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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
96/186

ケービヨン到着 ~ ララ・リリとの出会い ~

新章突入。

今後とも、ご愛読よろしくお願いします。


ゴールデンウイーク&新章を記念して、

5月11日分を先行リリースします。


そういえば、西川越駅は今も無人なのだろうか。

橋は全長約300メータ、幅10メータの木造で、

メンテナンス後ということもあって揺れは少ない。


途中向こう岸からの馬車とすれ違い、

眼下には大きな川、ルイマン川が流れている。


『ピロリーン!』

ステータス画面を確認すると、導きクエストが発生していた。


-----------------------------------------------------------------------

<クエスト>

 『大蛇の宝珠』を捧げよ。

 報酬:スキルχ

-----------------------------------------------------------------------


「あ゛~っ!」

『さっきの話はフラグだったんすか?』と心の中で呟き、

片手で額を抑えながら、背もたれにもたれかかった。

っていうか、捧げよってどういう事よ。


先のお宝と大蛇の宝珠は同じ物なの?

それにスキルχって何なの?

んん、よく分からん。。。


「どうしたんだい、急に?」

シュケイは心配そうにチラリとこちらを見た。


「いや、すまない。ちょっと気になることが発生しただけ。」

彼に責任がある訳では無いので、詳細は伏せた。


「なら良いんだけど。」

馬車は橋の上から、ケービヨンの大地を走り始めた。


「この先に町が見えるだろ。あれが西ケービヨンだ。

あそこにはギルドがあるけど、この辺じゃ珍しく無人なんだよ。」

「無人でも大丈夫なの?」

「どういう運用なのかは知らないけど、トラブルは聞かないね。

で、俺たちは町を迂回していくんだ。」

前を走るスイジオの馬車が町の手前で右に曲がると、

続いてシュケイも舵を切った。


「遠回りじゃないの?」

「距離的にはね。ただ迂回した方が速度を出せるから

結果、コンセイには早く着けるんだ。」

コンセイとは、今日到着予定の町だ。

右手に街並みを見ながら、先に進んだ。


移動日は大体4時前後に到着することが多いのだが、

モンスターとの遭遇も少なく、今日はまだ陽が高い。


午後2時半過ぎに目的地のコンセイへ到着したのだが、

やる事もなく、宿の位置を確認して町の中を3人でブラブラした。


歩きながらシュケイから聞いたクヌキの祠や玄武の刻印、

そしてシングワシと大蛇のお宝の噂について2人にも共有した。


「ポスリメンよりそっちの方が面白そうだな。」

「アタシもレベルを上げたいし、クヌキの祠は良いんじゃない。」

お宝という言葉にパワルドはニヤつき、

オイセ塚でレベル上げの必要性を認識したニャルマーも賛同した。


そして夜、明日ケービヨンに行くことを鬼人族の2人に

いずれ会えればいいかなと軽い気持ちでメッセージを送ってから寝た。


【2月23日】

ケービヨンへ向かう最終日、ニャルマーの一巡しようという提案で、

公正なるじゃんけん大会は行われず、

俺はスイジオの隣に、パワルドはシュケイと、

そしてニャルマーはその荷台となった。


道中、スイジオに昨日聞いた大蛇のお宝について聞いてみたのだが、

噂レベルでしか知らないようで、詳しく知りたければ

シングワシに行くのが最善だろうとアドバイスしてくれた。


ただ、シングワシには定期便は無く、徒歩で行くとなると

片道4,5時間かかり、現在では刻印を得ても結界へ訪れる人は

ほとんどおらず、都市伝説化しているらしい。

ぶっちゃけ、ヒントになるような事は聞けなかった。


4時過ぎ、ケービヨンのギルド前に到着し、

スイジオから依頼完了書にサインを貰って、2人と分かれた。

中に入るとバトマの3倍はあろうかという広さはあるが、

人は疎らだった。

冒険者が戻ってくるには早い時間だからだろう。


精算しようと窓口へ歩き始めた時、ニャルマーが小声で話しかけてきた。

「なんか、右側から凄く睨まれてるよ。」

「正に、鬼の形相だな。」

パワルドは視線を合わせないように横目で見ていた。


気になって顔を向けて見ると、

ローズマダーの髪を頭上からポニーテールにしている少女と

ネイビーブルーの髪をツインテールにしている少女が腕組みしながら

立って睨んでいた。

背は140センチ程度と小柄で、眉間に皺を寄せ目が吊り上がっている。

何か2人で話をしているようだったが、気にせず精算窓口に書類を提出した。


精算を終えて出口の方へ振り返ると、今通ってきた中間の位置に

腕組みをしたままこちらを睨んで通路を塞ぐように2人は立っていた。


「ねぇ、ヤバくない?」

「新参者に対するいびりかもな。」

ニャルマーとパワルドは嫌そうにしていた。


「あらららちね、ゴロロンパーリーって。」

「ゴロロンパーティーって。。。」

ポニテの女が少し早口で話すと、ニャルマーが小声で突っ込んだ。

ただ、音のつながりで何を言っているかは大体分かる。


「すいません。お姉さまは滑舌がワルーて。」

「ううさいわ。」

ツインテの女が少しだけ滑舌悪く詫びると、姉の方が少し膨れた。


「ララさんとリリさん?」

「ララでいーわ。あらたがナオロね。」

ポニテの方が姉のララ、ツインテの方が妹のリリか。

ニュアンスで伝わってきたのだが、後ろでニャルマーがクスリとしていた。


「ああ、よろしくな。」

「で、後ろにいウのが、パーウロとナウマーかしら。」

「ああ、パワルドだ。」

「ニ、ヤ、ル、マー!」

パワルドはさらりと流したが、ニャルマーは気に食わなかったのか

ゆっくりと強い口調で言い直した。


「イヤ、イ、イヤ、イイイ・・・」

ララの顔がだんだん険しくなり、隣でリリも口を動かし練習をしていたが、

目が合うとニコリと返してくれた。

ララは床をドンと思い切り右足で踏みつけると周囲が少し揺れ

「もういいわ。あらたはナウよ。」

と鬼気迫る表情でニャルマーを指さし睨みつけた。


「あ、もうそれでいいです。」

ニャルマーは気迫に負けて小さくなった。


「あの、少し外へ出まショーか。」

先ほどのララの足音で注目が集り周囲がざわついているのを察したリリが

小声で促し、俺たちはギルドを後にした。

「あらららち宿は?」

「いや、まだ決めてないよ。」

「だったら、私たちが泊っている宿を紹介しまショーか。」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

ここで断っても角が立つので、リリの提案を受けることにした。

そしてその返答にリリとララは嬉しそうにしていた。


ララに付いてくるように言われ、5分ほど歩くと豪華な馬車が留まっていた。

「あーしが運転すうわ。」

ララが御者台へと座り、リリが「どーぞ。」と客車のドアを開けてくれた。

俺たちは席に座り、馬車は宿へ向けて進み始めた。


この後、ちょっぴり後悔するとも知らずに。。。

次回は、5月18日リリース予定です。

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