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規格外のお姫様  作者: セラ
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副業の話

「で、どういうことだ」


「えっと...」


「父上から、バーミリア国の隣国の王子の付き添いで魔物狩りに行ったと聞いていたのだが...」



 バカ...例の王子の魔物狩りから帰った後、クライス王子の尋問にあっています...。

 なんでも、グレイシア国の王であるクレイグ王から何か聞いたのかな?


「バカ王子がやらかしたんですよね」


「ついでに明日も朝からこの件で、出かけることになっています。お話は、治療をしながらで失礼します」


「あぁ、それはいい」


 どこまで話したんだろう?一応、私のことは私の判断でってことになってたと思うんだけど...。たぶん、最初にぶっちゃけて話しちゃってるからクレイグ王も話したんだろうな。


「どこまで聞いたのか聞いても?」


「副業のことを聞きに行ったのだが、父上に嵌められて黒幕まで知ってしまった。俺たちはもう覚悟を決めているから、今後は遠慮なしで話してくれ」


 やっぱり、クレイグ王の策略か...。前々から、私に同じ歳の私の事情を知ってる味方が必要だって話してたしなぁ。しょうがない。

 ルイとランに治療を受けながら、あきらめたようにため息を吐く私を見てクライス王子はすまないと謝って来た。

 なんだか申し訳ない。


「知ってしまったものはしょうがないですからね。じゃあ、黒幕のことはもういいですね。じゃあ、私がしている副業についてですね。バーミリア国が発展したのは、この副業があったからと神から力を授かる人が多かったことそれが、戦闘に特化したものが多かったのが理由の一つだと言われています」


「確かに、バーミリア国から来る傭兵の質がいいとよく聞くが...」


 それと私が副業をするの、どう関係してるんだ?と言いたげな感じだな。


「それは、特にバーミリア国の王族に顕著に現れました。しかし、表立って王族が傭兵に混じって諍いに参加しているのはまずいということで、副業ってことで魔物がりを行ったりしていました。今では、そのことをあまり知らない貴族が多くなってきているんですがね」


「それって、ミレイ姫働き損じゃないのか?」


 ウィン様さすが、そういうのよく分かってる。


「そうなんですよ、まぁそれが私としては暗殺から逃れる手段であったのでいいんですけど」


「あ、そっちの問題もあったんだった。複雑だな...めんどくせー」


「そうなんですよ~」


 ウィン様の言う通り、魔物狩りを副業でやっているのを知っているのが少ないのなら別にやらなくてもいいんじゃないのかと思うけど、命を狙われている身としては副業やってる方が気楽だ。


「でもミレイ様、嬉々として魔物狩りやってたじゃないですか」


「そりゃ、どっかで憂さ晴らししないと私もやっていけないじゃない。それを、魔物にぶつけたらいい感じで経験値あがっていくし、暗殺にも対応できるようになるしお得じゃない?」


「その考えにいくミレイ様が凄いと思います」


 少し呆れながら、マクリス様が言ってくる。

 えぇ、そうかな?一石二鳥でいいと思うんだけど...。


「まぁ、それはいいが毎回そんな感じなのか?」


 クライス王子が、私の様子をみながら言ってきた。


「いや、今回は付き添っていた王子が魔物寄せを使ってしまって、特殊ランクの魔物が出てきてしまって大変だっただけです。いつもは、まったく怪我なんてないんですけど」


「ほんと、あのバカ王子」


「ラン」


 あの王子のことを罵倒するランを、ルイが咎めるように名前を呼んだ。

 ランはそういうだろうな、まあ、そういわれても仕方ないことをしてるからね。


「魔物寄せって、本当に使ったのか?基本の魔物の知識は、魔物狩り前にちゃんとつけて行くだろう?」


 そうウィン様が言う通り、魔物狩りに初めて行く時はそれなりに魔物に関する知識をつけてから行くようになっている。しかし、あの王子はそれを怠っていたのだ。だが、その母親である王妃がそれを許してしまったのだ。私は、魔物狩りに行くことに反対した。少しの知識もなく魔物狩りに行くのは本当に危ない、自分の実力を測りかねるから自分の実力以上の魔物と戦ってしまったり、狩りを禁止されている魔物を狩ってしまう可能性もあるためだ。

 ちなみに狩りが禁止になっている魔物とは、生態系に影響が出ないように狩る数を制限されていたりあまりにも強すぎるため、狩らないようにと注意喚起がされている魔物だったりする魔物だ。


「それが、いくら言っても聞かなかったんです。だから明日、父も含めての話し合いがあるので出かけます。明日の話し合いによって、その王子の処遇が決まります」


「なるほど、副業は魔物の付き添いの他に何かあるのか?」


 クライス王子は、副業の内容に興味が出て来たようだ。そんなに気になるもんかね?


「付き添いの他には、貴族の護衛とか魔物の討伐依頼とか、情報が欲しいとか?」


 ルイとランに確認しながら、仕事内容をあげればクライス王子はそれはミレイ姫でなくてもいいのでは?みたいな感じで見てくる。

 この王子様、顔はそんなに表情豊かじゃないけど目で凄い表情が出るみたいだな。


「まぁ、こんな感じですね。確かに、私じゃなくてもと思うような感じもしますけど。何事も経験は大事ですからね」


「そういうものか?」


 クライス王子にも変な目で見られてしまった。なぜ?


「それじゃ、今日はよく休んでくれ。突然すまなかった、失礼する」


「ありがとうございます。ここからのお見送りですみません」


「いや、いい」


 そういって、クライス王子たちが部屋から出ていき私はしっかり治療を受けて、すぐに休むことにした。明日も大変なことになるだろうし...。


 あ~明日行きたくない...。

 そんな感じで、私はベッドに入り休んだ。







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