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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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「美の国 王宮」ただいま

計画始動は?

「あら、兄さんたち」

と葵。


「ダイナのおっさんが、テレーザの部屋へ行けって」

と駆が言う。


「おまえがもどっているって」

と尊。


「この方々は、えっと」

とケインが尊たちをまじまじと見ながら言った。


「俺たちはテレーザ王女の従者ですよ」

と駆が言うが、ケインは腑に落ちない様子だ。

確かに見覚えのある顔ではあるのだが。


「なんだか、随分と、フレンドリーですね」

とケイン。

葵にも感じていたが、この二人が加わるとますますそう思う。


「テレーザ王女がまるで友達のようだ」

と。


「まあ、友達というより家族だな」

と駆が言う。


「まるで4人兄妹って感じで」

と尊も言う。


「やはり、あの噂は本当だったのですね」

と尊たちの言葉を聞いたケインが言う。


「噂?」

と葵が首をかしげると、


「テレーザ王女が旅行者として異国に行っていた、ということですよ」

とケイン。


やはり、そんな噂が流れていたのか。

と3人は思う。


ケインはそれ以上、何かを聞くことはしなかった。

しかし、その心の内ではすべてを察し、理解したようだ。

これは知る人ぞ知る極秘事項なのだろう。


目の前のこの3人は、テレーザ王女の異国での受け入れ先の平民たちだ、

と直感するケイン。


そう思うケインだったが、葵たちに嫌悪感などはなかった。

むしろ、こんな友達のような若者たちが側にいるテレーザ王女を羨ましいとさえ思った。


「ホイ王子には、そんな存在はいない」

とケインが密かに思う。


「王女はお幸せだ。皆さんのような方々が一緒にいて、そして将来の夢をお持ちで」

とケインが思わず口にした。


葵から聞かされたテレーザ王女の素顔。

それはまるで夢と希望にあふれているどこにでもいる若い女性だ。

決められた人生を生きる以外の選択肢などない王子や王女とは違う。


「あら、フィルくんだって」

と思わず、葵が口に出した。


「フィル?」

とケインはすかさず聞き返した。


「ああ、ホイ王子の別名?テレーザ王女はこうお呼びになる事があるわ」

と葵


フィル

フィル・グレン。

それはホイが倭の国で名乗っていた名だ。


「そうですか、それほど王女は王子と親しくおなりなのですね。

フィルという名はホイ殿下が小さなころからご自分に付けられていたもう一つの名です。

この名の時には自分は何にでもなれるんだ、そうおっしゃっておられた」

とケインが言った。


その言葉を聞いた葵、

なぎさ公園をテレーザと3人で訪れた時、海を見ながら輝くような瞳で夢を語っていた。

その夢が、叶わないことはテレーザも葵も、フィル本人もわかっていたはずなのに。


「あの時の瞳が忘れられない」

と葵は思う。


テレーザを連れ戻すことはもちろん、ホイもあの時のあの目の輝きを取り戻してほしい。

と葵は心から願っていた。


「じゃあ、決まりだな」

そんな葵の心中を察した尊と駆。

この二人も思いは同じだ。


「じゃあ、協力お願いするぜ」

と駆がケインに言った。

何を言われているかわからない様子のケインに尊が、


「これから譲渡の儀ってやつで、テレーザは王位には就かないと断言する。そして王家の魂ってのを

正当な継承者に譲り渡す、そして、この国を出て行く。

ホイ王子はどうする?一人でもここの王になる気があるのか?」

と自分たちの計画を話した。


「いや、王子おひとりでは王にはなれません。

王位に就くならテレーザ王女と共に、これが条件です。

王子の本心はわかっています。王になる気はない、それが正直な王子のお気持ちです。ホイ殿下もテレーザ王女と同様、このしがらみから解き放されることが出来るでしょうか?」

とケイン。


「だから協力しようって」

と尊。


あまりにも唐突な尊たちの話に、頭が追い付いていないのかケインは動揺に色が隠せない。

それでも、なぜかこの異国の若者たちと一緒に「何か」に立ち向かおう、そんな気持ちになっていた。


「ただいま!」

その時、テレーザ王女の部屋の扉が開き、元気のいい声がした。

そこには、テレーザ王女が一人だけで立っている。


「みんなお揃いね」

そう言いながら部屋に入るテレーザ。


「王女、付き添いもなくおひとりで?」

と慌てて言うのはケインだ。


「あら、自分の部屋に戻るくらい一人でできるわよ」

とテレーザ。


「ホイも自分でお部屋にもどったわよ」

と続ける。


「殿下が?おひとりで?」

と驚きの声を上げるケイン。


その声をよそに

「さあ、計画を始めましょう」

とテレーザは静かに言った。


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