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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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「美の国 王宮」譲渡の儀まで

譲渡の儀までのわずかな時間

「それで、その承継の儀、譲渡の儀だっけ?それが今夜なのね」

と葵が言う。


「そうらしいわ。王宮役人側が伝えてきた」

とテレーザ。


「伝えたって、いつの間に?」

と尊が言った。


「ベルデの森でよ。伝達鳥がやってきたわ」

とテレーザが言う。


「まるでおとぎ話の世界だわ。昔は倭の国でも伝書鳩って鳩が手紙を運んだりしていたこともあったみないだけど、ここじゃ未だにハイテクよりこういうのが使われているのね」

と葵。


タブレットやスマホなど最先端の技術に関しては倭の国はかりハイレベルだ。

しかしここでは未だに、昔ながらの方法が一般的な様子。

それでも5大王国はファンタジーワールド(この素晴らし世界)の中枢だ。


「ほんとに、同じファンタジーワールド(この素晴らし世界)の国なのに、

この違いはどういうことなんだ」

と尊も言う。


「最先端の技術を取り入れないだけよ。ここだって、ネットは通じるしやろうと思えばできるんだけどね」

とテレーザ。

なんだか美の国の肩を持つような言い方だ。


「5大王国の国民たちは変化を好まないのよ。だから何百年も前から何も変わらないの」

と続ける。


「だからいまだに馬車なのか。電車もバスも便利だろ?」

と駆が言う。

少し上から目線な駆に、テレーザは不満そうだ。


「じゃあ、なおさら王位を継ぐのは王の第一子、これを変える訳にはいかないだろう。

それが伝統なんだろう?」

と尊。


「そうね、だからこそこの騒動を公にはできないのよ」

とテレーザは言う。


「基本、王位に関することを国民がとやかく言うことはできないの。

国王が決めた、と言えばそれが絶対だから。

水面下でホイと私に王位を継承させて、それをお父様が国民の前で宣言すれば、それは必ず受け入れられる」


「王の言う事に誰も逆らえない、ってことね」

と葵。


「どれだけの権力なんだ」

ため息をつき駆が言う。


「王国ってある意味怖いよな」

と尊も言う。


「それでね、ホイと一緒に先生たち(ダイナ夫妻)の隠れ家に行ったんだけど」

とテレーザ。


「やっぱり。私たち、追いかけなくてよかったわ。ケインがあの二人を連れ戻さないとって、森に入ろうとしらわ」

と葵が言う。


「チョビに足止めしてもらったもの」


「そういうことね」


テレーザと葵でそんな話をしていた、その時、

テレーザ王女の部屋の入り口扉の下から、一通の封筒が滑るように部屋に入り込んだ。

誰かが廊下で扉の下のわずかな隙間に差し込んだのだ。


「テレーザ王女、本日、月の出とともに威厳の間にお出ましください」


その封筒にはそう書かれた手紙が入っていた。


「譲渡の儀が行われるわ」

とテレーザ。


「じゃあ、あと少ししたら早めの夕食にして、それから準備しましょう」

と葵が言った。

月の出の時刻、それから逆算してテレーザの支度を始める時間を決める葵。


「まるで、侍女だな」

とそんな葵に駆が言う。


「だってそうでしょ?私はテレーザ王女の特別な存在(大切な侍女)だもの」

と葵は誇らしげに言った。


「では、よろしくね」

それを聞いたテレーザが澄まして答えた。


「兄さんたちも、それまでに支度してね。正式な儀式のときの制服ってあるみたいだから、

着替えないとダメよ」

と葵。


「あら、葵もよ。儀式のある日の制服、なんか窮屈だってレイアが言っていたわ」

とテレーザが葵に言う。


「窮屈だってさ、最近太り気味だし入らなかったりして」

と駆がからかうと、


「うるさいな」

と、それしか言えない葵。


「まあ、とにかく、支度を済ませてもう一度ここに来てちょうだい。

私はあなたたちを付き添いとして、威厳の間に行くわ」

とテレーザ。


「じゃあ、確認なんだけど、今日の月の出る時間と共に、譲渡の儀が威厳の間にて行われる、

そういうことか」

と尊が言った。


「そうよ、出席するのは現君主と次期君主。

だから、お父様と本来ならフィオナお姉さまのはずなんだけど、何故か私とホイよ」

とテレーザ。


「国王はおまえに王位を譲るつもりなんだろうか?」

と尊が言う。


「わけないじゃん」

とテレーザ。

テレーザには父である国王が、自分を次期女王として認めるとは到底思えない。


「きっと、何かお考えがあるんだわ」

とテレーザは言う。


「お父様はね、とても立派な国王なの。威厳と慈愛に満ちていて。

だから、どんな力が加わっていようが、私に王位を譲るなんてあるはずがない」

といい切るテレーザ。


「そこまで言わなくても。

まるであんたが女王の資質がまるでないみたいじゃない。私たちの知ってるテレーザ、あんただってなかなかだよ。だから、なんか自分を否定するようには言わないでよ」

と葵が言う。


それは尊も駆も同じ意見だった。


「お前は自分の意思で、王位を継がないでしょ。資格がないとかじゃなくて」

と駆が言った。


「だから、なんていうのか、出来るけどやらないよ、そう言ってほしいのよ」


「自分の進みたい道の為には女王になってる場合じゃないんだろ?」


「そう言うニュアンス、大事だから」


葵たちに口ぐにに言われるテレーザ。


「ありがとう。そうね、私は自らの意思で王位には就かない。お父様にもそう言うわ」

とテレーザ。


「じゃあ、さっさと済ませて、故郷(倭の国)に帰ろう」

尊の言葉にテレーザは静かに頷いた。



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