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しるこ地獄  作者: gojo
第二部 しるこ祭り
31/93

三十 、不要なあらすじと進まない展開


 ――前回まで――


 ついに本当の力を発揮したしるこの神。しるこ化の早さは想像を絶していた。


「土木―! コンドミニアムー!」


 あらゆる攻撃を無効化する神を前にして、『警官』、『土木』、『飛脚』、『頭取』、『コンドミニアム』と、こるし屋の仲間達が次々倒れていく。

 それを目の当たりにした『頭取』の息子は、父の無念を晴らそうと白玉団子を投げた。それは神の頬を直撃した。


 怒り狂う神。

「……おまえら、なまいきだぞ!」


 しるこの神はしるこの塊を投げつけてきた。『スーツ』が犠牲となり、続けて、何人もの仲間がしるこになった。


 なす術のないこるし屋達。その時、五人の人影が現れた。


 それは、新たな敵なのか、それとも救世主なのか……


 『第三十杯目 ごっつぁんです、俺達しるこレンジャー。助っ人参上の巻』




 砂利の山の上にいる五人が叫んだ。


「待てい!」


 その場にいる全員が五人を見上げた。しるこの神さえも見上げていた。

 そこには、目出し帽を被ったフンドシ姿の太った男四人と、遺影を持った年老いた男一人が立っていた。男達は注目を浴びていることを確認し、一人ずつ自己紹介を始めた。


「ワインレッドレンジャー!」

 と、太った男が言い、ポーズを決めた。


錆色(さびいろ)レンジャー!」

 と、太った男が言い、ポーズを決めた。


臙脂色(えんじいろ)レンジャー!」

 と、太った男が言い、ポーズを決めた。


赤褐色(せきかっしょく)レンジャー!」

 と、太った男が言い、ポーズを決めた。


「息子を返して下さい!」

 と、年老いた男が言い、遺影を握り締めた。


「五人合わせて、しるこ戦隊、しるこレンジャー」×四。


「息子を返して下さい!」×一。


 静かな間。


「いやいやいや、憲司君のお父さん。台詞が違いますよ」


「やっぱり、お父さんにお願いするのは無理があったんじゃないか?」


「だからと言って、四人じゃ決まらないだろう」


「そうだ。偶数では中心がなくなる!」


「息子を返して下さい!」


「中心がないと、レッドの俺が目立たないなあ。憲司君さえいれば」


「お前はレッドじゃなくてワインレッドだ。リーダーって訳じゃないんだ」


「ローテーション制にしようって話し合いで決めたじゃないか……」


「そうだ。お前は今回だけ中心なんだよ!」


「息子を返して下さい!」


 五人? 否、四人の男達は山の上で口論を始めた。


 どこから突っ込んで良いのか分からない。とりあえず、目出し帽もフンドシも、四人とも同じ色に見えることは指摘しておこう。


「と、油断させといて、トォー!」×四。


 突然、四人の男達は山を駆け下り、しるこの神に向かっていった。


※ワインレッド=#b33e5c

 錆色=#6c3524

 臙脂色=#b94047

 赤褐色=#683f36

 小豆色=#96514d

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