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馬鹿 其の壱

 僕は今夜も部屋で一人、ゲームを楽しんでいた。時計は深夜0時を指していたが、このゲーム、なんとも不親切なことにセーブが出来ない。まぁ、このゲームをプレイする時はいつものことで、僕自身も踏ん切りをつけている。

 ようやくボスまで到達した。久々のボス戦に備えて一休みをしていると、窓の外からこんな夜中には似合わない不気味な音が響く。ブィィィ…ンという機械音がしている。なんだなんだ、この音は。自分の住むアパートの一階から外を覗くと、隣近所の森の中に男が一人立っていた。その格好といえば、手にはチェーンソー、顔には穴だらけのマスクをかぶっていて、まさに某映画の登場人物そっくりだ。彼は、窓を開けて顔を覗かせている僕に気づくと、こちらへ歩いてきた。

「お前、まだ起きていたのか。こんな時間まで何やってるんだよ。」

いやいや、アンタこそ、ここでなにやってんだ…。

「俺か。ちょっと彫刻用の木が欲しくてさぁ。作品展に出そうかと思って。でも、この前真っ昼間に木切ってたら、お前んとこの大家さんに怒られちまって。だからこんな深夜しか行動できねぇんだよ。大家さんって怖えぇな。」

アンタのその格好の方が怖いんですけど。というか、こんな大音量でチェーンソー使って、逆に深夜の方が怒られるだろ。

 彼の名はジェンソンという。例の人物に似たような名前だが、この街に十年ほど前から住んでいるそうだ。初めて見かけたのは、僕が小学生の頃。もう怖くて怖くてたまらなかった。そういえば、あの日も13日の金曜日だった。街のほとんどの大人が引っ越して来た彼の事を知っていて、13日の金曜日(面倒なので、以下13金)には、必ず八百屋に来ては野菜なんかを買って行くと聞いた覚えがある。それから次の13金まで家から一歩も出て来ないという噂だが、その間何をしているのか誰も知らない。

 僕がふとカレンダーを見ると、なるほど、今日は年に数回有るか無いかの13金ではないか。正確に言えば、その13日というのは、ついさっき0時を過ぎた事によって日付が変わったからではあるが。

 ジェンソンは「ちょっと玄関まで行くぜ。」と言って、アパートの反対側へまわってしまった。しばらくするとチャイムが鳴り、不用心にも鍵を開けてあった玄関を開いて、いそいそとリビングまで上がって来た。ただ、せめてチェーンソーは部屋まで持ち込まないで欲しかった。あと、木くずはきちんと払ってから上がってくれよ。

「あぁ、すまん。」

そう言って、申しわけなさそうに玄関へ向かうジェンソンは、格好からは想像も付かないほどになんともお茶目だ。 

 何故、彼とこんなに親しくなったのかと聞かれれば、それは数年前に遡る。

そんな男が居るわけが有りません。

全くのフィクションです。

きっと。


読みやすいように1000文字程度で1話作りました。

自分もダラダラ書いていると、飽きちゃうんで。

誤字、脱字がありましたらごめんなさい…

感想もお待ちしております!


其の弐へ続く…

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