新しい子は獣耳っ子でした。
お待たせしました更新を再開します。
とりあえずではありますが、全話見直して誤字・脱字の修正を行いました。
細かなところで話も修正されていますが、大まかなところには変化はないのでどこを直したかは分からないと思います。
それと、今後の更新ですが週に2,3話程度でしばらくは行こうと考えています。 ストック自体は数話あるのですが、作者のリアルが忙しくなったのとこれを参考にして新作を考え中だったりします。
まぁ、まったくの構想段階で何も出来ていないんですけどね・・。
兎に角、ここまで早足で来たのでしばらくはゆっくりやろうと思いますのでよければお付き合いいただけれだと思います。
「クイン・・・」
俺はクインの目を見て、あの子を助けたいと必死に訴える。
「・・・・・ハァ、分かりましたよ」
よし、クインのお許しも出たぞ。
しかしまぁ、目立つことは出来るだけ避けたいからこれを使うかな・・。
「おいおっさん、嫌がる女の子を無理やり襲うのは関心しないぞ」
俺はガラの悪い男の近くまで歩いて言って声をかける。
男はギロッとこちらに鋭い視線を向けてくる。
「あぁん、Fランクの女をどうしようと俺の勝手だろうが!?」
「まぁな。 だけど俺にも口を挟む理由があるんだよなぁ・・。 なぁおっさん、俺と取引しようぜ」
「はぁ? 取引だと」
「そうだ。 俺もその子が気に入ったからさその子は俺に譲ってくれ。変わりにこいつと交換でどうだ」
俺は迷宮で手に入れたばかりの大剣を男に見せる。
これは武器屋に売ろうと思っていたが、どうせ俺たちは誰も使わないのだしこんな武器一つであの子を助けれるなら安いものだ。
「ほぉ~、中々いい剣じゃねぇかよ」
「まぁな。 売ればそこそこの金にはなるだろうし、武器としての性能も中々の物だぞ。 その子と交換なら悪い話じゃないだろ・・」
男は少し何かを考えるような素振りを見せるが僅かにニヤリと口の角をつり上げ、
「そうだなぁ~悪い話じゃねぇんだが、それだとどうも俺が損してるきがするんだよなぁ・・。 こいつの容姿は中々のもんだ、貴族連中に奴隷として売ればきっとその剣よりも高い金になるだろうなぁ・・・」
男は嫌らしい笑みを見せ、あたかも交渉を渋るかのように見せる。
だが、あからさま過ぎてぼったくろうとしているのが見え見えだ。
もっと交渉するなら表情を隠すべきだなこいつは・・。 それとも、俺たちの事を格下とでも思って余裕を見せているのか・・・・・どちらにしても碌な奴ではないことは確かだ。
「で、結局何が言いたいんだよ・・・はっきり言ったらどうなんだ?」
「へへっ、なぁに簡単なことだ。 お前の連れてるその子を一晩俺に貸してくれればいいだけだ。 お前だってそんなかわいいこと毎日やってんだろ? 一晩ぐらい俺に貸してくれても問題ねぇだろうが・・・それとも、自分の女大事さにこいつを見捨てるのかい? 酷い男だねぇお前も へへっ」
少女は男に腕を摑まれブルブルと震えている。 その目は俺にしっかりと助けを求めて・・・。
分かっていたことだがやっぱりそういう考えをしてくるわけか・・。
俺の後ろではクインが今にも飛び掛からんと、鬼の形相で男を見ている。
クインの容姿が男を惹きつけるのは分かるが、生憎とこいつは俺のものだ。 誰にも渡すわけにはいかない。
俺は男に見せつけるようにクインの肩を抱いて引き寄せると、
「フン、お前こそ何言ってんだよ・・。 お前ごときがクインに触れられると本気で思っているのか? それと、これは交渉じゃない・・・・・俺はお前に命令してんだよおっさん。 もう一度だけ言ってやるよ、この剣と女の交換だ」
「ガキが舐めやがって、大人しく女をよこせば怪我をしなくてすんだのにな・・」
武器を抜いて構えるおっさん。
つくづくどうしようもない奴だ・・。
「そうか・・・それがお前の答えだな・・。 なら容赦はしないぞ」
「ほざけガキが! お前の女も一緒にいただいてやるぜ」
おっさんが俺に襲い掛かってくる。
俺はそれよりも早くおっさんの懐に入ると、
「グフォッ!」
おっさんの顔面を殴って吹っ飛ばした。
おっさんはゴロゴロと地面を転がり、最後には壁に頭をぶつけて気絶してしまった。
「馬鹿だな、素直に武器と交換してればよかったものを・・・」
「それが出来ないからあの程度の男なんですよ」
「違いない」
そもそも力女の子を襲うような奴がまともなはずないしな・・。
これでよかったのかもな。 下手に馬鹿がつけ上がらなくて。
「それよりも兄さんあの子・・」
「おっとそうだった」
俺は今だ頭を抱え震える少女の下まで近寄り、
「大丈夫だったかい? もう怖いことはないから心配しなくてもいいよ」
やさしく言葉をかける。
少女は怯えた様子で黒いフード頭からスッポリと被り顔を隠しているが、フードの間から覗くその目はどこか安堵したように見える。
「あ、あの私・・・助けていただいてありがとうございました・・・・」
消え入りそうなくらい小さな声だったが、少女ははっきりと俺に感謝の言葉を口にした。
つい昔の癖で俺は、少女の頭に手を置いてやさしく撫でる。
フード越しだったが、俺の手を押し返すようにフワフワとした感触が手に伝わって来て、
「にゃ~ 恥ずかしいです~」
少女の甘えた声が漏れる。
「ん、にゃ~?」
感じた違和感に思わず撫でる手を止めると勢い余って頭のフードをずらしてしまって・・。
ピョコン。
そんな擬音がするかのように、少女の頭の上には青と白が混ざって綺麗な三角形をしたフサフサの耳が二つ現れる。
その姿はまさしく猫そのもので、
「はぅ~ もっと撫でて下さいよ~」
甘えた声で頭を摺り寄せてくる。
かわいい・・。
「・・・兄さん」
とか考えていると、背後でジト目で俺を見るクインが・・・。
「あぁ・・・・・とりあえず、連れて帰っていいだすかこれ?」
「・・・・・ハァ、うすうすそうなるんじゃないかと思っていましたが・・・仕方ないですね」
というわけで、俺とクインは少女を連れ宿に戻ることにした。
助けた手前、はいさようならと言うわけにもいかないだろうが・・。
とりあえず、彼女が落ち着くまでは面倒みてあげないと。
それはいいんだけど、腕に頭を擦りつけるのはやめてもらえますかね・・・・・嫉妬に狂った嫁(妹)がめっちゃ睨んでるんで・・。
はたして俺の命は明日まで持つのだろうか・・・。
そんこんなありながらも宿に戻った俺とクインは、少女に話を聞きながらジャックとエレンの帰りを待っている。
ちなみに場所は宿の部屋だ。
大事な話をするなら拠点でもいいのだが、そうすると彼女一度眷属化しなければならないのでそれは彼女の話を聞いてからだ。
「先ほどは見苦しいところ見せてしまいどうもすいませんでした!」
落ち着きを取り戻した少女は、真っ先に先ほどのことを謝ってきた。
「恥ずかしながら私、頭を撫でられるとつい気持ちがフワフワしちゃって人に甘えてしまうです・・。 どうも猫人の血が色濃く出るみたいでして・・・」
「猫人にはそんな習性があるのか?」
「習性といいますか、耳や喉を撫でられるとどうしてもフワフワした感じになるんです・・」
「成る程、人間にはないような感覚だから猫人の血が影響してるってことか」
「だと思います」
「猫人ってことは、君は獣人族ってことでいいんだよね?」
「いえ、私は猫人と人間のハーフなんです。 純血の獣人は私のように人間の姿しているわけではなくて、もっと体中を毛で覆われたような動物よりの姿をしていますから・・・」
そう言った少女の姿はほとんど人間とかわりがない。 頭の上の耳とおしりのしっぽを除けばだが・・。
それよりも目を惹くのが彼女容姿だ。
クインよりも2,3つ年下だろうか・・・・まだあどけなさも残る幼い顔つきをしているが、ある一部の成長がとてもいいのだ。 すらっとした腰のくびれに、ツンと張り出した形のいいおしり・・・・ロリじゃないけどロリになってもいいかと思えるくらいかわいいのに、獣耳っ子の属性まで持っているとは・・・・・・お持ち帰りしたいなぁ・・。
「兄さん、何をニヤニヤとしているんですか・・」
「べ、別にお持ち帰りしたいなんて思ってないんだからな・・・あっ」
「フフ、さっそくハーレムの増員ですか兄さん。 でも、まずは彼女の話をちゃんと聞いてからですよ?」
クインの笑顔がとても怖いです・・・。
そして増えていく俺のハーレム要員・・。
いや、彼女はまだそうと決まったわけではないからね・・・でもお持ち帰りしたいです・・。
「はぁ、下心丸出しの人は放っておいて、改めまして私はクインといいます」
「は、はい。 わ、私はラクスといいます! この度は危ないところを助けていただいて・・・」
「フフ、そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ。 それに、あなたを助けたのはそこにいる人ですからお礼ならしちらに言ってあげてください」
「どうも、俺はエースって言うんだよろしくな」
「え、俺・・・男の人なのですか? 私てっきり女の人かとばかり思っていたのですが?」
「プッ!」
「おいクイン、笑うなら声にだすなよ・・・・普通に傷つくから・・・」
「す、すみません! 気にしていることとは気づかず私・・」
「気にしなくていいですよ。 こんなの何時ものことですから」
何時もの事って・・・・確かに最近そのネタ使われるの多いけどさ・・・。
男だからね俺。
それだけは忘れないでね・・・お願い。
「はい。 あ、あの今日は襲われそうなところを助けていただいてありがとうございました」
「いいっていいって、たまたま近くにいただけだから気にしなくていいよ。 にしても、ラクスみたいにかわいい子が1人で出歩いてると危ないぞ」
「そんな・・かわいいだなんて・・・ハゥ~~~!」
やだなにこの子!
かわいいって褒めただけなのに、顔を真っ赤にしてモジモジしちゃって・・・・・可愛過ぎるだろ。
ダメだ。
これ絶対にお持ち帰りするわ。
このかわいい生物は俺んだからね。
誰にもあげないよ。
「おほん。 それで、ラクスはどうしてあんなところに一人でいたんだ?」
「ふぇ? あ、あの・・・・その・・・えっと・・・・・・」
「何か言いにくいことでもあるのですか? それなら別に無理に話さなくても大丈夫ですよ」
「い、いえそういうつもりでは・・・・・ただ、この話をするとお二人を巻き込んでしまうかもしれないので・・・・」
「こういう時は、一人で考えるんじゃなくて誰かを頼るもんだぞ」
「そうですよラクス。 こう見えて私たちは問題事にはなれてますからきっと力になれるはずですよ」
「・・・・・うっ、ありりがとうございます。 私人からこんなにやさしくされたの初めてで・・・」
「・・・・かわいいですねこれ」
「だろ」
頭の猫耳はシュンと前に倒れていて、ラクス自体は目に大粒の涙を溜めている。
よっぽど辛い生活を送っていたのだろうか・・。
ラクスはゆっくりとだがこれまでの事を俺たちに話して聞かせてくれた。
それを簡潔に纏めるとこうだ。
ラクスは人間と獣人の間に生まれたハーフ。
ハーフの子供は一般的に忌子と言われ、世間から嫌われた存在なのだそうだ。
何故そう呼ばれるかと言えば、ハーフの子供の多くはFランクとして生まれてくるからだ。 ランクが遺伝しないと言われるなか、何故かハーフの子供からはFランクが生まれることが多い。
Fランクという存在が帝国ではどうなるか・・・・・それは前にも話た通り奴隷として生きる道しかない。
故にハーフの大半は役立たず・・・忌子と呼ばれるのだ。
何が言いたいかと言えば、ラクスもまた貴族の親が奴隷を作るために獣人との間に作った子供なのだ。
これも貴族連中の裏の顔なのだろう・・・異種族を孕ませることでFランクの存在を意図的に作り出して、それを奴隷として売り捌く。
そうして多くのFランク奴隷が生み出されているのだ。
そしてここリステルの街には、貴族連中が別荘と呼ぶ奴隷専用の場所があるそうで、奴らは定期的にここに来て奴隷のやり取りをしているそうだ。
ラクスは奴隷として売られる前にそこから逃げ出してきたそうだ。
つまりラクスは貴族の連中に追われているということらしい。
「「・・・・」」
俺とクインはその話を聞いて静かに怒りを露にする。
昨日の話もそうだったが、奴らのやっていることは最低の行為に他ならない。
ラクスはとても悲しそうな顔をしている。
「・・・・・フゥ、まさか昨日の今日で奴らの闇の部分をさらに知ることになるとはな・・」
「最低ですね。 生きる価値もないクズがやる所業ですね」
「そうだな・・・・・結局奴らは俺の怒りをどこまでも買うことになるんだな・・。 ハメドラドの件も含め、こいつらも潰さないとな」
「そうですね・・。 この街にそれがあるなら必ず潰しましょう」
「と言うわけでラクス、お前は今日から俺たちのところにいろよ」
「ほえ?」
「貴族連中に追われているのでしょう? だったら、私たちがラクスの事守ってあげるからここにいていいのよ」
「心配しなくても俺たちはラクスを奴隷にしたりしないさ・・。 むしろ俺たちも奴らとは敵対しているからな・・」
奴らというより奴となのだが、どうせあいつ等全員潰すのだから敵に変わりないだろう。
「でもでも、それでも私は忌子ですから何の役にも立てませんし・・・・・お二人にお返し出来るものがありません・・」
「お返し出来るもんならちゃんとあるぞ」
「ほえ?」
「・・・いいよなクイン」
「はい。 兄さんの思うとおりにしてください」
俺は一様クインに確認を取る。
もちろんこれには二つの意味がある。
一つは眷属にすること、
そしてもう一つは、ラクスを俺のハーレムに加える許可だ。
話を聞く前からラクスのことは逃がすつもりなかったが、話を聞いた後だと尚のこと逃がす訳には行かなくなった。
「ラクス、一つだけ聞かせてほしい。 もし、ラクスが強くなれるとしたらどうする?」
「強くなれるですか?」
「そうだ」
「・・・・・もし本当に強くなれるのなら、私は私と同じようにハーフだからと強いてげられている仲間を助けてあげたいです。 ハーフだからと差別するこの世界を変えたいです」
「いい答えだ。 なら俺がラクスに力を与えてあげよう」
俺はラクスの手を取ってナイフで浅く手の平を切り裂く。
そこへ俺の血を垂らしてラクスと俺の血を混ぜ合わせる。
するとラクスの体が一瞬光に包まれる。
「な、何ですか今のは!」
「これでラクスは俺の眷属だ」
「眷属? 私エースさんの奴隷になっちゃったんですか・・・」
「そうじゃないだラクス。 俺はラクスの望みを叶えてあげたんだよ」
「私の望みですか?」
俺はラクスに眷属化の意味と、俺の持つ育成師のジョブについて教えてあげた。
それを聞いたラクスは、終始驚きっぱなしだったが強くなれると聞いてやる気見せていた。
猫耳がうれしそうにピコピコと動いて、尻尾は犬のようにブンブンと横に振れていた。
思わず頭に手を伸ばして獣耳と一緒に撫でていたら、ラクスがまた顔を蕩けさせておねだりするもんだから危うく襲いそうに・・・。
どうもラクスは撫でられるのが好きみたいだ。
「それでラクス、眷属になったからには俺から離れられないけどいいんだな」
「はい。 私はエースさんに助けていただかなければ、あのまま襲われていたか捕まって奴隷にさせられていたはずです・・。 それを思えば、エースさんは強くて、やさしくて・・・何より、私に強くなるチャンスをくれました。 それだけのものを頂いているのに、エースさんの下を離れる選択など私には出来ませんから」
「そこまで思ってくれてるなら俺もうれしいよ。 約束するよ、ラクスが俺について来てくれる限り俺はラクスを何処までも強くして見せる」
「はい。 私もエースさんの下できっと強くなって見せます。 そして、私と同じハーフの子達も救って見せます!」
「あぁそれと、ラクスも今日から俺の嫁だからな」
「ほえ? え、嫁? え、えぇぇぇぇ!」
こうして俺は新たな眷属兼嫁のラクスを迎えることになったのだった。
いや~よかったよかった。
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その頃ある場所では・・・
「クソッ! 忌々しいガキ共め、よくも俺様に恥を掻かせてくれやがったな・・・」
「ハメドラド様大変です」
「何だ、俺様は今機嫌が悪いんだぞ!」
「は、申し訳ありません。 奴隷が一人逃げ出しましたのでご報告をと思いまして・・・」
「奴隷が逃げただと・・チッ、お前らは一体何を見張っていたのだ。 さっさと連れ戻さぬか」
「は、至急捜索の部隊を編成します」
「うむ。 おぉそれとだ、本国に連絡してアディを呼んでおけ。 ついでにAランクの奴も何人か呼んでおけ」
「は、ですがアディ様をお呼びになるのですか?」
「そうだ。 それと奴らの行動を逐一監視させろ。 連れて来れる様なら女どもは攫ってこい」
「かしこまりました」
「俺様に恥を掻かせたのだ、楽に死ねるわけなかろうが。 精々甚振った後に、奴の女を目の前で犯してやるさ。 奴のすべてをボロボロにするまで殺しはしないさ・・」
「今回はかなりお怒りなようで・・・」
「フン、俺様に逆らうからこういうことになるのだ。 奴ら能無し連中は俺様に黙って従っていればいいもの・・・・・フン!」
「左様ですか。 では私は言われたとおりの手配しておきます」
「うむ」
豚もまた動きだすのだった。
前書きにも書きましたが新作考え中です。
今考えにあるのは、最弱スキルを持った主人公が最強スキルを持ったヒロインとコンビを組んで無双する話と、ポケモンやデジモン等を合体させたような話を考えています。
みなさんがどんな感じの話を読みたいか教えていただければ、作者もそれに答えるべく頑張ろうと思いますので、皆さんの声をぜひお聞かせ下さい。




