話し合い2
「とりあえず、ノヴァが言うには今回は暗殺者を雇っていたり、ミレイの世話をしてる者を買収したり大規模な下準備をしてるって。多分、薄々気付き出してるんじゃないか?クリスティーンは、メイリーンは無理だろうけどな」
「だから、お父さんが私に相談もなしで決めたのね」
暗殺者を雇ったり、私の周りの人を買収したり今回は本当に手が込んでるな...。
今回みたいに命が狙われることはよくあった、食事に毒が入ってたり服に針が残っててそれに毒が塗ってあったり、本当に色々あったけど今回はだいぶあからさまだな...。ま、それも...。
「ノヴァがミレイに王位を譲る準備をしてるのに、気付き出して焦ってるんだろうな。で、先手を打とうとしてるが、ノヴァには勝てないだろうな」
お父さんは本当に頭がいいからなぁ。それに...。
「ノヴァの結界術と幻想術の腕を、その界隈で知らないやつはいないし。僕も、ノヴァだけは敵にまわしたくないね。しつこい上に頭が切れるやつを相手にするなんて、僕は絶対やだね」
策士で名高いグレイシア国の王様にそう思われてるなんて、お父さん本当に大物だなって改めて実感するよね。
「まあ、ミレイもノヴァに負けず劣らずの術の使い手だから、あんまり心配はしてないけど警戒しといて損はないし。とりあえず、ミレイはここで表向きはクライスの婚約者として過ごしてくれ。それ以外はいつも通りでいいらしい、じゃないと周辺国がうちに乗り込んできそうだしね。ミレイは人気者だから」
「自分の国では違うけどね」
「それも一部の頭の悪い連中だけだろ?本当に国を思ってる民は気付いてるさ、本当の王位継承権を持っているのが誰かってね」
うちの国のこともちゃんと把握してるんだから、本当に油断できない人だよね。
「でも、その相手の人達は納得してないみたいだけど?」
「あ~、クーがだいぶ怒ってたからな、一応ちゃんと説明はしたんだがまさか国際問題寸前のことをするなんてな、あいつらも無駄に頭がまわるんだよな。」
ま、この人の息子とクーさんの息子だし、クライス王子は関わってなさそうだけど。
「とりあえず、今日はもうゆっくりしてくれ部屋に案内させる」
「ありがとうございます」
本当に、結構力使っちゃったし体もだるいし。
その後部屋に案内されて、私はルイとランに荷ほどきを任せてちょっとだけ寝せてもらうことにした。