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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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「美の国 王宮」小さな家の中で

計画の打ち合わせ?

「いや、友達ってのは少し違わないか?」

と葵に向かって言う駆。


「じゃあ、なんていうの?家族、とは言えないじゃん。本当のお父さんの前だしさ」

と葵。


ベルデの森の中の小さな丸太小屋、テレーザ王女のおままごとの家。

外装も内部も隅々までこだわって建てられた、職人たちの技術の光る小さな家だ。

そんな居心地の良い居間に、国王とテレーザ、そして尊、葵、駆がいる。


葵たちは一応、敬意を表してひざまづいてはいるものの、国王の目の前にしていつもの通り会話をしている葵と駆。

思わず、尊が二人を制しながら、


「大変ご無礼を」

と表情を改めて言う。


「テレーザがお世話になったね」

と国王が言う。

その顔は穏やかにほほ笑んでいる。


つい今しがた、テレーザが話してくれた倭の国での生活。

葵たちのことは、すでに知っていたのだ。


「本当にお世話になったわ」

とテレーザも言う。


「で、葵たちがなんでここにいるの?」

とテレーザ。


「ダイナさんたちに言われたのよ。テレーザがここにいるって。

だから、あんたの部屋まで直行出来たんだけど、寄り道したってわけ」

と葵が言う。


ダイナ夫妻の隠れ家から、特別な通路を通って城に戻った葵たち。

しかし、その途中でアルから「ままごとの家に行け」と通達があったのだ。


「さすがはアル・ダイナだな」

と国王が言う。


「でしょ、お父様。ここが守られているのもアルとレイのおかげだもの」

とテレーザ。


テレーザには、いや父である国王にも自分たちが何かの力によって見張られていることに気付いていた。

これは、ホイ王子付きの魔法使い、マルクによるものだろう。


それを完全に遮断している。

アルとレイ、とてつもなく有能な魔法使いだ。


「でも、急いだほうがよさそうだ。あいつらがここを見つけた」

と国王が言う。

あいつら、マルクをはじめとする連中のことだ。


「そうよね、ダイナさんたちもそう言っていたわ。本当にマルクってすごく有能なのね、

なんで反体制側になんてついちゃったのかしら。なぎさ公園ではいい人に見えたのに」

と葵。


倭の国でフィル・グレンと名乗っていたホイと自分、そしてテレーザと一緒に遊びに行った

なぎさ公園。

その一部始終をマルクが「監視」していた。


けれどその視線は何処までも優しく、慈愛に満ちていた、

葵にはそう感じた。


そんなマルクがホイを使って、王位を奪うようなことに加担するなんて。


「フィオナ・クリスティーナ王女の居所はわかりました」

と尊が国王に言う。


そして、

「満月の夜、我々が地下5階まで王女をお迎えにあがります。そして、承継を行う際ご同行いただき、

そこでテレーザから王家の魂をフィオナ王女へと受け渡し、そして、陛下より時期王位継承者をご宣言ください」

と尊。


「フィオナでよいのか」

と国王が改めて言う。


「そうよ、次期君主はお姉さま以外いない。それにお父様は後しばらく国王でいらしてね」

とテレーザ。


マルク、、ケインたち「反体制派」としては、満月の夜、王位をホイとテレーザに譲る、

と国王に言わせるつもりだ。

それで譲渡の儀での取り決めが実行される、満月の夜に。


「確認なんだけど譲渡の儀では、このままあんたがとホイが王位を継ぐって言うのよね?」

と葵が聞いた。


「そうよ、そうしないとあいつらを欺けないから」

とテレーザ。


「それで、満月の日にフィオナを君主にってできるの?」

と続ける葵。


「それが、いい抜け道があるのよ」

とテレーザが言う。


どうやら、譲渡の儀 王室典範の詳細によると、テレーザの場合、うまくかわせる方法があるというのだ。


「だってさ、ここ見てよ」

と持参していた、冊子を見せるテレーザ。


そこには、限りなく小さな字で、


「王家の魂を所持する者に後見人がいる場合、この限りではない」

と記載があった。


テレーザは倭の国で、都留田夫妻が正式な後見人として認められた。

それは何処にいても有効だ。


都留田夫妻の同意がなければ、何もできない。

そういうことだ。


「でも、ホイも継承者なんでしょ?」

と駆。


「確かにホイも王家の魂を持つ者だけど、美の国の王になるには純血とセットでないと行けないの。

純血それが、私ってわけ。

私とセットじゃなきゃ、美の国の王にはなれないのよ、ホイは。

だから、私がここにいるんだけどね」

とテレーザが言う。


「じゃ、満月の夜、父さんたちがオルト爺たちの手助けで、ここに来るっことで。

まあ、現場は大混乱となるだろうけど、父さんたちは王家の魂とやらをフィオナに渡したら

すぐに呼び戻すって、オルト爺たちが保障してくれてるよ」

と駆。


「というわけで、お父様。もう後戻りはできないわ」

と言うテレーザに、


「本当にお前は女王には」

と繰り返す父。


「だからさ、何度も言うけど、私はテラピアーナになるんだって。だから王冠は不要よ」

と言い切るテレーザ。


そして、

「でもさ、なんでお姉さまの王家の魂、取り上げちゃったの?」

と父に聞くテレーザ。


その言葉を聞いて、父である国王は少しばかりバツの悪い表情をしながら、

「些細なことで、ケンカをしてしまって」

と小さな声で言った。


「ケンカだって」

と葵たちがささやき合う。


「わ、私も初めて聞いたかも。親子喧嘩したなんて」

とテレーザも言う。


「ま、それでこそ親子だな、俺たちなんかしょっちゅう父さんとも母さんとも喧嘩してるぜ」

と駆。


「あんたのは理不尽な反抗期でしょ」

と葵に言われる駆。


それを聞きながら国王の顔が、万国共通の「父の顔」になっていることを葵はしっかりと見つめていた。

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