グレイシア国到着2
「とりあえず、来賓としてゲストルームへ案内しましょう。そこで確認がとれるまでお待ちください」
「確認?ミレイ姫はこちらの王子であるクライス王子と婚約をすると国同士で決まり、今回グレイシア国に来たのですよ?今更確認とは、どういうことですか?」
「こちらは納得していないというだけです。国王陛下や宰相と、そちらの国とでどういう話し合いがなされて今回の婚約の話が決まったのかは知りませんが、我々はこの婚約には反対なのです。それだけは、覚えておいてください」
うわ~・・・。ルイが怒ってる、ついでにランも怒ってるな~。持ってるカバンを持ってる手にはいらないぐらい握りしめてるし、その隣にいる御者さんが震えてるし・・・。
こっちじゃ悪い噂の方が強いのかな?さっきから、睨まれてるもんな白銀の髪の人と金髪?みたいな髪の人はあからさまだな。赤髪の人は、黒髪の人を護っているのか動かないし、黒髪の人はこっちに興味ないみたいだし・・・。
ちゃんと話ができる人がいない・・・。
そう考えていると・・・。
「ミレイ姫じゃないですか!」
「クーさん!」
声をかけて来たのは金髪に金色の瞳の美男子が、こちらに走ってきている。
「お久ぶりでございます、変わりございませんか?」
「大丈夫ですよ、クーさんも相変わらず美男子ですね」
「そんなことはございませんよ、ところで・・・この状況はいったい?王子たちが迎えに行って帰ってきたところではないのですか?」
クーさんは、今のこの状況をざっと見て不審に思ったのか尋ねてきた。
それもそうだろう、ルイもランも怒ってるしグレイシア国の人達と睨みあってるし・・・御者さんは、ビクビクしてるし。
「それが、手違いがあったみたいで・・・」
「手違い?どういうことだ、マクリス」
「それは・・・」
さっきまでルイと睨みあっていた金髪?の人に尋ねていた。
おぉー、クーさんの息子さんだったんだ。どうりでイケメンだ。
「私は、きちんとミレイ姫様を迎えに行って丁重に連れてこいと命令したはずだが?」
「そちらの方々は、今回の婚約に納得していないみたいですね」
ルイがそう言うと、クーさんの雰囲気がだんだん変わっていった。