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三題噺もどき5

幼夢

作者: 狐彪
掲載日:2026/06/09

三題噺もどき―はっぴゃくはちじゅうさん。

 




「~♪~♪」

 このおはなは、あか。

 ここはあおいろにしようかなぁ。

 んーでもやっぱりきいろがいい。

「~♪~♪」

 ちょうちょは、しろ。きいろもいる。

 たまにみるちゃいろいのはちょっとこわい。

 くろくておおきいのはかっこいい。

「~♪~♪」

 ここはみどりいろ。

 たくさんくさがあって、おはなもたくさんさいている。

 あとは、ちょうちょがいちにいさん。

 もうすこしたそうかな。

「~♪~、」

 あれ、くろのいろえんぴつがない。

 このけーすのなかにいれたのに。

 どこかにころがっていったのかな。

「―んしょ」

 わぁ、ころがってたからふくがよごれている。

 ぱたぱたしておかないと、おこられちゃう。

 くさがついているだけだから、だいじょうぶかな。

「ん~」

 どこにころがっていったのかな。

 くさがたくさんだから、さがすのもたいへん。

 でも、くろだからみつかりそう。みどりだったらたいへんだった。

「ん~」

 どこだろう。

 あっちのほうかな





 ――ぇ」

 足を踏み出した瞬間。

 その先に道はなくて。

 ただ空を切っただけだった。

「――!!」

 声も上がらずに、ただ落ちていく。

 くるりと体ごと回り、見上げた先には、つい先ほどまでいたはずの草の影。

 そのさらに上に広がる星空。

「――」

 反射で手を伸ばそうにも、もう遅い。

 届くわけもない場所まで落ちて。

 どこまで続くか分からないそこに落ちていく。

 背後に何があるかなんて考えたくもない。

「――」

 視界は徐々に暗くなり。

 ただ一つの星だけが輝いている。

 アレに手が届けば。

 そう思っても、もう無駄なこと。

「――」

 それでも手を伸ばし、何かをつかもうとする。

 その度空を切る手の虚しさに、徐々にその気力さえ失う。

 私はもう、私は、ただひたすらに落ちるだけ。

 もう何もできない。

「……」

 無抵抗に、流されるままになるしかない。

 そんな私が生きている必要なんてあるんだろうか。

 居てもいなくても同じなのに。

「……」

「……」

「……」


「……」

 なんだか嫌な夢を見た。

 気分が悪い。

 いつも以上に、頭が重いし、何もやりたくない。

 今日も学校に行かないといけないのに。

「……」

 いっそだれか。

 殺してくれないだろうか。












 お題:蝶々・星・色鉛筆

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