死んでから旅立つまでの話 (3)
意識が・・・浮かんでいく。
「はっ!!あぶないあぶない。また吐くところだった。」
ここが上の世界か下の世界かわからなくなった。
気持ちが悪い。グルグルバットをした後のようだ。
「エナ?どうした?おしっこか?」
カエサルが心配して見に来た。
「ううん。ちょっと吐きそうになっただけ。」
「風邪か!?ちょっとおでこ貸してみろ。・・・熱はないようだな。早く寝なさい。」
カエサルがお小言を言いながら部屋を出ていった。
「寝よ。zzz...zzz...」
次の日の朝。
ラニがお見舞いにやってきた。
「エナ。大丈夫か?そういえば今日は誕生日だったか。ほれ龍の卵。」
小綺麗な小箱に入ったグーパンサイズの卵の置物。
説明書には『願いが叶うせえぶぽいんと。ぎゅっと握って枕元に置くと願いが叶う。』
と書かれていた。
ん?見覚えがあるな・・・?まっいっか。
ことん。ベッドの上に置き眠りについた。
「エナ。まだ昼間だぞ?」
「いいの!ラニに女の子の気持ちは分からないでしょ?」
「やれやれ。」
ラニは部屋を後にした。
『剣or魔法?』
「剣!!」
『剣or魔法?』
「剣!!」
『セーブしますか?』
「いえす!!」
『セーブポイントを更新しました。』
夢か。悪夢ではないけど訳は分からない夢だったな。
さて、三度目の正直か。
私は剣にひたすら打ち込み続けた。
ラニに「お前人が変わったようだ!?」とか言われるくらいに。
ラニに石を投げてもらう(全力で)それを避ける。避けてからラニに向かって一撃。
次にラニが投げた石を木剣で撃ち落とす。そしてラニに一撃。
ラニには何の恨みもないんだが、仕方ない。だってこっちは命かかってんだもん。
これ以上私が死ぬのを見たくない。ただそれだけ。
「エナ。」
「カエサル・・・。」
「エナがナポのことをそこまで本気だとは知らなかった。お父さんも協力してやる。」
なんて偉そうなんだ。でも、敵の数は分からない。対敵するシュミュレーションは多い方がいい。
「じゃ、そういうことで!」
ボカっ!
頭をいきなり殴られた。カエサル曰く。
「練習と本番は同じだ。いつかかかってきても対処できなければならない。」だそうだ。
「うぅ・・・トイレ・・・。」
ぼかっ!
「お風呂・・・。」
ぼかぼかっ!
「寝よう・・・。電気・・・。」
ぼかっぼかぼかっ!
いい加減キレた・・・!!
「カエサルぅー------!!!!」
その日木剣がぶつかる音はやまなかったという。
――――――――14年月
「いやー。エナは俺を越えたな。うん。」
カエサルは上機嫌で言った。
カエサルを越えても嬉しくなんてない。実際ね。
「ちょっと、トイレ・・・。」
ラニが話しかけてきた。
「エナ。エナなら大丈夫だとは思うが、気を付けた方がいいぞ。カエサルは女癖が悪い。相当恨まれてるから闇討ちには気を付けろ。」
はぁ!?女癖が悪い!?もしかして今まで殺されてきたのって逆恨み!?
「ふざけるな・・・!」
エナは無意識に腕輪を握りしめていた。
そういえば、ラニが買ってきた竜の卵に似た宝石が埋め込まれてる。
龍の卵・・・。せえぶぽいんと・・・。もしかしてせえぶぽいんとってセーブポイント!?
ゲームとかであるあの??
だとしたらこの腕輪一級品の魔道具じゃん!?
「う~。さみぃ・・・ん?龍の卵?そんなもんあるわきゃねーだろ。ラニに悪い影響でも受けたか・・・?」
カエサルも知らない魔道具・・・。
「ふふふ・・・。」
これ売ったらすごいんじゃ・・・。
そんなことを考えていたら夜が明けた。
「行ってきます。」
「エナ。今日は機嫌がいいのね?いってらっしゃい。」
エイラには筒抜けらしい。
『校舎裏の木の下で~~~』と書かれた手紙をゴミ箱にぽーいした。
「えっと、龍の卵・・・龍の卵・・・。あった!」
図書室にはいろんな本がある。
『龍の卵。』
龍の卵と呼ばれる魔道具には死者の怨念が宿っていると言われる。
その死者の怨念は使用者に不幸と絶望の代わりに努力と成功を授けると言われている。
ユーサリウス=カエサルもその魔道具を使用したことがあると言われ、伝説の魔具ともいわれている。
その発祥は血の皇女と言われるアナスタシア=ニコラテスラのもっていた宝石を加工したものだと言われている。
著:カーミラ=ニコラウヴァ
「つまり呪いのアイテム的な!?なんてものを子供に持たせるんだカエサルめ・・・」
―――――――15の誕生日
いつもだったけど、この日は両親が留守にしている。
ま、いっか。いこういこう。
トランクを背負って家を出た。
てくてく。
後ろには見知らぬ男。
背後から忍び寄りずぶりと・・・。
キンっ!
弾いた。エナの手には手鏡があった。
「そんなに毎回ひっかかりませんよ~だ!」
ほっぺたを横にイーっとして牽制して見せた。
カランカラン!
「はい!そこ!」
ガキン!
「昨日のうちに仕掛けときました!そして二度目の死因は・・・ラナの魔法!!」
ラナの特性は空間を削り取ること。
つまり一直線上にしか進めないということになる。
「そこですね!!」
ガキンっ!
三人の男を張ったおした。
(もういなさそうだな)
「そこ!座りなさい。」
「へ・・・?」
男たちを座らせると説教を始めた。
「いいですか!?男が女を取られたからってわめくな!!」
「・・・えっえっ??」
「いいですか!?男のそういうところを女々しいっていうんですよ!?知ってますか?」
「女をとられた・・・?ナポに・・・?」
「ナポは関係ない!!」
「えっでも俺たち依頼されてナポに復讐してくれって言われてて・・・。」
「はい?ナポに復讐?なんで?」
「なんでも騎士団の入団試験で遠方のお偉い貴族様に恥をかかせたっていう・・・。」
はあ!?ますますわけが分からん・・・。
「ナポって騎士団の入団試験に落ちたんですよ?そんな奴が恥かかせるわけ・・・あっ。」
入団試験に落ちた夜、ナポに喧嘩売られたっけ。あれってやつ当たりっていう?
「はあ・・・わかりました。でも!私は関係ないですし、今からナポを探す旅に出るところですので、お帰りいただいても?」
「い、いや・・・それはちょっと。」
「お・か・え・り・い・た・だ・い・て・も?」
「は、はい!!帰らさせてもらいます!では!」
その日の夜隣町の宿屋までたどり着いた。
「騎士見習いのエナポテ=サウリーナ=ジョパです。宿は空いてますでしょうか?」
「はい。お一人様でしょうか?ちょうど一人部屋なら空いております。」
ばたん!
ふー。大変な一日だったな。
腕輪を外して、お風呂入って寝よう。
『セーブしますか?』
「はいはい。」
『セーブポイントが最新のものに更新されました。』
「はいはい。」
――――15年13ノ月13日始まりの日
サブタイトルで親類に終活?してるの?その歳で?と勘違いされました・・・(泣)ちゃんと内容読んでくださいよ・・・。