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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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「美の国 ベルデの森」秘密の抜け穴

少しずつ話が見えて来た

「じゃあ、そうしよう」

とアルが言った。

たった今、テレーザの決意を聞いたばかりだ。


「早く決着を付けて、貴女は故郷(倭の国)に帰らないとね」

とレイ。


「まずはお父様に会うわ。それからホイと話をして真意のほどを確かめる。

操られているなら、どこかに魔法使いがいるはずだから探し出さないと」

とテレーザが言う。


「だな」

と尊と駆がうなずく。


「パパとママ、呼ぶことになるかもしれないから、オルト爺さんと連絡とっておかないとね」

と葵が言うと、


「それはこちらでやっておくわ。

意気込みは立派だけれど、そろそろあなたたちは王宮に戻って寝ないと。もう遅いわ」

とレイが言った。


気付けばかなり夜は更けている。

ここに来て、知らず知らず時間が経っていたのだ。


「部屋、誰もいないけど、これまずいよね」

と葵。


「誰か部屋を訪ねていたらどうする?」

と尊も言う。


疲れたので休みたい。

そう言って部屋に下がったテレーザ。

当然、侍女たちが付き添うはずだ。


ここに来た時からいる「侍女」たち。

その誰かがテレーザの部屋を訪れていてもおかしくはない。


「それなら大丈夫よ」

とテレーザが言う。


「あの人たちには、近付かないで、って言ってあるもの」

と続けるテレーザ。


「なら安心ね」

と葵。

侍女にとって王女の言うことは絶対だ。

あの侍女たち、テレーザに忠誠を尽くすつもりなどみじんもない。

それならば、侍女としても仕事だってほどほどにしかやらないだろう。


「じゃ、お部屋に戻りましょう、王女さま」

と葵が言う。

尊と駆も立ち上がり、入り口へ向かおうとした。


その時、アルが二人を引き留める。

「まあ、今日は特別だ」

そう言いながら。


「こちらへ」

とレイが部屋の奥へと案内した。


そこには、一つの扉がある。

どう見ても普通の部屋の入り口だとは思えない扉だ。


「こんな時間だもの、ベルデの森のど真ん中を通るなんて、魔獣のエサにしてくれって言っているようなものよ。王宮に帰りつく時には、誰もいなくなっているわ」

とレイ。


「これ、秘密の抜け穴ね」

とテレーザが言う。


小さなころ、ダイナ夫妻からよく聞かされていた、ベルデの森から王宮へと抜ける秘密の通路だ。

テレーザも通ったことはない。


「さあ、貴女の夢がかなったわね」

とレイが言う。


「幼い頃、よく抜け道を通ってみたい、そう言っていたからな」

とアル。


「だって、すごく魅力的な言い方をするんだもの。先生たち(ダイナ夫妻)の話。

通る時、レモンに匂いがするんでしょう?それに運がいいと、魔ホタルの群れが見られるって。

まるで、イルミネーションのようにきれいだって」

とテレーザが言う。


「今夜はどうかな。あっという間に着いてしまうから、見逃さないようにな」

とアル。


「で、お前はどうする」

とアルはチョビの方を見て言った。


「まあ、ここに居た方がよさそうね」

とレイが言う。


王宮内で犬が勝手に動きまわることはできない。

下手をすると、テレーザたちの足手まといとなってしまう。

アルもレイも、そのことは十分に承知している。


「じゃ、そういうことで、お前はここで留守番だ」

と駆に言われて、


「我は、ここでお前たちを見守ってやる。ありがたく思え」

とチョビがエラそうに言った。


「でた、チョビの強がり」

そう言いながら、チョビを抱き上げ撫でまわす葵。


「やめろ、我はそんなに、べたべたされるのは好きではない」

とじたばたしながら言うチョビ。

しかし、シッポはブンブンとちぎれんばかりに振り回されていた。


「まあ、ガイナ。なんていう姿なの」

とレイがあきれた言うほどだった。


「それでは、王宮に戻ります。

アルさん、レイさん、どうもありがとう。これからもよろしく」

そう言いながら尊が頭を下げた。


駆も葵も同じように、アルとレイに感謝を伝える。

そして、テレーは、

ただ無言で二人に抱き付いてた。


そんなテレーザを抱きしめるアルとレイ。

レイはテレーザの耳元で、何かを囁いた。


「じゃ、私たちは王宮に」

とテレーザが言う。


アル開けた扉に、テレーザ、葵、そして尊と駆、、みなが入って行った。

扉を閉めると、


「今日のところはゆっくりと眠ってくれるといいのだが」

とアルが言う。

レイも無言でうなずいていた。



「わ、すごい、ここ、テレーザの部屋の前の廊下じゃない」

と葵。


ダイナ夫妻の隠れ家の隠し扉から、ここまでほんの数分。

着いたのは王宮内、姫君たちの部屋のある廊下だった。


「じゃ、葵は私と一緒に。尊と駆は、この奥、従者の宿舎へ。

受付で、本日のお努め完了いたしました、って言えば部屋に通してもらえるわ。

えっと、なんだっけ、宿屋?と同じような感じだって」

とテレーザ。


「お、サンキュ」

と駆。

そう言うと尊と共に廊下を進んでいった。


テレーザと葵も、テレーザ王女の部屋に戻った。

誰かが中に入った気配はないようだ。


「じゃ、葵はあそこの部屋を使ってね」

とテレーザが言う。

そこは、かつて特別な存在(大切な侍女)であるエマの使っていた小部屋だった。

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