

 30m・・・ラクスが疲れてきた。

 40m・・・ラクスは限界が近づいている。

 50m・・・手前でラクスは力尽きて動けなくなった。


 シャトルランの回数にして4回。

 距離にして40mがラクスの体力の限界だ。

 予想以上に低いというか・・・Fランクでスタータス値が10もないとこれくらいなのかな・・。

 とりあえず今のでも、限界以上にラクスは頑張ってたみたいだから体力が2上がって10になってる。

 やっぱり、指導スキルはその人の限界に近いほどステータスが上がりやすいみたいだ。

 とは言え、基礎の値が低いラクスにはこれだけでも相当に辛いことなのだが・・。


「大丈夫かラクス?」


 俺はラクスに近寄って行って声をかける。


「だ、だいじょぶれひゅ」


「いや、呂律が回らないほど疲れてるじゃないか・・・・・あれほど無理はするなって言っただろうに」


「しゅみましぇん」


「ほら、回復魔法かけてやるからじっとしてろよ」


 便利なことに、最弱の極みには魔法スキルも全種ストックしてあるし、ジャックとクインと共に開発したオリジナル魔法もストックされているのだ。 何時か使う時があるといいんだけど・・。


「ヒール!」


 俺は初歩の体力回復魔法をラクスにかける。

 するとラクスは体を起こして立ち上がった。


「フゥ~ ありがとうございます。 おかげで元気になりました」


「今は限界以上のことはしなくていい、自分の出来るギリギリでいいかな」


「はい。 それにしても、魔法ってすごいんですね・・・私でも使えるようになりますかね?」


「う~ん、技能付与があればラクスも使えるようになると思うんだけど、スキルとしてはつかないからなぁ・・・やってみないと分からないかな。 でも、使える可能性は十分にあると思うよ」


 実際問題、スキルにないものを使うというのは可能だ。 剣術スキルを持っていない者が剣を振る、これだって立派な剣術のスキルだ。 違いがあるとすれば、スキルなしは素人でスキルありは達人レベルくらいの違いがある。 それだけ、スキルというものは影響が大きいのだ。

 要するに、スキルなしでも魔法を使うことは可能だろうがスキルありの者に追いつくには、かなりの時間訓練を積まなければならないだろう。

 

「後はラクスの頑張り次第だね」


「頑張ります」


「よし、じゃぁ次は腕力を測ろう」


 やることは簡単腕立てだ。

 ラクスをうつ伏せの状態で、腕の力で体を支えるようにさせる。

 そして腕の力だけで上下運動するように指示をだす。


「今度は無理するんじゃないぞラクス」


「はい」


「よし・・・・初め!」


 ラクスは歯を食いしばり、腕の力で体を持ち上げようとする。

 1回、2回とラクスの荒い息遣いが・・。

 3回、4回、腕がプルプル振るえだし、

 バタン!

 5回目で腕を下ろしたところでそのまま崩れ落ちてしまった。

 記録上は4回。

腕力のステータスが6から7に上がっていた。

 1しか上がらなかったことを考えると、どうやら今回はちゃんとギリギリのところでやめたみたいだ。

 ただそれでもギリギリまで頑張っているので、動けないようだ。


「ヒール!」


 回復魔法でまた体力を回復してあげる。

 この様子だとしばらくは回復魔法が必要になりそうな気がする。


「調子はどう? 今日はもうやめとくか?」


「いえ、大丈夫です。 まだまだいけますよ」


「よし、なら次が最後だ。 最後は俊敏を測定するぞ」


 俊敏といえばこれだろう・・。

 そう、反復横飛びだ。

 3本の線の間を20秒間で何回動けるか・・・求められるのは兎に角早動くこと。

 まさに俊敏を計るにはもってこいだ。

 防御に関しては今回はやらない。

 だって、防御の訓練は痛みが伴うからねぇ・・・・まだラクスには早いよ。


「準備はいいかラクス?」


「はい」


 ラクスが3本の線の真ん中の線を跨ぐようにして構える。


「行くぞ、ヨーイ スタート!」


 ラクスが勢いよく横に体を動かす。

 1,2,3,4,5,6・・・順調に一往復を終える。 

 7,8,9,10,11・・・10を超え少しずつ動きが鈍りだす。

 残り10秒。

 20・・21・・・22・・・・ラクスは歩いていた。


「終了!」


 バタン!


 終了の合図でまたラクスが地面に倒れた。

 何とか途中で倒れないように頑張っていたみたいだ。

 結果 25回

基準が分からないが、ラクスは限界まで頑張っていたのだからそれでいいだろう。

 ステータスも10から12に上がっている。

 ラクスのステータスの中では、俊敏の数値が一番高いことになる。

 やっぱり、半分獣人の血が入っているからだろうか・・・獣人は身体能力が高いって聞くし・・。


「ヒール!」


 俺はまた回復魔法をラクスにかけると、隣に座ってラクスを抱き起こし膝の上に乗せる。

 小さなラクスがたくさん頑張ったのだ、頑張った子には一杯褒めてやらないと・・。

 俺は膝の上に乗せたラクスの頭を撫でつつ、左腕でラクスの体抱きしめる。


「はぅ~ いきなりどうしたんですかエースさん」


「いや、今日はこれで訓練終わりだからさ、今日一日頑張ってたラクスを褒めてあげようと思ってね。 嫌だった?」


「そ、そんな事ないですよ。 エースさんは撫でるのが上手なので、とってもフワフワした気持ちになって・・・・あぅ~」


 かわいいこと言うじゃないかこのこの。

 たくさんモフってやるぜ。

 実はただ単に、エースがモフリたかっただけだったりする。

 訓練中に、耳をピコピコ、尻尾をフリフリ、そんなかわいいラクスを見てたらね・・・。

 

「今日はこれで終わり。 明日もまた頑張ろうな」


「はい!」


 笑顔がかわいいラクスです。

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