グレイシア国到着
「それじゃ、グレイシア国までの道分からないので御者さん」
「は、はい!」
「ちょっとだけ術を掛けますね」
そう言って、まだ分かっていない御者の人に術をかける。
「道を示せ」
目を閉じ、私がそういうと私の頭の中に御者の人がここまでに通って来た道が見えた。
んー・・・。
「結構時間かかりそうだな、ちょっとワープするかな」
「ワープしますか?だったら、私とランも手伝いますよ?」
「大丈夫、このぐらいだったらまだ余裕あるから。じゃ、ワープするからルイ達は御者さんよろしくね」
「はい」
「水の聖霊よ、力を貸して」
私が契約している水の聖霊の力を借りて、魔力のペンを出し空中の馬車の周りに陣を書いていく。
ペンからは、私が好きな色でもあり水の聖霊の色であるアクアブルーの文字で陣が出来ていく。
「凄い・・・」
馬車の窓のところから見ていた御者の人がボソッと呟いていた。
時間はそうかからずに陣を書き終え、術を発動させていく。
馬車が光に包まれていく。全部が光に飲み込まれた後、一瞬にして馬車は消えた。
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「馬車?」
ここがグレイシア国のお城かな?
お城っぽい建物の中の一室のバルコニーの前にワープしたみたいだ。バルコニーにいたらしい男の人が驚いたようにこちらを見ていた。
んー、とりあえず確認は必要かな?
「すみません、ここってグレイシア国のお城であってますか?」
「は?まぁ、そうだけど・・・」
白銀の髪か、きれいだなー。とりあえず、グレイシア国であってるみたいだし成功かな?
私は、お城の庭に馬車を降ろした。
「ここがグレイシアのお城、バーミリアより地味?」
「ラン、グレイシアはまだ歴史が浅いことと武に優れた者が多いため、王族も自ら剣をとり前線に赴いていたと聞きましたよ」
「へー、お姉ちゃんよく知ってるね」
「一応調べたから、ミレイ様が婚約するお相手の国だもの」
さすが、ルイだな。さて、来たのはいいけどここからどうするか・・・。
「おい!お前らいったい誰だ!」
「場合によっては、処罰対象ですよ」
さっきのバルコニーにいた白銀の髪の人と、金?黄色?みたいな色の髪を綺麗に整えている人が来た。
その後ろに、黒髪の人と赤髪の人が続いて出て来た。
「一応、先触れは出していたと思うのですが・・・」
「先触れ・・・」
そういって、あちらの人達はルイが出しておいた先触れをみんなで囲って見始めた。
「えっと・・・バーミリア国のミレイ姫?」
「はい、グレイシア国の使者の方が来たのですが時間がかかりそうでしたし、魔獣やらがいてそれを倒しながら進むのも面倒だったので、ワープで来ました。ちょっと荒い訪問になってしまってすみません」
私の説明に凄くびっくりしていたみたいで、少しの間沈黙が続いた。