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規格外のお姫様  作者: セラ
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後始末2

「お帰り、ミレイ」


「っと、ただいまお父さん」


 転移が終わると、バーミリア国の転移陣の近くにいたお父さんが迎えてくれた。


「クライス王子達も、よく来たね。ここでは、少し窮屈な思いをさせてしまうかもしれないがゆっくりするといい」


「お気遣いありがとうございます」


「お父さん...」


 私が呼ぶと、私が言いたいことが分かったのか私に頷いてみせた。

 それから、私を安心させるように言う。


「大丈夫だよ、クリスティーンやメイリーンには分からないように認識阻害を発動させてるからね」


「そっか...。じゃあ、さっそくだけど」


「あぁ、もうあちらさんも来ているよ。こっちだ」


 お父さんに促されて、話し合いをする部屋へ移る。


_________________




 お父さんに案内された部屋には、私が先に送っておいた王子が縛られた状態で床に座っており、その両親である国王と王妃は、席に座っており王妃は泣いていて国王はそれを慰めていた。


 私は、あっちの国の両親のテーブルを挟んで前の席に座った。その隣にクライス王子、私とクライス王子の後ろにルイとラン、マクリス様たちが控える。

 お父さんは、私達と王子の両親の間に座った。ちなみに、王子はお父さんのテーブルを挟んだ向こう側の床に座っている。


「さて、そろったところで始めようか。まずは、なぜ魔物寄せを使ったか...。答えてくれるかい?リース王子」


 お父さんに声をかけられたあの王子改め、リース王子はうつむいていた顔を上げて話した。


「...やれると、思ったんです。俺なら、どんな魔物も倒せると...」


 バーミリア国に送られてから、かなり叱責を受けたのか物凄く従順になっている。ま、顔が腫れているところを見ると、ご両親のどちらかにぶたれたのかな?


「その気持ち自体は、初めての魔物狩りに行く誰もが抱くものだろう。しかし、問題は魔物寄せをどこで手に入れたかだ。知っているとは思うが、バーミリア国とそれの支配下にある属国では魔物寄せの販売を禁止している。もし手に入れたいのなら、国の騎士団に申請をすることになるため必ず足が付くのだが...。調べた結果、リース王子が購入した記録はどこにもなかった。...とすると、王子は非正規ルートから魔物寄せを購入したことになる、リース王子...魔物寄せはどこから購入した?」


 うわぁ、話がややこしくなってる。ただでさえ、魔物寄せを使って特殊ランクのグリーを出現させてしまっているのに、購入元が分からない魔物寄せを使っていたなんて...。

 確かに、魔物寄せは各国の騎士団が管理していて購入元が分からないなんてありえない。もし購入したのが今回のように王子だった場合、安全を考慮して騎士団から購入した王子の両親、つまり国王と王妃に連絡が入り、もしその国が属国だった場合はそこを支配下に置いている国にも連絡が入るようになっているからだ。


「それは...」


 リース王子は言い淀んでいる。


「どうかしたかい?本当のことを話すだけでいいんだ、もし嘘を言っていた場合は君の両親にも責任が発生して処罰しなければならなくなる。さぁ、どうだろうか」


「...実は」


「リース」


 リース王子が話そうとしたとき、それまで泣いていた王妃がリース王子を呼んだ。


「母上」


「何も言わなくていいわ...。責任なら、私達がとるわ」


「どういうことだ?」


 リース王子と王妃は何か知っているようだが、国王は知らなさそうだ。

 どういうこと?


「ノヴァ国王陛下、魔物寄せは私が入手しました」


「王妃が入手し、リース王子が使ったと?どうしてだ」


「...王妃様、クリスティーン王妃様からいただきました」


 最悪だ、一番最悪な展開だ。

 元々、この王妃とクリスティーン王妃に交流があるのは知っていた。学院時代からの友人だったのだ。

 一応、お父さんも私も事前にこの依頼を受ける前に知ったのだが、もし受けなかった場合のクリスティーン王妃の動きが分からなかったため、そのまま受けたのだ。


 しかし、そうなると処罰したことはすぐに知れるだろう。

 私がお父さんに視線を送ると、お父さんもこちらを見ていて頷いた。


「では、今までの王妃様とリース王子の言動はすべて、クリスティーン王妃からの指示ですね?」


 私がそう聞くと、王妃様もリース王子も頷いた。


「分かった、では話し合いはこれまでだ」


「ノヴァ国王陛下...」


「人質は、国王だね。大丈夫、これから君たちを僕の空間魔法で隠すから少し生活は不自由になってしまうが...」


 お父さんの言葉に、頭をふり涙を流しながら王妃は言った。


「いいえ、私たちを匿っていただくだけでも十分です。ありがとうございます」


 王妃が言うと、隣にいた国王がその王妃の手を握り...。


「そんなことが...気付いてやれなくて悪かったな」


「いいえ、いいえ陛下...。私がいけないのです、クリスに断れなかった私が...」


「父上、母上...」


「リースも、ごめんなさい。私が弱いばかりに、巻き込んでしまって...」


「いいのです、母上...」


 家族みんな泣き出しはじめてしまった。


「さて、行こうか。ミレイたちは少しここで待っていてね」


「はい」


 お父さんのついて、部屋を出ていたリース王子が私達のところへやって来た。


「ミレイ姫様、怪我をさせてしまい申し訳ありませんでした。もう大丈夫なのですか?」


 真実を知ってしまうと、本当にいい王子なんだよね。王子が手の付けられないほどのバカな振りをしていたのも、すべて知っていたけど大変だっただろうな...。


「はい、もう大丈夫です。それに、リース王子の事情も実は知っていてこの依頼を受けていたんです。ですから、気にしないでください」


「ありがとうございます。では、失礼します」


 私とクライス王子達に頭を下げ、部屋から出て行った。

 悪い噂がでるまでは、使用人たちにも優しく気を使える読書好きな王子という評判だったのだが、これからどうなることやら...。









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