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貴族と従者

作者: 尚文産商堂

遠い遠い過去。

この世界は核戦争で地上は滅んだとされる。


とされる、といったのは、誰も地上の今を知らないからだ。

長い長い間、数百年も昔に入り口は溶接され封印された。

入り口はほんとうは3か所あるそうだが、今わかっているのはその溶接をされた1カ所だけ。

その1カ所もそういう理由で放棄されて久しいものだ。


ここは、そんな核戦争のために設けられた第244号シェルター。

昔のどこかの企業が作った、永年収容型シェルターと呼ばれるタイプのものだ。

部屋タイプは有料が3タイプ、その企業社員用のものが2タイプの合わせて5タイプある。

当時の有料の金額は、何百万ドルという形になっていたそうだが、今となっては過去のものだ。


最初の世代から何世代も経ているが、ここで最初の世代はあることを思いつく。

どうせこの娯楽も固定されているシェルターの中の話だ。

有料のエリア3タイプを貴族に見立て、企業社員用の2タイプを従者や執事としたごっこ遊びだ。

永年用ということもあり、家族や友人らと一緒に移住をしているため、貴族としてはその家族を1代目としてけいさんするということもかんがえていた。

貴族ならば、ということで3タイプの購入金額によって、上から公爵、伯爵、男爵とすることになった。

ちなみに、公爵は3家族、伯爵は6家族、男爵は12家族いる。

また、企業社員は2タイプあるうちの、幹部用の部屋にいる人を、それぞれの執事とし、残りを従者というかたちにすることになった。

彼らもまた、家族で移住をしてきており、シェルター内に設けられた施設のメンテナンスなどをしていることになっている。

ちなみに、執事は、本来であれば1家族1人となるところであるが、シェルターという閉鎖空間の都合上、公爵は1家族1人、伯爵は3家族1人、男爵は4家族1人という計算になっていた。


シェルターでは、永年過ごせるように、多くの施設がもうけられている。

とくに、娯楽と生活必需品の2つのエリアについては、数多くあり、娯楽ではゲームセンターや映画館が主にあり、生活必需品は食料生産と電気水道を再利用可能な形で利用している。

これらについても、従者が行っているわけだが、社会活動の一環という名目で、貴族のメンバーも手伝うこともよくある。

こうして、貴族と従者という2つの世界に分かれたシェルターだが、それがすでに数世代にわたって行われているのだから、おそらくはシェルター自体が崩壊するまでは、この生活は続くことになるだろう。

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