コカトリスパワー
コッコ王国の周辺部に住んでいるのがコカトリス。通称コカちゃん。
コカちゃん達は魔物だ。
しかも コッコ王国のコカちゃん達は肉食だ。
主食はネズミやモグラ、畑や作物倉庫の天敵を食べてくれる。
そう、本来 猫たちの餌用に居たはずのネズミたちの姿が見えないのは、
コカちゃん達が 睨みを利かしていたからでした。
◇
最初のころ、コカトリス達は にゃんこパラダイスでもコッコ王国でもないところに住んでいたらしい。
いわゆる 野良ってかんじ?
ところか オシャレさんたちやオショウ達がせっせと畑作を始めたことにより、
ネズミやモグラが増え、
それを獲物と狙うコカちゃん達も、コッコ王国やにゃんこパラダイスの方まで近づいてきたらしい。
猫たちは、地上というか建物の床を走り回るネズミは追い掛け回すけど
地中の巣穴で暮らすモグラ一族を捕まえるのは あまり得意ではなかった。
それゆえ、魔眼で、地中を移動するモグラの気配を察して 鋭いくちばしで地表から一撃、あるいは、鋭い爪のついた足で力強く一蹴りくらわしトンネルをつぶして
モグラを地中から地表へと追い立てて捕まえるコカトリスが、モグラの天敵となった。
オショウさんたちは、人属の食糧自給のための畑の守り手として、コカトリス達と協定を結ぶことにしたそうな。
・コカトリスは 無精卵をオショウ達に提供し、対価として農作物を受け取る
・コカトリスが病気やケガをしたときは、オショウ達が無償で手当をする。
・コカトリスは にゃんこパラダイス周辺では、主にモグラを食料とする
(ネズミをめぐって 猫と争いになることを避ける)
・コカトリスと猫との間で 大きな紛争が起きた時にはオショウ達が仲裁する。
(この 大きな紛争というのは 命がけの決闘や重症者が出るほどの喧嘩沙汰のこと)
上記の協定は、その後 オシャレさん達とコカトリス達との間でも結ばれた。
もっとも オシャレさん達は、病気やケガの手当よりは、
子育て希望・子育て中のコカトリス夫婦のための寝ぐら提供を引き受けることの方が多かったようだが。
◇
コカトリス曰く
「オショウ達って 気が利かないのよ。
いくら無精卵がほしいからって、『ここで産んでってぇ』なんて
平気で言うのだから」
「そりゃね 産んだ後の卵を、私たちが運んだりできないから
オショウ達の家の近くで卵を産むしかなかったのだけど
あまりにも デリカシーがないわよねぇ~」
「そうよ そうよ」
「その点 オシャレさんたちは気が利くわぁ。
私たちの気に入りそうな場所をいろいろ考えて紹介してくれるし」
「だんだん 互いの気心が知れてきたら、こちらの注文にあわせて、巣作りの場所や材料を用意してくれるようになったわね」
「おかげで 安心して卵を産んだり子育てができるようになったわ」
「だから 今では 私たちが産んだ無精卵を、
オシャレさんたちが オショウ達のところに届けに行ってくれるようになって」
と、コカトリスレディたち。
それにこたえて オシャレさん達は、
「おかげで 私たちもオショウ達と親しくなることができたわ。」
「うんうん」
「今では 無精卵を届けに行くとお駄賃がもらえるし」
「オショウさん達と 織物や染色、保存食づくりなどを一緒にするようになったわね」
「あの人たち、あまり器用じゃないけど、知識だけは豊富だから」
そこにオショウさん達が加わった。
(彼らは、コカトリスレディ達とオシャレさん達が、八時(2時~4時)になると集まっておしゃべりタイムに入るのを知っていて、
それにあわせて 時々 手作りのぼた餅(オシャレさん用)やらポップコーン(コカトリス用)と言ったおやつを土産に、遊びに来ることが増えたのだ。)
「僕たちの知識をもとに 生産活動を展開してくださる皆さんがいて
ほんと助かってます」オショウ
「僕たちも オシャレさんたちから いろいろ技術を教わって、できることが増えて
毎日が楽しくなりました」小僧たち
なんとなんと コカトリスは、オシャレさん・オショウさん・小僧と言った
人型種族の間を取り持つ 重要な役割を果たすようになっていたのでありました。
これぞ無精卵パワー!
参考
現在の時法・時刻の呼び名・辰刻
https://edo-map.com/edonochimeikensaku/edonochimeikensaku_jikoku.html




