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キャンプだホイ  作者: 木苺
最初の家づくり (7~10話)
10/24

最初の家とお手伝いさん(図あり)

最初の家は おおざっぱに言うと、三つの建物が(わた)り廊下でつながっている。


プライベート用建物を頂点とする二等辺三角形状に 建物がつながっているのだ。


底辺の両端が、温泉場と食の間。



温泉場は、私専用の露天風呂&wcつき脱衣・洗面所と、

従業員男女別の浴室&wcつき脱衣・洗面所とに分ける。


 浴室には、浴槽&シャワー、脱衣所には ちゃんと洗面台が付いていてヘアケアも顔そりもできるようにする。


私専用の露天風呂コーナーは、シャワー代わりの打たせ湯がある。


温泉場の裏側には 洗濯室と物干し場もちゃんとある。



一方、食の間は、1階が食堂&キッチン、2階が従業員用の部屋とする。


食事は、従業員と一緒に取る予定。



ここまで 決めた時、来客があった。



コンコン、玄関ドアに取り付けられたノッカーの音がする。


ドアを開けると、キツネのお姉さんとエルフのお兄さんが立っていた。


「ハウスキーパーのクルリです。

  特技は 変身です」


 キツネが くるりと宙返りをすると、人間の女の人の形になった。

  「老若男女いかようにも化けますよ」


  なので、30代くらいの着物に割烹着をつけた若奥さん風の姿になってもらった。



「コックです」とエルフのお兄さん。

「外見は 私が決めます」とお兄さん。

  今は、ジーンズにシャツ・スニーカーという町の若者風コーデだった。


「お名前は?」と私。


「名前も職業もコックです」コックさん


この二人を食の間の2階に案内しよう。

そうだ!忘れてた。


「フェン あなたの部屋はどうする?」


「わしは お前さんの建物の一角に住みたいな。

 犬小屋よりも もっと居心地よくしてほしい」

フェンから 居室イメージが送られてきた。


 床には毛足の長いフワフワ絨毯がしきつめられた部屋の中に、

 ふっくらとした敷布団の入った枠付き寝台の上に(おお)いがついた

 洞窟スタイルの寝所が設けられていた。


  見た目 犬小屋みたいな寝所だと思ったけど、

  フェンによれば これは 彼専用の天蓋付き寝台なんだそうだ。  


 フェンの寝室の奥には、フェン専用の露天風呂とおトイレ。


「食事はどうするの?」


「わし専用の食堂と、皆と一緒の食堂にわし専用の食台を用意して欲しい。」



 私も使う食の間には、私たちが使うテーブル面と高さが一緒のフェン用のテーブルに、

そのテーブルにのせた飲食物を、フェンが食べやすい高さに調節した台状の長椅子を組み合わせた

『フェン専用食台』を、私たちのテーブルと並べて置いた。


さらに、食べ終わったフェンが座ったときに 顔の高さが、皆が椅子に座ったときの顔の位置とほぼ同じくらいになるようなフェン専用椅子(座面はふかふか)を、私たちの食卓を囲むように置くことにした。


 これなら、フェンも 私たちと同じ高さで気兼ねなく料理を食べることもできるし

 食後は 私たちと同じ目線で くつろいで座り、同じテーブルを囲むこともできる。



一方、フェンの居室に付属したフェン専用の食事部屋は、掃除のしやすい材質の床と壁のある空間だ。

 ここに 狩の獲物を持ち込んで 食べるのだそうだ。

 なので、獲物を熟成させるために埋める場所を併設する。

 そこには 専用の土が敷き詰め、盛り上げる。



「おトイレは?」


「わし専用の砂場を頼む。

 やぶで囲い、目立たぬ仕様でな」フェン



「私専用のおトイレも そんな感じでお願いします」クルリも話に加わって来た。


クルリは 入浴するときは人の姿で人用を、おトイレはキツネスタイルで行うそうです。


寝床もキツネスタイルを希望だけど、起きたらすぐに人型の変身するので

人型従業員室の一角に キツネ用ベット(フェンのとほぼ一緒)を置きたいそうだ。


「それに 着物スタイルなら、階段の上り下りが大変なので、プライベートゾーンはできれば地上にお願いします。」クルリ


「あっ プライベートゾーンも仕事場も キツネ魔法を使える空間がいいなぁ」と 付け加えるクルリ。


思わずフェンを見てお伺いを立てる私。


「設定は可能だ」フェン


「それなら私も 生育魔法の使える庭が欲しい」コック


「森ではなくて?」


「ハーブや野菜を育てる畑用の庭を食の間に近くに」コック


「木を育てても良いのなら、それは館より離れた場所が良いかもしれません。

 できるだけ広い場所がいい」コック


コックから送られてきたビジョンに くら~とめまいがした。


「まてまて あわてるな」フェンが 前足を振って私に正気を取り戻させた。


「すみません。急ぎすぎましたか」コック



というわけで、食の間は とりあえず2階建てだけど、2階は 外壁だけ作って中はがらんどうのまま。


食の間の近くに、クルリの居住区画を作り、

 底辺部分からちょっと離れたところに、コックの区画を作った。


イメージ的にはこんな感じ。

挿絵(By みてみん)


 結果的に二等辺三角形の配置は崩れた(笑)



 畑と果樹園は コックの管轄だ。


 コック・クルリ・フェンが受け持つ色付き部分では、めいめい自分の魔法が使える。


 クルリは、ハウスキーパーなので、私のプライベート空間以外の家屋内と、

 洗濯ものを干すなど屋外作業場(ベージュの線で囲った部分)で、

 彼女の生活魔法を使えるようにした。



ここまでの思考は、設計室の一部に出現した作業場で、実物そっくり模型を作りながら考えた。


 最初は 空中に透明版に描かれた図のようなものががいろいろ出てきたのだけど、

それだと 考えがうまくまとまらないので、

結局 いろいろなサイズの立体模型を出して、考えていくことにした。



考える私も大変だったけど、私の思考を形にして さらに思索が発展するように補助してくれた白狼(フェンリル)も さすがに疲れたのか ぐったりとした様子で座り込み、投げ出した前足に顎をのせて ハーハーと舌を出していた。



空腹を感じた。



フェンが ふッと息をつくと クルリとコックがパタンと倒れるように眠り込んだ。

 もちろん 体が床にぶつかる前に ふかふかベッドを出して受け止めたけど。


フェンが 前足を振ると、ベットはスッと 隣の部屋に滑り出た。


私とフェンは フリーゾーンに移動した。



「仕上げにかかる前に 確認しておきたいことがある」フェン


私は アフタヌーンティーセットを前にして 食べ始めた。


便利空間だなぁ。


食べたいものが 瞬時に現れる。ありがたや。


「どうぞ 話を続けて。

 食べながらだけど ちゃんと聞くから」


溜息をついて フェンが話しを続けた。


「今 こうして この世界の核となる部分の様式を決めたわけだが」


「最初の家の事だよね?」


「そうだ (やかた)と呼ぼうと、最初の家と呼ぼうと わしはどっちでもかまわんが

 要は ここが この世界の核となる部分じゃ」フェン


「わかった」


「ここは、そなたと、そなたの従者であるあの二人と、そなたを支えるわしの4人だけの世界だ」


「そうなの?」


「ああ」


「キイマと コロボックルは?」


「あの二人は、創造主であるお主と この世界の眠れる者たちとの間に立つ者たちだ。


 だから、核となる館と外の世界との間に、表御殿、政庁、などをつくっていかねばならん。


 そして あの二人がどこまで入って良いのかも あらかじめ決めておかねばならん」


「うっ 食べてるときに 圧縮概念を送り込んでこられるとキツイ」


「そうか」


「とりあえず、お館付属の門長屋や畑・果樹園などが、私たち4人の空間ね、


 その外側に 表御殿空間を作って、そこで キイマとコロンは待機。


 この二人が お館の庭や菜園まで来たいかどうかは 後日 話し合って決めるでどうかしら?」


「話し合うというのは この世界では 決定権を委譲する、分け合うということを意味するのじゃぞ。


 決定権の序列を決めて、上位の者が下位の者に諮問するという形にしないと混乱するぞ」フェン


「げ~」


「しょーがないなぁ

 そこらへんのことも 明日考える。

 今日は もう無理」


「そうか ならば 食べ終わったら 眠れ」


というわけで 強制的に眠らされてしまいました。


 うっ せっかく露天風呂とか考えたのに お風呂入りたかったなぁ・・

と思う間もなく 眠らされたのです><


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