オショウさん
仏教では、修行中の人が僧侶、一人前になったら和尚さん(またはわじょう)、お寺に住んで寺の維持・運営をする人を住職と呼び分けるそうだが、(※1)、この世界では、単純に それっぽい服装をしている人たちをオショウさんと呼ぶ、
それこそ 一つ目さんもいれば、1本角のオショウさんもいる。
さらに 小柄な小僧さんもいる。
その人たちをまとめて オショウさん一族と呼ぶ。
それこそ オショウさんは種族名なのだ。
服装は いたってシンプル(※2)
一応 着物を重ね着して、脛には脛布と呼ばれる白い布を巻き付け、草履も甲や足首部分にしっかりと縄で巻き付け、外歩きに適した装束となっているが、そこは 異世界 適当に簡略化されている。
(すみません。私のイメージ不足で)
一番外側に羽織る着物も 墨染もあれば、濃い灰色や枯草色など 人それぞれに違う。
というか 毎日 違う色の服に着替える人もいる。
ふだんは 作務衣を着ている人もいた。
なので オショウさん一族は人前で経をよんだりもしない。
それでも 教養として 各自それぞれに仏道に励んでいるようで
朝夕一人の時は それぞれに書を読み座禅に励んだり
体を鍛えながら心身統一を図っているらしい。
「らしい」というのは、そういうことは 人目に立たぬように
一人静かに集中して励んでいるから、はたからはそういう光景を見ることがないのである。
周囲も 修行の邪魔にならぬように 覗きに行ったりしないので、
それこそ 『誰も見たことのないレアな光景=修行の姿』なのだ。
この オショウさんたちが、にゃんこパラダイスの中にある建物の維持・管理を一手に引き受けてくれた。
さらに、お猫様専用のおやつを作ったり、
ドーリトル先生と一緒に、コッコ王国との戦いで怪我をした猫たちの手当をしたり、
時には 両者の仲裁もおこなっている。
小僧さんたちの主な仕事は、にゃんこパラダイスに初めて来た猫たちの案内役だ。
早い話が
ドーリトル先生が校長として猫たちに訓話をしたあと、
こまごまとした教育を実施する担任が小僧さんたち。
新米猫たちは 食べこぼしたり、粗相をしたりと、とかく あっちこっちを汚しまくる。
それを穏やかに注意しながら、作法や行儀を教え込みつつ、汚れたところの後片付けもするのが小僧さんたち。
これ ほんと 大変な仕事
たまに いうことを聞かない猫がいると、小僧さんたちは猫の首筋をつかんで運んでいき、門から外に放り出す。
猫だから ポイと門から外に投げ出されても、クルリと宙返りして安全に着地するから問題ナッシング。
そこで 足を突っ張り 背中を丸めてフーッ と小僧さんを威嚇しても何のその。
ガチャンと門を閉められ、文字通り締め出されるだけ。
にゃんこパラダイスの門は特別製なので、さすがの猫も爪がたたない、ひっかけない。
そこで あきらめて立ち去る猫もいれば
「ごめんなさ~い。もうしません、中に入れてよ~」 と甘えた声で
にゃ~ん にゃ~んと鳴く子もいる。
時には 集団で悪さをして、まとめて外にポイされて、
しかたな~く猫の大合唱で「ごめんなさーい」のコーラスをした日もあったそうな。
(参考)
(※1)https://www.famille-kazokusou.com/magazine/otsuya/313 より
(※2)https://costume.iz2.or.jp/costume/512.html