ヒマワリ
コックの家に着いた。
燦々《さんさん》と陽が降り注ぎ、庭には ミニヒマワリが咲きそろっていた。
そのヒマワリ畑を守護するように、片隅にそびえたつ大ヒマワリ。
軸は指3本くらい太く、高さは 私やコックよりも背が高い。
そして 明らかに 私の顔より大きな花の中心部分のまわりには、私の指より幅も長さもある花びらが、隙間なくびっしりと並んでいる。
私たちが コックの家の縁側に座ると、その大きなヒマワリの華の部分がくるりと 私の方を向いた。
「オス!」念話だ
「太陽の化身ヒマワリ殿、ひさしぶりじゃのう」フェンがあいさつした。
「これから また 長い付き合いになるとよいな」
ヒマワリはそう言って、再び ミニヒマワリたちの方を向いた。
「よろしくお願いします」
あわてて 挨拶するリリーだが、ヒマワリは知らん顔
「ヒマワリ殿は 長くは同じところにとどまることができぬのじゃ。
なにしろ 本体が太陽じゃから。
たま~に 依り代の一つの大ヒマワリを通してメッセージを送ってくる」フェンが 解説してくれた。
なるほど~。
「コックの庭って なんかすごくない?」リリー
「まあ 似たようなもの達が 寄り集まっておるのかもしれんのう」フェン
ヒマワリ殿は、光量と大気の熱量をつかさどっておられるそうだ。




