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これが私の生きる道~国を追われた美の国第4王女~「私が貴女をマダムに変える、美の国王女の名に懸けて」  作者: 明けの明星


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「美の国」変装完了

いよいよ潜入できるかな?

「わ、なにその恰好」

と葵が笑い声をあげた。


そこにいたのは、尊と駆。

それぞれ王宮に仕える、従者のいで立ちに着替えている。


「なんかさ、ゲームに出てくるよね、こういうキャラ」

と葵が続ける。

「そう言うお前だって」

と尊。

葵も、侍女の制服姿だ。


どちらもレイアが調達してくれた、美の国王宮、ディアロポス宮殿に仕える者たちと同じ格好だ。

これならば、周囲に溶け込むことができそうだ。

しかしながら、葵たちからするとかなり「時代錯誤」な恰好だ。

お互いを見て、笑いをこらえきれない。


「あと、これが鞄。肩にかけて、手はいつでも空けておいたほうがいいわ。

アオイ、あなたにはこれを」

そう言ってレイアは尊と駆にはカバンを、小さなポーチを葵に手渡した。


「あなたは侍女の恰好をしているのだから、どこで何を言いつけられるかわからないわ。

そう言う時に役立つ物がはいっているのよ」

とレイア。


「でもこれ、ずっと持っているの?」

と葵が言うと、


「これはね、ここに忍ばせておくのよ」

とレイアが葵の胸元にそのポーチをねじ込んだ。


「姉ちゃん、胸でかくなってよかったな」

と駆が笑いながら言った。

ポーチを入れたおかげで、葵の胸元がいつもより少しボリューミーになっていたのだ。


「あの、まあ、ありがとう。私たちはただテレーザを」

と葵がいいかけたところで、レイアがその口をふさいだ。


「王女とか姫とお呼びください。テレーザと呼んでいいのはご家族だけです」

とレイア。


「ここでは誰が聞いているかわからないわ。だから気を付けて」

と。


「テレーザって言うのダメなんだ」

と駆が言うと、


「投獄されますよ」

とレイア。


「こえーなあ」


「ここは王国なのです。テレーザ様はその王女なのですもの」

とレイアが言うと、葵たちも気を引き締め出るを得なかった。


そんなやり取りがあったその後、


「王女は倭の国ではどのようにお過ごしでしたか?」

とレイアが聞いた。


レイアがテレーザの「消滅」を知ったのは、あのバルコニーで矢が放たれたその後だった。

自分も故郷へ送還、そう覚悟したのだが何故か王宮に残ることを許された。


「特別な配慮」

という名目だった。

これがテレーザの希望だったというのだ。


そしてそれ以来、「テレーザが無事でいること」に一縷の望みをかけて過ごしてきた。

つい先ほど、ダイナ夫妻からの連絡を受け取るまでは。

テレーザが無事にこの美の国へ戻ったのだ。

これほど喜ばしいことはない、そして不在の間、どんな様子だったのか、幼いころから仕えてきた姫が、初めてこんなに自分と離れた。どんな風に過ごしたのだろう。それを知りたいのはごく当たり前のことだ。


「普通の女の子だよ。学校にも行ったし、いろんな趣味を楽しんでるよ」

と葵。

尊と駆も都留田家でのテレーザの様子を話した。


まるで少しの間会っていない兄弟姉妹の話をしているようだ。

王と王妃、姉と弟と共にいるテレーザからは想像もつかない話ばかりだ。


「母の日の料理はすごかった。超一流の食材平気で買いあさってすごい金額になってたし」


「でもママとても喜んでいたわ。母の日の手作り料理のプレゼント」


「あれは美味かった。プロの料理人も驚くぞ」


テレーザ王女が自分で買い物をしたのだ。

そして「母の日」に料理を振舞った。

実の母、エリアルド王妃にそんなことをしたことはない。


「剣術もうまくなってる。なんせ倭剣術の正式な門下生だからな」

と尊。


「王女が剣術を?刀を振り回しただなんて」

とレイアが言う。

テレーザはどちらかと言うと、運動は苦手、動くのは好まない。ここ王宮では誰もがそう思っていた。


「そんなことないわ。フットワーク軽いもん、運動神経もいいわよ。」

と葵がいうと、


「テレーザ王女に一番似つかわしくない言葉だわ」

と思わずつぶやくレイア。


「まあ、俺たちの知っている、テレーザ、いやいやテレーザ王女と、ここ王宮でのあいつとはまるで別人ってことだな」

と駆が言った。


「あいつだなんて。王女に向かって」

とレイア。


しかし、その言い方には親近感と慈愛が満ちており、テレーザの倭の国での充実した暮らしぶりを思わせた。


「それが急に帰還せよだなんて」

とレイア。


「ここではまだ、テレーザ王女がお戻りになったと言う事は公に発表されていないの。

極秘裏に連れもどされたのね」

そう言うレイア。

レイア自身も「いま何が起きているか」は知らされていないと言う。

しかし、テレーザ王女の公表されない急な帰国。これだけで大体を察することが出来た。


「私だってね、王宮で生きて来たんです。色々な内紛を見てきたわ。

そんなことに王女を利用させたくはないわ」

とレイアは強い口調で言った。


「じゃあ、決まりだな。俺たちがテレーザを奪い返してくる、それでいいよな?」

と駆。


その言葉にレイアもただ頷いた。


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