大陸の大きな町ーウィルナスの町ー魔導具と宝石とあとみかん
『セーブデータを読み込みました』
がたんごとん!
列車の中から目が覚めた
がたんっ。ごとっごとっ!
「そうか。そういえばそうだった。ウィルナスの地点では文明はこのくらいだったな・・・。」
エナが伸びをすると上の方から声が聞こえた。
「せんせい!ウィルナスの名物はみかん!みかんだって!」
劈く声の主は・・・。
ひょこっ!
「せんせい?」
二段ベッドの上から覗いてきたのは弟の”なぽ”だ。
「せんせいじゃないです。おやすみなさい。zzz...」
「あっ!わかった。”ふてくされて”るんだぁ?」
なぽがおちょくるように言い放った。
「なぽ。敢えて言わせてもらう。私たちはそんな仲ではありません。OK?」
「ん~わたしなぽじゃないんだけどなぁ?」
なぽがいたずらっぽく言って見せる
「あっそ」
なぽの冗談は訳がわからない。きっと本人すらわかってない。だからてきとーに返しておく
キー―――――‼‼‼
「せんせい!ほら!着きましたよ。おきたおきた!」
列車の止まってる時間は長くない
そろそろ起きるか
なぽの後を追って駅員に切符を見せて降りる
『ぱちんっ』
景気よく切符を使えなくする
「ほら、なぽも。」
『ぱちんっぱちんっ』
これで行きの列車は乗れなくなったわけだ。
「せんせい。この町の名物・・・覚えてますよね?」
「確かみかんでしょ?」
勢いよく バッテンをつくり
「ぶぶーーー!不正解でーす!正解はこれ。」
週刊『魔導具のふるさと』
「つまり?」
「にぶちん!魔導具が名物なわけですよ!ま・ど・う・ぐ!」
「錬金術や練成術でつくられるあの?」
そうか。この地点での歴史では錬金術が盛んにおこなわれていた場所が・・・
「ここなのか・・・。」
「???。ココナノカ???寝惚けてるなら置いていくべきだったかぁ。」
なぽが意味ありげに頷いて納得した
「さて。」
エナが懐から宝石のような球を取り出すとライトで照らして見せた
「今居るのがここなわけだ。」
照らされた陰には模様が浮かび上がっていた
「せんせい。申し訳ないんですが・・・恥ずかしいのでやめていただけますか?」
たしかに周りには人だかりができていた
「それと」
なぽが指さした先には城が見えていた
「あそこが目的地です。」
思い出してきた。このあと確か
『どんっ』ってなって
「いたたっ・・・」ってなったあと
「確か、財布がなくなってるんだよね」
だからつまり、手を後ろに回して『どんっ』ぱしっ!「この人痴漢です」と手を挙げたそしてなぽが・・・
「すみません。捕まってしまいました...。」となったわけ
「んん???」で、なぽを人質に取られたから成す術もなく捕まって・・・。
「ん???んん???んんん??????」
つまり私は今・・・「牢屋にいます。ってなってる?」そう。なってる。
日記を軽く読み返してみた。
「龍の刻34年1の月12日冬の日曇りのち雪
今日は踏んだり蹴ったり。汽車から降りればスリにあい、
町を歩くと強盗の人質に捕られたなぽを見ながら
なぽに仕掛けた(鞄に放った)発信機を壊されて
結局なぽはなぽじゃなくってなぽだっただけ。かしこ。」
???。自分で書いたことを忘れることなんてよくあるがこれは・・・?
ちなみに龍の刻とはミーレス城塞都市での女王暦のこと。つまりミーレスの女王様は今年34歳ってわけ。
「ふーーー。まてまて。なぽがなぽでなくてなぽだった?なんだそれ。」
今、私にできること。それは・・・
『なぽへ。なぽがなぽでなくてなぽではなかったです。終わり。』という手紙をしたためた。
———ウィルナス城———魔導具工房
「という手紙を私が読んでどうにかなるわけないじゃないですか。」
ここは当初の目的地。魔導具はここで作られる。昔より相当に安価で手に入るようにはなったらしい。
「いち、じゅう、ひゃく、せん・・・?」
おばさんが額面に張り付いて数を数えてる
「いちまん・・・じゅうまん・・・?ひゃ、ひゃく??」
「その百倍ですね。」
「と、ということは、いちおくってこと??」
安価になったとはいえ、庶民では手が出ないだろうに。それこそ貴族でない限り買うことなんて・・・。
「いちおくか。よしっ。これくださーい!」
「おばっ・・・おねえさん!?100,000,000持ってるんですか??」
「持ってないけど・・・。」
「持ってないなら買えないでしょうが!!」
「ひぇっ・・・。でっでも小切手ならあります・・・。」
「小切手?」
おばっ・・・おねえさんが紙の束の1枚に100,000,000と書いて警備員に渡した。
「いち、じゅう、ひゃく、せん・・・?」
小切手を見て泡を吹いて倒れた
「そりゃそうなる。」
「えっと、偉い人呼んできてください。」
工房がてんやわんやしてきた
「だって100,000,000だよ100,000,000。」
おばっ・・・おねえさんは指さして欲しい魔導具を買い付けようとしたのだが・・・
「あっこれだめですね。北の方の貴族の”エナポテ=サウリーナ=ジョバ”様が訊ねてきたときに渡すように龍の刻16年に言われてたやつで売り物ではないです。」
「あーっと。聞き逃すところでした。エナポテ?」
「ミーレスのミスティ嬢って方がエナポテ様に贈る予定だった物・・・と伝えられています。ただもうミスティ嬢もエナポテ様もお亡くなりになられてるくらい昔の話で・・・。」
(生きてる生きてる!エナポテ様生きてるっての!)
(ただ、えな・・・せんせいがその人って証拠がないんだよなぁ)
「いたた・・・頭痛くなってきた・・・いったん外出るか。」
———ウィルナス城城門
「んーーー。とにもかくにも証拠がないとな。」
『強盗だーーー!』
(強盗?)
「ひゃっはー!金だ金―!」
「こんなご時世に強盗・・・はっ」
『なぽがなぽでなくてなぽだったよ』
(なぽがなぽでなくて?)
「なるほど。」
なぽが進んだ先には・・・強盗犯が。
「きゃーつかまるぅー!」
「ひゃはー!女子供は殺さねぇ!流儀に反する!」
「えっ?私子供に見られてる?えっ?」
「い、いや。りっぱな男の子だぜぇ??」
「は?子供ってこと?」
「いいか?ぼうず。男ってのは何かを成して初めて男として認められるんだぜぇ??」
「なぁ?ぽぉ??」
「はぁ?なんだいきなり?」
「なぁぁぁぁぽぉぉぉぉぉ???」
「なっなんだこいつ?」
「そう!私こそがかの有名なエナポテ=サウリーナ=ジョパ様だぁ!!!」
「・・・・・・」
「エナポテ!サウリーナ!ジョパさまだぁ!」
「・・・・・・」
ぴーぽーぴーぽーーーーー......。
「で!なんで!なぽまで捕まってるんですかねぇ!!」
「いや、酔っぱらいは禁固3日らしいです。」
「なぽは未成年!でしょうが!もういい!寝る!」
『セーブポイントの自動更新が完了しました』
『セーブデータの呼び出し中...』
『セーブデータ3 龍の刻15年を呼び出し中』
『セーブをよびだしました。』
「ミスティ様がお越しになりました。お会いになられますか?」
「ミスティが?なにかしら?」
こんこん
「どうぞ?」
「ご、ごきげんよう?」
「ごきげんようは最近は使いませんわね。どうぞお掛けになられて?」
そわそわ
「どうしたの?」
「たんじょーびおめでとー!」ぱちぱち!
「えっとね?本当は、もっとお高い奴を渡す予定だったんだけど・・・ごめんなさい!ちょっとした手違いでこっちになってしまったの!」
ミスティの差し出した箱からは青い球のような宝石が顔を出していた
「ミスティ......!!」
「わかってる!バツなら受けるから!だから・・・ね?」
「罰なんて与えるわけないじゃない・・・ありがとう。ミスティ?」
「ってならないかな??ならない?まじでか。」
ミーレスのミスティより愛をこめて=愛の告白=結婚しましょう
「で、いまの城主が産まれたってわけ」
あとがきです。見なくて大丈夫です。無問題




