話し合い3
「ですから、まだお休みになっていると言っているではないですか!」
ルイの珍しい荒々しい声で目が覚めた。
なんだろ、誰か来たのかな?
「あ、おはようございます」
「おはよう、ラン。ルイがだいぶキレてるみたいだけど、誰か来てるの?」
「クライス王子一行が来てて、お姉ちゃんが対応してるんだけど...。ミレイ様が今お休みになってるって伝えてもなかなか引き下がってくれないみたい」
「とりあえず、私が起きたこと伝えてきて。それから、寝起きのまんまなのはさすがにあれだから身支度するから、もう少しクライス王子達には待ってもらうことになるけど」
「それぐらいいいんじゃないですか?あっちのしたことに比べてはかわいいものですし、一応お休みになっていることも伝えてますし、じゃ、伝えてきますね」
その後、ランと一緒に戻ってきたルイは相当怒ってるのか、私の身支度を手伝っている間終始無言だった。それを見て、私とランは顔を見合わせて苦笑いを浮かべた。
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「さて、お待たせしました」
「いや、こちらも失礼した」
お、クライス王子がしゃべった。そりゃしゃべるか、人間だしね。でも、落ち着いた感じの声だな。
昔、お母さんがイケメンは声もイケメンなのよねぇ、て言ってたけど確かにそうだな。クレイヴ国王が息子自慢するはずだわ...。
「えっと、それで要件はなんでしょうか?」
「俺の側近が、丁重にあなたを迎えろと言われていたのを無視したことの謝罪をしにきた。本当にすまなかった」
「クライス王子、いくら私の父から言われたとはいえ本当に謝罪する必要はありません!」
おっと、それもクーさんに聞かれたらまたお説教コースなのでは?
ピシッ
ん?なんのお...。
変な音がしてその音がした方を向くと、私に紅茶をいれてくれていたルイが無表情でカップを持っていて、見ると少しだけヒビが入っていた。
激おこですね、ルイさん。
「マクリス、黙っていろ」
「ですが!」
さらに言いつのろうとしていたマクリスさん?を視線だけで制すると、また私の方をまっすぐ見てきた。
「重ね重ねすまない。俺がしっかり統制できていなかったこと、そして今回の婚約のことをきちんと考えていなかったことが、今回のことのきっかけだ。すまなかった」
以外にちゃんと考えてたのか、さすがあの人の息子だね。
「じゃ、今回の婚約の話を少ししても大丈夫ですか?」
「あぁ、わかった」
結構しっかりした考えをもってるし、ちゃんと部下の無礼を頭を下げて謝れる。本当にいい王子様だな。側近はあれだけど、ちゃんとクライス王子の言うことには従ってるしね。