表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キャンプだホイ  作者: 木苺
最初の世界と最初の家 (11~16話)
16/24

青柳《あおやぎ》と琴音《ことね》

「雨の精 太陽の化身と続けば、次に紹介されるのは、風の精かしら?」


縁側(えんがわ)に座って フェンに問いかけるリリー。


そこに響いてきたのは、ぼぇ~ ぼよ~ん ぼわわわわ~ん

尺八の音。


ころりん ころりん しゃしゃりん ちいとん

尺八の音に重なる琴の音色。


背にしたふすまがスス~と開くと、奥座敷で琴を弾く振袖姿の女性が。


そして 縁側とひまわり畑の間にすすッと現れいでしは、尺八をあごに当てた青い水干姿の若者。


(うわ~い 前と後ろから響く立体音響だ~。)リリー


(ステレオとは 左右にスピーカーが並んでおるのではないかの?)フェン


二人がかなで終わり、静かにお辞儀をしたので、

リリーは拍手した。


コックの合図で、クルリがお膳を 座敷に用意した、


二人の奏者も、コックに招かれ、楽器を片付け 席につく。


一同がそろったところで、改めて紹介された。


琴を弾いていたのは、桜の精の琴音(ことね)さん。

尺八を吹いていたのは、風の精の青柳(あおやぎ)さん。


お二人は、普段から人型をとることが多いので

その時は、コックさんと一緒に、この草庵そうあんに住まうそうだ。


「といっても 風になって過ごすことも多いですけどね」と青柳さん。


お二人が好きな季節は春。

風の精や花の精は、ご自分が好きな季節とともに、姿を現すそうだ。


(ン? ヒマワリって夏の花じゃなかったっけ?)リリー


(深く考えるな。お主が考え込むと 話がややこしくなる)フェン


(いろいろと 注文が多いなぁ・・)リリー


「まぁまぁ 気楽にいきましょうよ」クルリがとりなすように

お茶をついでくれた。


春のイメージの 軽いお食事、おいしゅうございました。


・筍の若芽あえ

・ほんのり紅いろ 淡い香りの梅ごはん

・山菜とお豆腐のすまし汁


・デザートは 小さめの桜餅とおうす(注1)


薄茶うすちゃは好きな茶わんを使用してよいということなので、

 青柳は 若竹模様(柳じゃないところがみそ^^v)

 筝音は 桜吹雪


 リリーは ひよこ草

 コックは れんげ

 クルリは つくし

 フェンは たんぽぽ

模様の器を使いました。


この世界では、きちんと正座をしても 足がしびれないのが良いわぁ。


 これなら 私も 着物を色々 楽しめそう♬


今日のクルリは、割烹着を外して、御寮人ごりょんさんらしい、若々しくも華やぎのある落ち着いた若草色の着物姿だった。


(注1)濃茶と薄茶 

https://thankyou-cha.com/ousu-okoi/


(参考)

・尺八の吹き方

  https://wagakki-hiroba.com/how_to_blow_shakuhati/ (動画あり)


よく尺八は音が出るまでがむつかしいと言いますが、フルートと同じで、毎日フーフーやっていれば、三日~2週間で ちゃんと音が出ます。(音楽クラブでの実体験より)


ピアノやギター同様に、「音が出る」と「弾ける・吹ける」と「演奏する」のとで、違いがあるのは尺八も同様ですが。


今は 尺八も リコーダー同様に プラスチック製のものが手軽に入手できるので、

そんな御大層なものではないと思うのです。


吹き方のコツは、イネ科の雑草の、芯を抜いて、葉が付いた茎の先に息を吹き込んで鳴らす草笛と同じなので、子供の頃にそういう遊びをやっていた人なら 一発で尺八も音が出ます^^


地方により、草笛に使う植物の種類も吹き方も異なりますが、上記の説明で「あーアレ」とわかる人なら

尺八を吹くのは そんなにむつかしくないと思います。


口譜くちふ

https://kotobank.jp/word/%E5%8F%A3%E8%AD%9C-1305026


私が(母のお供で)三味線を習ったときには、チントンシャンの口譜で教わりました。


でもお琴を習ったときは、調弦が洋楽器のドレミと同じだったので、琴柱ことじの置き方だけを教わった後は、すでに暗譜していたピアノ譜の記憶に従って、ポンポン弾いて、先生から嫌われて教室から追い出されました(-_-;) 


いやぁ 面白くてついつい弾いてしまったのよ、知っている童謡を。なにしろ小2でしたから(-_-;)、


教室で初めて見た琴が珍しくて、それに先生が説明の後「自由に弾いてごらん」と言ったのを言葉通りに受け取ったら・・「進度を乱す」と叱られてキョトン、

 (今ならわかる、お山の大将でなければ気がすまない『非常に嫉妬深く劣等感の強い教師』ゆえの仕打ちだったのだと)


なので 筝に 口譜があるのは知らなかったのですが、念のために調べたら、和楽器にはそれぞれ口譜があったのですね。


だから 昔話にも 「てんつくてんつくててれんてん」なんて書いてあったのだと妙に納得してしまいました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ