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北の町ーウォレンスー魚を釣り上げ焼いて食う


『♫ーーー♪ー--♫ー-♪ー-♫ー♪ー----』


「歌?きれいな歌声・・・だれ?」


『エナ?あなたは死にました。』


「そういえば・・・ウサギに食べられて・・・」


『ですが、一方で死んでないエナポテ=サウリーナ=ジョパも存在します。』


「その名前恥ずかしいからフルネームはやめて・・・。」


『エナの死ななかった世界。それは確かに存在します。それはエナだけの能力。龍に見初められし龍皇女の血。』


「龍に・・・?」


『龍の卵は選ばれたものにのみ与えられ107の死の試練を与え龍として産まれ落ちる。』


「ちょ、ちょっとまって・・・。この腕輪の龍の卵って・・・。」


『さあ生きなさい。運命は廻る者。確かにあった世界とひとつに。勇者か魔王か聖女の成れか。福音あれ。』


・・・・・・・・・・・・。


「次は~ウォレンス~ウォレンス~急ブレーキにご注意ください」


「どしん!」


「あいたたた......。えっ?えっえっえっ??」


「だいじょうぶですか?急ブレーキでしたがご注意くださいって言いましたよね?」


「はあ・・・勇・・・ん?魔王・・・聖・・・?何だったか忘れちゃったじゃん!!」


「馬車の代金は覚えてますか?3000スレーチスですがね。」


「3000スレーチスか・・・って乗る前に払いましたじゃん!」


「ははっ、元気があってよろしい。ウォレンスの町に来た目的はウォレンスの森ですか?」


「えぇー--っと、森ってのは?」


「ウォレンスといえば奥に行くほど危険度が増す魔の森”ウォレンスの森”ですよ。昼間なら魔物は木の上から降りてきません。ですが一度日が暮れてしまったなら死。通称ウォレンスの帰らずの樹海。情報料として1000スレーチスか小銅金貨1枚で。」


「ちゃっかりしてるなーはい小銅金貨。」


「まいど。」


「ちなみにその危険な森に入る意味ってあるの?」


「情報料・・・」


「いまあげたじゃん。」


「そうですね・・・未開の地にはレアな魔道具・美味な食材・珍しい動物なんかがあるらしいのですがウォレンスの森の場合は珍味らしいですよ。」


「珍味?」


「YES! あの森の魚はものすっっっっっっっっっごく旨いと聞きます。川魚特有の旨みがあり、焼いて食べると涙が出るほどとか・・・」じゅるっ・・・


「ん?でも魚ってことは素手では・・・無理だよね?」


「そう!そこでこの万能釣竿を25000スレーチスか中銅金貨2枚でお譲りいたします。」


「はいはい......中銅金貨2枚ね。あとさ・・・私エナポテなんちゃらっていうんだけど姉のナポっていう人探してるんだけど知ってる?」


運転手の身体が一瞬こわばった。


「えっと・・・それはペットの名前とかではなくそれは・・・」


「知らないんだったらいいんだけどね。」


「それはもしかして『歩く鮮血神殿エナポテ=ハサッサ=エザポール』のことですか・・・??」


「ぷふっっ歩く??なんて?もっぺん言ってみてくれる?」


「ひー----!!!命だけはー!!」


「ひひーん」ぱからぱからぱからっ!


「なんじゃそら。」


――――15年13ノ月17日ウォレンスの森南西部川の流れる場所


「はあ・・・釣り竿にご親切に釣りポイントここ!って書いてあったのはいいんだけど・・・魚の影も形もないんだけど?」


地図にここが釣りポイントと印が・・・その下に裏を見てねと書いてあるのを偶然見つけた。


裏『川についた後魚いなくね??ってなった方へのご案内。川魚は岩や石などの隙間を移動するので目視で捉えるのはかなり困難と言えます。では釣り方の説明を・・・1.ルアー又は生餌を糸の先の針につけます。※初心者はルアーを勧めます。2.竿を上に持ち上げ糸を地面に置きます。※レールである程度の長さにしましょう。3.周りの制止を気にせず岩の影に狙いをつけて竿を振ります。※魚は一度音を立てると近寄らなくなります。水面に音を立てず狙いましょう。ぼちゃん!となってしまったらあきらめてもう一度最初からコンティニュー。4.食いつくのを待ちます。※これは川釣りの場合。海釣りはルアーを動かしたりするらしいですがそれは知らん!5.食いついたらレールを丁寧に素早く巻きましょう。※竿を引っ張って魚を釣り上げます。焼いて食う。ウマー』


「ながい・・・要約すると?竿を振って岩陰に落として食いついたら引っ張り上げる・・・ってコト?」


―――1時間後


「釣れん!えっと竿を振って・・・?んーむずかしい......。」


『セーブしますか?』


「いいえ!」


『女神パワーを使いますか?』


「めが、みパワー!!!」


『要請を受諾しました。』


竿「グイ―――......。」


竿「ジー----......。」


竿「ばちゃばちゃ!」


「・・・」


竿「・・・」


「へあっ!寝てた・・・。」


竿「・・・」


「・・・魚が一匹。」


竿「・・・」


「魚って自分から釣られてくるもの・・・?なの・・・?」


竿「・・・」


「焼いて食うかーー-。(中略)弓を構えろ!ギド!」


ドン!


「なんて便利な炎魔法・・・たしか魚の焼き方は、はらわたをとって棒かなにかに刺して火の近くにおいて火を絶やさずに焼くだけってね。」


ぱちぱち・・・魚の焼ける音がする。


「そろそろ焼けたかな」


魚の串をとる。串を横に傾けて横から


「はむり......。うっ・・・にがい・・・」


そういえば味付けをしていなかった。


塩を振り振り。もう一度焼きます。


ぱちぱち・・・魚が焼ける。


「はむり......もぐもぐ......。」


私としてはもうちょっと味の濃ゆい方が・・・


「そういうときのコレ!しょーゆ!」


醤油を垂らす。


「はむっもぐもぐ......。」


骨を避けて周りをぐるりと食べていく。


醤油をたらす。食べる。垂らす。食べる。


「ぐつぐつ......。」


米が炊き上がる。と、二本目の魚とともにいただく。


「はむっ!ふー--ふー--......もぐり・・・はふはふ・・・」ごくん


口の中で魚と醤油それに米が混ざり合う。


「うん。普通にうまい。もう2、3匹ほしいところ。」


竿「じー--。ばちゃばちゃ。」


いつの間にやら釣り竿の周りに魚の大群が釣れていた。


そのうちの一匹を鷲掴みにし、


「いや!多いわ!!キャッチアンドリリース!!!」


川へと投げ入れた。※あくまでCatch and Releaseをしているだけです!魚を傷めつける表現ではないことをご了承ください。


「ちー--ん。」茶碗を魚の刺さっていた棒で叩く。


「ごちそうさまでした。って誰も聞いてないか。」


竿(またのご利用をお待ちしております「女神」)


――――15年13ノ月17日ウォレンスの森の珍味魔魚の串焼き(米付き)をたいらげた。


「ふー--眠たくなってきちゃった。というか食べ過ぎて動けない・・・。寝る!」


―――真夜中の日付が変わるころ。


「zzz......ぐー--・・・すぴー・・・きゅー--・・・うーん。」


がばっ!


「寝ちゃってたか......。地図地図・・・」


「がさがさ・・・。」


「んー--?クマ?」


クマの魔物「人間だクマー--!」


「はいはい。クマね。」


クマの魔物「おいしそうだクマ―!いただきますクマ―!」


「天空からギドをおろせ。」


クマの魔物「クマ―!逃げても無駄だクマ―!大人しくするクマ―!」


「ミソラシのギドから矢を射たまえ。」


クマの魔物「こっちを指さすなクm」


「弓を構えろ!ギド!」


ド―――ン!!!!!


クマの魔物だった物「ぱちぱちめらめら......」


ナポ「ふーー-何と勘違いしたんだろ?魔物の肉って焼くと臭いからきらい。しかも血抜きとか革剥いだりとかめんどくさい。」


ナポ「うん。まあこれも仕事だしね?がりっ!」


クマが最後に見たものは月でもなく雲でもなく、悪魔のような、ナポと呼ばれる昏くて不快深い胃袋だった......。


―――15年13ノ月18日朝10時ウォレンスの森南西部川付近


「ふぁ~~~・・・よく寝た。顔洗ってと......。」ばしゃばしゃ。


「この地図中途半端に書いてあるからあてにならないんだよね。まあこのまま川の反対側に行って高いところから見下ろすのが早いよね。」


川を渡ったところについた。


「森ときてそして川なわけだから」


エナは鼻を鳴らした。


「博識な私は知っているのです!川は上流に行くほど高い位置にあるってね。源流の地点だとそこらで一番高いところだとかね!」


「というわけで上流にむかいまーす!」


―――15年13ノ月18日ウォレンスの森を上流に向かい進む(上流はウォレンスの森ではなくなりますエナはそれを知りません)

お金の単位


1000スレーチスで小銅金貨1枚と同価値。なお、スレーチスは500刻みなため1500スレーチスの場合は小銅金貨1枚と同じ価値であるとされる。(500切り捨て)


小銅金貨

中銅金貨

銅金貨

銀貨

中銀貨

金貨


という順に高くなる。日本円で換算すると小銅金貨1枚で100円といったところで中銅金貨で1000円銅金貨で10000円となる。ちなみに銀貨からは額が跳ね上がり銀貨1枚で馬が一頭買える金額。金貨の価値はよく分からない。

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