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帰り道の異形  作者: 馬之群
10/12

真の依頼内容

ここからは、本編の解説編です。興味のある方のみご覧下さい。

あまりに分かりにくいので、オレが解説してやる。(れい)だ。『うらら』と呼んだ奴はぶっ飛ばす。


時系列に従って説明すると、最初のきっかけはスグルとヒデの母親が榊に対して、呪いでヒデを事故に遭わせるように依頼したことだ。これは6月の末に起きた。


その理由はオレの推測になってしまうが、スグルが偏差値の高い進学校を受験するようにするためだろう。スグルはヒデの志望先に合わせてしまうから、受験シーズンの今、ヒデを事故に遭わせることで、どうしても同じ学校、同じ学年にはならない状況に追いやって説得しようとしたのではないかと思っている。狂っているだろう?ヒデの母親は昔からそうだ。


ヒデの身体にあんな痣があることは知らなかったが、昔から彼女がヒデのことを異様に嫌っていることは知っていた。きっと母親がヒデを虐待するから、スグルが心配してさらにヒデにべったりになったんだろうに。馬鹿なやつだ。


虐待に関しては、原因もはっきりと分かる。ヒデが霊の視える体質であるため、気味が悪いと思っているのだ。ヒデは最近、霊の話をしないが、幼馴染のオレはあいつに霊感があることを知っている。因みに、オレの知っている限り、ヒデ以外に霊感がある人はいない。オレも含めて。


話しが脱線しすぎたな。榊は『交通事故で死んだ霊』、長いからこれからは『悪霊』と呼ぶな。悪霊をヒデにけしかけて事故に遭わせようとしたわけだが、上手くいかなかった。おっと、言っておくが、この霊はスグルでも何でもない、赤の他人で、榊の操る霊だ。


7月の頭、放課後にスグルと歩いていたヒデに悪霊が迫っていた。しかし、霊感のあるヒデは悪霊が迫ってくる前に危険を察知して逃げてしまった。ただ、逃げた先が車道だったため、車に轢かれかけて、それを庇ったスグルが死んでしまった。


母親のパソコンを見ると、榊を責める内容がつらつらと書いてあった。

『この詐欺師!』

『秀を事故に遭わせろと言ったのに、どうして優が事故に遭ったの?』

と、母親が送ると、

『あれは私と関係のない事故です。』

『ご不満なら依頼を取り下げて下さい。』

と、榊が返す。どちらも酷い言い分だ。


『いいえ、依頼は取り消さないわ。』

『秀を殺して頂戴。いくらかかっても構わないわ。』

オレは完全に殺意が湧いたね。

『承知しました。今月中には。』


つまり、榊は最初からオレ達の依頼なんて受けていなかったということだ。中学生相手に、お代は後払いなんて、ちょっと気前が良すぎるよな。榊が受けていたのは、ヒデの母親からの『秀を殺して』という依頼だけだったというわけだ。


こういったやり取りがなされている間、ヒデは心を病んで学校を休んでいた。兄を目の前で亡くしたのだから無理もない。

麗の過去についてこの場をお借りして説明します。

麗は幼い頃から悪霊に取り憑かれており、盗撮、ストーカー、誘拐未遂などの被害に悩まされていました。両親は麗を男装させて被害を防ごうとしましたが、効果はありませんでした。小学生の時、秀が麗に憑いている霊を除霊したことで、麗はぱったりと犯罪に遭わなくなります。(両親は心配で男装を続けさせていますが。)麗は秀に借りを返したいとずっと思っていたため、今回の件の解決のために全面的に協力していました。

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