おうち・ゾーン
セーフティルームという名の檻にとじこめられ、フェンはギャーギャー言い・・
だって 私が 外に出ようとすると、「まず なにをするのか計画を話せ」とかって引き留めにかかるし、あれこれ うるさいんだもの。
だけど、おかげで 外に出てからの作業の効率的な順番というものができたようだ。
やっぱり 快適な暮らしと、こちらに来てから最初に出会ったお友達、つまりうさぎさんたちのとの交流の場が欲しかったので、そこを整えることから手を付けた。
◇
「まず、生活の場、そこを家と家周りに分けて考える。」
キリッと座ったフェンリルが タシッと片足を前に出して床を叩いて言った。
(・_・D フムフム
「次、家の中に セーフティルームを作る」
(・・?? なんで?
「お前さんが いろいろ考える場所じゃよ。
フリー空間のまんまでは お前さんの移ろう思い付きで 浮かんだり消えたり改変の繰り返しで破綻すると言ったろうが!」フェン
「なんで 自分の家の中に 座敷牢をつくんなきゃなんないのよ?」
「執務室・実験室と考えればいいだろう。
そうだ 寝室もセイフティーゾーンにしておこう。
お前さんの夢の影響が外に出ぬように。
セーフティールームというより、セーフティゾーンと実験ゾーンと固定ゾーンに分けると考えた方が良いかもしれん」フェン
「なるほど~
頭の中身が頭の中だけでとどまる空間と
小規模ながらも具現化する空間と
固定ゾーンというのは、完成した空間のこと?」
「そうだ。
完成した空間の中に、セーフティゾーンと実験ゾーンを組み込んで
それをお前さんの家とする。
家の外に関しても 改変自由なフリーゾーンと、実験ゾーンと、製作中ゾーンと 完成した固定ゾーンに分けようか」フェン
「それって 誰が決めるの? 誰がゾーンをつくるの?」
「決めるのはお主。
ゾーンの設定は、最初はわしがやって、
ある程度要領がつかめたら、お前さんが自分で設定できるようにコツの伝授もできるだろう、たぶん」フェン
「たぶん?」
「わしとて 初めての試みだもの、たぶんとしか言えぬよ」
「なるほど」
◇
というわけで 最初の家づくりが始まりました。
と言っても 間取りを考えたり 内装を考えたり 設備を考えたり、考えることがいろいろありました。