おうち周辺の環境
設備に関しては「遠慮せずに欲しいものを言ってみろ」と言われた。
我慢して控えめに設計すると、住んでから だんだん不便や不満が募る者なんだそうだ。
そこで、「冷暖房完備・IHとガスコンロ併用・空調ばっちり・天然光と自然の風がふんだんに取り込めるけど、虫とか寒暑とかに煩わされない仕様がいい」と言ってみた。
「そもそも お前さんは家の周りの気候や気象をどのように考えているのだ?」
「えっ そこから決められるの?」
「もちろんじゃ」
「うーん 家の周りは、年中温暖な春の庭がいいなぁ。
そして 庭の周りには 四季とか天気の変化があるといいな。
それと 家の中・庭を管理する人も必要ね」
「その種族は?」フェン
「決められるの?」
「もちろん」フェン
「もしかして 住み込みか、別宅つきか 外からの通いか?とかも決めなきゃだめの?」
「その辺は かっちり決めるもよし、アバウトに あるいはなりゆき任せと言ったランダム要素を加えてもよい」フェン
「わ~ 面白い♬」
「しかしまずは お前さんにとっての快適空間、家に話を戻すぞ」
思考がそれだす前に フェンはピシリと言った。
「あー どこから?」
「温度調節。空調の話だ。
家とその周辺の気候が温暖で安定していれば、冷暖房の心配はいるまい」フェン
「そうねぇ、でも そよ風は欲しいな。吹きっぱなしじゃなく、穏やかな四季を感じさせるような。
夏は 昼間 ちょっとだけ気温が上がって ひんやりしたものがおいしく食べられるとか、
冬は ちょっと長袖を着たくなる程度に気温が下がるとか・・
24度から26度くらいの間で。湿度は50%で」
「フムフム」わんこ式三角ずわりで小首をかしげるビクターポーズのフェン
「だから うちわと扇風機があれば、使うかな? 使わなくても大丈夫かな?くらいの夏^^」
「よかろう、それなら 寝具も整えやすいな」フェン
「ベッドでよろしく。できれば ダブルサイズで マットレスは適度な弾力と硬さを希望
住み込みのコック(男性)とハウスキーパー(女性)が一人づつ、
それ以外は通いで」
「おお 一気に 希望が出たな」
◇
というわけで、「渡り廊下でつながる回廊式のお館」という素案ができた。




