『強欲の魔女』
わたしは、この世で唯一無二の存在
強欲の魔女
何もかも、わたしの思うがまま。
わたしは、欲する全ての物を
幼い頃に、魔法に目覚め自分の才能に酔いしれた。
最初は、人に褒められるのがただ嬉しかっただけだった。
人の役に立ちたい純粋な気持ちだった。
いつから、このようになってしまったのだろう。
思い出せない…
喜ぶ人には、魔法で助け
貶す人は、魔法で傷つけた。
そして、人々は わたしを羨むようになった。
わたしの魔法に あやかりたいと金、名誉、富、人を差し出した。
わたしは欲した。
「もっと、もっと。」
しかし年月と言うのは残酷だ。
わたしが、今まで築いてきた物を一瞬で奪い去る。
いくら魔法があろうと、醜い老婆には、誰も寄ってこない。
わたしも、醜い姿を隠して生きるようになっていた。
今度は、若さだ。
「若さが、欲しい。永遠の若さ、不老不死。それがあれば、金も名誉も富も人も、全てが叶う。」
わたしは、死に向かいながら魔法を探究し続けた。
そして、とうとう、若さと不死を手に入れることができた。
ははは、どうしたことだろう。人が人が、わたしの所に全てを持ってくる。
「あぁ、もっと、もっと、わたしに全てを与えなさい。」
世の中の全てを手に入れた。
わたしに賛辞する者には祝福を
わたしを危惧する者には死を
わたしは、世界。そして永遠。
それは、永遠と思えるほどの昔の話
人は、遠い過去に滅んでしまった。
繁栄を極めた人類は、自らの文明で滅んでしまったのだ。
自業自得だ。
わたしも そうだ。
自ら不老不死になり、孤独に世界を徘徊している。
魔法で人もどきを出してみたりもしたが、所詮わたしが出した魔法の操り人形だ。
余計に孤独感が増すだけだった。
あぁ、もう、何万年、何十万年、地球を歩いただろう。
食べなくても死なない体
飲まなくても死なない体
寝なくても死なない体
殺しても死なない体
死んでも蘇る体
永遠の体
あぁ、わたしの最後の欲だ。
「休ませて下さい…」
読んで頂き誠にありがとうございます。
今日のTwitterトレンド『強欲の魔女』です。
あれ?これって分類『ホラー』なのか?
もう一つ妄想しましたけが、別の話にできそうだったので、オーソドックスに魔女にしました。
もう一つは、トレンド次第ですwww
明日は日曜日 久しぶりの休日です。
休みは休みの疲れがあるw
それでは、またお会いいたしましょう。m(._.)m