表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
規格外のお姫様  作者: セラ
32/56

動き

あの出会いから数日、思っていたことは起こっておらずミーヤ辺境伯令嬢からの接触はない。

 あの令嬢の様子から、絶対に何かしてくると思ってたんだけどなぁ...。それか、私が思っていたよりもおとなしい人だったのかな?なんて、そんなことをクライス王子達の前で言うと、何言ってんだお前は、みたいな感じで見られたし、実際にクライス王子には...。


”あまく見ない方がいい”


 なんて言われたし、たぶん何かあったんだろうな...。


「ミレイ様、静かですね」


 ランがお茶を飲みながら和やかな雰囲気で言う。


「本当に静かだね、最近は副業の方も落ち着いているしこっちの暮らしも落ち着いてる。暗殺も止まってるみたいだし...」


 そうクリスティーン王妃の動きも、全くないのだ。お父さんも驚いているみたいだけど、何かおかしいとも言っていたから、裏で何か起こってそうだけどね。

 とりあえず、今はこの落ち着いている生活を楽しんでおこう。


「ミレイ様、お手紙が来ております」


 ルイから渡された手紙の差出人の名前は無く、ほのかに上品な香りがするから差出人が女性であることは分かる。


「お茶会への招待状...」


 手紙には、お茶会へ招待したいという旨が書かれており最後には、ミーヤ辺境伯令嬢の名が書かれていた。


「これは、何かあるよね絶対に...」


「クライス王子達にも知らせておきましょうか?」


「そうだね、話をしていた方がいいかもね。今日かもしくは近い日取りで、会って話がしたいと伝えてくれる?お茶会の前に話をしたいから」


「かしこまりました」


 ルイはすぐに部屋から出て、クライス王子の元へ向かった。


「ラン、身支度を手伝って」


「はい、ミレイ様」


 そして、私達が身支度をしていた時クライス王子からの返事を持ってルイが帰って来た。

 明日なら時間があいているということで、明日の昼過ぎにとの返答が来た。




____________________________________




「クライス王子、時間を取っていただいてありがとうございます」


「いや、それよりミーヤ辺境伯令嬢からお茶会の招待状が届いたとか...」


 クライス王子達はいつも通りで、クライス王子が座ってそのななめ後ろにヴァイス様が立ち、ウィン様とマクリス様がクライス王子の左右に座った。


「静かにしてたから、少しはおとなしくなったのかと思ったんだけどなぁ~」


「そうなっていれば、あんな突撃訪問はないですよ」


 ウィン様とマクリス様が話す。


「しかし、お茶会とは...。俺たちの介入を見越してだろうな、個人的なお茶会には基本招待された者しか出席できないからな、例外で招待客の紹介があるが...あれは主催者と招待客の信頼あってのものだしな」


 きっと、私と接触するなら間にクライス王子が入る。私が仮とはいえ、婚約者になってるし...それにもっと大きいのは、国賓という扱いだからだろう。もし私になにかあれば、最悪、国同士の問題になるからだ。

 しかし、今回のお茶会は...。


「まさか、クライス王子の婚約者の立場を利用されるとは...」


 ミーヤ辺境伯令嬢を含む、グレイシア国の上位貴族の令嬢ばかりが招待されており、ミーヤ辺境伯令嬢の手紙には...。


”クライス王子の婚約者となられたミレイ姫と、グレイシア国の将来を見据え親交を深めるためお茶会を開きます。上位の令嬢の方たちも多く参加します。ぜひ、ミレイ姫にも参加していただき親交を深めたいと思います”


 こんなことを書かれてしまえば、余程の理由がない限りは断れない。断れば、私がグレイシア国の貴族と付き合いたくないと言っているようなものなので、私の立場が悪くなる。


「ですが...」


 マクリス様や、クライス王子達の顔は暗いままだ。

 マクリス様が何か言いかけてやめた後、それをつなぐようにウィン様が言った。


「その令嬢たちって、ミーヤ辺境伯令嬢の取り巻きってことだよなぁ...。絶対に、ミレイ姫そっちのけの悪口大会になるな」


「でしょうね...」


 ウィン様の言葉に、ため息を吐きながらマクリス様が同意した。


「なるほど、自分のホームで戦おうってことか...。仲間を集めてみんなでねぇ」


 あんな突撃してくるぐらいだし、そんな卑怯っていうかそんな感じのことするとは思わなかった。

 ま、じゃなきゃクライス王子達があんなに嫌わないか...。


「ミレイ姫?」


「ミレイ様!」


「あ!はい!」


「ミレイ様、考えこむのはやめてください。一度、考え込むと周りの声が聞こえなくなるくせは直してください、といつも言ってるつもりなんですけど?」


「ミレイ様...」


 ルイとランが、もはやあきらめの表情で見ている。


「あはは...すみません。えっと、とりあえずなんとかなりますよ悪口大会は聞き流してますんで」


「ミレイ姫、お茶会は必要な挨拶が終わればすぐに帰って来てもかまわない。もし何か言われたならば、こちらで対応する。父上にも今回のお茶会のことは伝えておく、きっとフレイ辺境伯にも話がいくだろう」


「分かりました、もし対処できなくなった時は使わせてもらいますね」



 そんな感じで話し合いは終わり、お茶会当日を迎える。












評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ