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任務その1 オーグルを倒せよ

最近、風邪が流行っているようです。

皆さま、お気をつけ下さい。

「ククク オマエガ セイジョカ 喰ワセロ……」


虚ろな筈の眼が聖女を捉える。

ハイ・オーグルと従えているオーグル達を合わせて三体、勝ち目は此方にある。


――私、リンは聖女をトスーイ国に送る任務を遂行中だ。

トスーイ国、大陸平和を掲げている大国だ。

技術、魔術、政治、軍事、どれをあげても他の国と比べるとベスト3には入る。

トスーイ国に大きな影響を与える神殿は王族とも同格だ。

というのも大神官長は国王なのだ。


私は国王直々に、覚醒した聖女様をトスーイ国に迎えに行く任務を命じられた。

勿論、私一人ではなく特殊部隊にだ。

そして、今に至る。――


殺られた。

あの特殊部隊が私と聖女様以外の全員殺られたのだ。

油断していた。

昼間からこんなにオーグルが出るとは聞いていない。

はじめは3体だったが一気に15体に増えた。

オーグルは知能を持たず言語も操れない。

しかし、進化したハイ・オーグルはオーグルより小柄になるが知能が発達し片言だが言語も操れる。厄介な妖魔なのだ。

そのハイ・オーグルに統率されているからかいくらオーグルを倒してもきりがない。

聖女様も弓の達人らしく強いが数が多すぎる。


「クカカ アキラメロ ワレニ 喰ワレルノダ!!」

ハイ・オーグルが聖女様に手を伸ばした。

聖女様は別のオーグルの相手をしている。

「聖女様!!」聖女様に危ないと叫んだ。

間に合わないと思ったその時だった。


「うるせぇな。

森が騒ぐから来てみりゃブタが騒いでいるだけじゃねぇか」

赤い髪に日に焼けた肌、人と違うのは尖った耳、そして……。

「オマエ! ハンヨウカ!!」


ハイ・オーグルを掴んでいる手は妖魔の手だった。

「ハンヨウガ ワレノ 邪魔スルナァア!!」

ハイ・オーグルが腕を振り上げた。

人では受け止めることは不可能だ。

しかし、ハイ・オーグルの攻撃は空振りした。

否、ハイ・オーグルの体は両断され攻撃にはならなかった。


ドサァァと倒れ砂煙が視界を覆う。

私はオーグルを全て倒して聖女様とハイ・オーグルを倒した者の所に駆け寄った。

そして、聖女様の腕を掴み私の後ろに隠し男の首にナイフをあてた。


「オイオイ。

恩人に対してお礼がこれかよ。」

「黙れ。半妖だな。

油断はできない!」


さっきもそれで殺られたのだ。

助けたフリしてライバルを減らして聖女様を喰らうのかもしれない。


「リン、大丈夫よ。

この人は悪い人じゃないわ。

目を見れば分かる。」

袖をひかれて見ると聖女様は微笑んで言った。

聖女様が言われるのなら何も言わないが油断だけはしないでおこう。

ナイフをしまって男の方に注意をむけた。

「そんなに睨むなよ。」

ヘラヘラした顔で見るな、半妖。

声には出さないが睨んでおいた。

すると、男は顔を近づけてきた。

「!?

な、何を……//」

思わず、顔を赤くして背けようとすると、男は囁いた。

「さっきのハイ・オーグルよりも格上の奴が来たぞ。」

私は一瞬で冷静なった。

男は顔を離すときまた囁いた。

「以外にウブなんだな。」

刺すぞ、半妖め。



メガ・オーグル。

ハイ・オーグルすら支配下におく。

メガ・オーグルを見たら最後、その者の命は無いと言われる。

2メートルと小柄で恐ろしく強い。

それしか、情報がない。


人の形だが顔が大きく恐い。

こちらを見て笑った。


!?

私と男は大きな岩に囲まれた。

メガ・オーグルの魔法に反応が追いつけなかった。


「聖女様!!

逃げて下さい!!」

「ストーンの魔法か、あいつとは相性が悪いな。」


余裕な男が恨めしい。


岩の隙間から外を伺うと聖女様が私たちの前で腕を広げていた。

つまり、ドームの岩に一緒に閉じ込められた私と男を庇っていた。


メガ・オーグルは聖女様を笑って近づいた、その時。


顔をあげていた聖女様が項垂れるとぶつぶつと何か呟いた。

「わた……ま――いの……」


聖女様が光に包まれる。

余りの眩しさに目をつぶった。



気がつくと私達を囲んでいたドームの岩だけではなくメガ・オーグルも跡形もなく消えていた。

シン、と静けさだけが私達を包んだ。

そして、聖女様は崩れ落ちた。

私はさっと受け止めた。


「今のは聖女が?」

相変わらず、静けさを破って能天気な様子に腹が立つ。


聖女様が眠っていると確認し、もう一度冷静になると私は膝から崩れ落ちた。

そして、頭をかかえこんでしまった。


「お、おいっ!

どうしたんだ?」

男が肩を揺さぶるが私はパニック状態だ。

構う余裕はなかった。


どうして、今の今まで忘れていたんだ。

聖女様をワープで送るのに必要で連れてきた神官が何を隠そう、一番はじめの犠牲者なのだ。

私が生き残ったところで聖女様をワープでお送りすることができない。

徒歩で行くしかないのか!?



布団は羽毛布団が下にするのがいいらしいですよ。

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