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規格外のお姫様  作者: セラ
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副業

「おはようございます、ミレイ様。よくお休みになっていましたね」


「おはよう、思ってる以上に昨日は疲れてたみたい」


 昨日、あれから少し休むつもりが夕食の時に一度起こされたけど、あまりにも眠すぎたのと体がだるすぎて動けなくて、夕食も食べずに朝まで眠っていた。

 昨日は、グレイシア王国に来るのに力を使っただけのはずなんだけどだいぶ疲れが溜まっていたみたいだ。


「ミレイ様、朝はしっかりしたものをご用意しました」


「お腹空いてますよね、ミレイ様」


「おはよう、ラン。二人とも準備ありがとう」


 バーミリア国にいた時から、私の食事の用意はランかルイが担当している。毒物の混入があまりにも多かったこと、お母さんが毒で亡くなってしまったことも含めてお父さんが決めたのだ。また、お父さんの食事はお父さん自身で用意して食べている。それは、お母さんが亡くなった際念のためとお父さんの食事も調べたところ、お父さんの食事にも毒物が混入していたためだ。

 お父さんが信頼してそばで仕えるのを許している人達は、お父さんお手製の料理を食べている。お父さんの料理好きは、幼い頃かららしくお父さんの料理は本当に美味しい。


 そして、ルイとランはそんなお父さんから料理を仕込まれているためプロ級に料理上手だ。

 ここグレイシア国でも一応、ルイとランが料理をしてくれることになった。お父さん達の話し合いで、やはり警戒はした方がいいという結論が出たらしく、クレイヴ国王の許可のもと二人の担当になったみたいだ。

 そんな二人お手製の食事を食べながら、今後の予定を聞く。


「今日は、副業の方の打ち合わせがあります。通信はあちらからだそうで、一応午前中にと伝えていますが...」


「相手が相手だからねぇ、あの王子様自分中心の方だからいきなり今から出発するとか言い出しそうですよね」


「あぁ、やだなぁ...。めんどくさいんだよね、扱いが」


 今回の副業のクライアントは、今話題に挙がっている王子の親でバーミリア国の隣国にあたる小さな国の国王だ。

 その国は、バーミリア国と同盟を結んでおりその国が危機にあった時は援護をするという約束をしている。

 今回の依頼は、そんな王子の初めての魔物狩りの補佐だ。


「実際、どうしてミレイ様に依頼したのか分からないレベルの案件ですよね?」


「まぁそうなんだけど、あの王子じゃあね~。心配になるのも無理ないよ」


 そこの王様は、とても気が小さい方で頭が低い、いい人なんだがその息子である王子は問題行動ばかりであまりいい噂を聞かない方だ。


 この魔物狩りというのは、一応各国の王族貴族の男児が成人になると余程のことがない限りは義務になっている。この世界には、魔物が溢れている。それは、この世界の成り立ちにも由来している。

 そもそもこの世界には神が住んでいた土地だった。しかし、神たちにはある欠点があった...それは、感情をもたないことだった。だからこそ、この世界は穢れのないそれは美しい世界だったそう。


 だがあるとき、なんの変化か感情を持った神が産まれた。その神はこの世界は美しいだけで、面白くも楽しくもないのに、みんな退屈じゃないのか?と他の色々な神に問いかけていったそうだ。

 すると、その神たちも疑問を持ち始めだんだんと感情を持つ神が増えていったのだ。それによりなにが起きるか...。

 まず、天候が神たちの感情によって不安定になった。それにより、作物の豊作、凶作が出て来た。すると、神たちに感情がうまれたことにより神たちに食べ物の好き嫌いが出て来た。そして、神たちは好きな時に好きな物を食べられないことが多くなり、神たちに負の感情...怒りや悲しみなどの感情が出てきた。魔物は、その神たちの負の感情の集合体と言われている。

 元々、美しいものが好きで汚いものが嫌いな神たちはだんだんと地上ではなく、天界で暮らすようになりそのうち、地上を放置し天界での暮らしを楽しみだした。しかし、それに違和感を覚えたのは感情を初めて持った神だった。その神が、地上をそれぞれ神たちに割り振りその国をちゃんと見守るようにとそれぞれの神たちに約束させた。

 そして、人が産まれ地上が発展していったのだとか。ただし、魔物をなくすことができなかった神たちはそれぞれの国の王族に力を与えたのだ、だからこそ今魔物狩りが王族、貴族の義務のようになっている。

 王族だけに力を与えたけど、その力は王族の血が少しでも入っていれば発現するため高位の貴族も対象になっている。ちなみに、男児だけでなく血をひいていれば男女関係なく発現している。


「めんどうだけど仕方ないね、初陣だけ付き添えばいいって話だったから引き受けたんだよ」


「...それはそうと、副業のことクライス王子に言わなくていいんですか?」


「それはいいんじゃないかな?特にクライス王子に関係はないし」


「確かにそうですよね、この婚約も期間限定ですし」


 ルイとランに言われて、考えてみたけどたぶん関係ないから大丈夫でしょ。


「とりあえず、ご飯食べてから通信してみよう。まずは、腹ごしらえだ」









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