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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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「美の国 ベルデの森」再会

やっと隠れ家にたどり着く?

アル(先生)、会いたかった」

と目の前にひざまずくアルの手をとるテレーザ。


「さあ、行きましょう」

とアルが立ち上がり言う。


そしてチラリとガイナ(チョビ)の顔を見ると、付いてこい、とばかりに目で合図をした。

アルとテレーザ、その横チョビがしょんぼりしながらとぼとぼと付いて歩く。

その後ろには、葵たち。


「お前さんたちの剣術、なかなかのものだ。美の国の武道家たちも脱帽ものだな」

とアルが振り返りながら尊たちに言う。


「すごいでしょう?尊たちは、倭剣術の正当な継承者なのよ。私だって正式に門下生になったのよ」

とテレーザ。


「魔力を用いない、攻撃と防御だな。しかし、倭でもこの剣術は表向きには封印されただろう」

とアルが言う。


「封印?」

と葵。


「魔力を持たなくてもあれだけの攻撃ができる力。ファンタジーワールド(この素晴らし世界)の王国、特に五大王国では考えられない事だ。それだけに脅威に感じたのだろう。

何年もかけて、剣術の継承者を減らし存続出来なくするように仕向けたのだ」


アルが言うには、五大王国では軍の力だけでなく、様々な分野で魔力が大きな力を持ちそれを司る魔法使いは重要な存在とされている。

しかし、倭の国にはその魔力を持つ者、がほぼ存在していない。

それにもかかわらず、国の防衛力は強大で他国も一目置いている。


それがかえって脅威ともなり、五大王国はこの小さな辺境の国に古来から伝わる武術を衰退させたのだ。

しかしながら、伝承者は水面下でしっかりと受け継いでいる。

アルはそれを改めて認識していた。


「じゃ、継承者がいるってバレたらまずいよね。尊兄さんたち、あの武術ここでは使わない方がいいのかもよ?」

と葵が言う。


「だな。お前さんたちは一応、従者と侍女ということらしいが、武術がすぐに倭剣術と判明することはないと思うが、その故郷は明かさん方がいいな」

とアル。


「俺たちは、倭剣術の道場主の家系、というだけだ。本当にこの武術を承継しようとしているのは、元門下生たちだ。俺たちが何かやって締め付けがもっと厳しくなるようなことは避けなくては」

と尊。


鳳凰館、都留田家が代々その館長を伝承してきた、倭剣術の道場。

カミヤマはじめ元門下生たちは、今でも地道に鍛錬を続けている。

これを壊すようなことをしてはならない、これはここにいる皆が同意見だ。


「それにしても、テレーザが剣術とは」

とアル。


「でしょ、王女様が剣振りまわすなんてね」

と葵が言う。


「最初は道場の掃除係だったのに、自分もやりたいって言いだして」

と尊。


「掃除?それに自分から?」

とつぶやくアル。


テレーザ王女が「掃除」をするだなんて。

そのうえ、みずからの意思を誰かに伝えるだなんて。


「今までのテレーザとは違う?」

と葵がアルに言う。


アルがテレーザをちらりと見る。

その姿、確かに以前とは違う。

凛とした何かを感じるのだ。


「そうだな、目の輝きが違う」

とアル。


「でしょ。私、毎日が楽しいもの。なんか生き甲斐があるって思うのよ」

とテレーザ。

その瞳は今までアルが見たことがないほど、澄んでそして秘めたる力を感じさせていた。


「でさ、なんでガザエルがこんなところまで出て来てるの?」

とテレーザが言う。


先程襲撃してきた魔獣のガザエル。

普段はもっと奥に生息しており、こんなところで見かけるのは稀だ。

それに、自分の「力」が全く通用しなかった、それも解せない。


「ああ、この森も何かが変わろうとしているようだ。王宮からの魔法の力が弱まっているからな」

とアルが言う。


このベルデの森は、王宮に隣接した広大な森だ。

その自然は王宮に大きく貢献している。

しかし、魔獣など危険な生物も多数生息しており、それを制御するために宮廷魔法使いたちは常にこの森に魔法を放っているのだ。


「ふうん。やっぱり何かがおかしいのね」

とテレーザ。


「さあ、着いたぞ」

とアル。

しばらく歩いた先に、葵たちにとっては2度目の、テレーザには初めてのダイナ夫妻の隠れ家があった。

相変わらずその入り口は、巧妙に細工をされておりほとんど森の情景と一体化している。

アルが近付くと、覆われていた草木の枝がすっと左右にわかれ、入り口が現れた。


「まあ、王女テレーザ、ご無事でお帰りを」

と中にいたレイが言う。

先程のアルと同じように、テレーザの手を取り、ひざまずきながら。

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