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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第3章 ゴエアール地方
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VS白虎 ~ 素晴らしいオーム社の防具、ただしゴムクサイ・・・ ~

意を決し2メータ程の高さの観音開きの扉を押し開けた。


部屋の広さは、野球のダイヤモンド位の大きさだろうか。

30メータ四方で、奥には1段高くなっている祭壇があった。


数歩中に入ると扉が勝手に閉まり、祭壇が輝くと白い虎が姿を表した。

『我は祠を守りし白虎なり。刻印を求めし者よ、我にその力を示せ。』

念話で語りかけると、祭壇からピョンと飛び降りて

尻尾を揺らしながら近づいてきた。


「ファイアボール!」

まだ10メータ程距離はあるが、弱点の炎系の呪文を唱える。


白虎は一瞬眉間にしわを寄せ目の前にバリアを張ると、

放たれた火の玉はそれに当たって消えてしまった。

だが、山彦効果で放たれた分は白虎に直撃した。


「グォ~ウ!」

とけたたましく吠え、仕返しと言わんばかりに電撃を放ってきた。


咄嗟に盾でガードし、僅かしかダメージを受けなかった。

どうやら防具の表面を電流が流れるような構造みたいだ。

流石オーム社と感心しつつも、

気になるのはゴムの焦げたような匂いがする事だ。


睨みつけてきた白虎は目が合うと、こちらをターゲットにして加速し、

体当たりをしてきたので盾でガードしながら、

横へ弾かれるように距離を取る。

そして横腹にファイアボールをぶち込み、ダメージを与える。


「グルゥ~、グルゥ~」

白虎は唸りながらゆっくりと1周歩いて、俺を正面に止まった。


そして、大きく息を吸い、

「グォ~ウ!」

と大きく吠えると再び電撃を放ってきた。


嫌な予感がしてスピードアップをかけていた俺は、

放たれた瞬間に横へ大きく飛んで躱し、ファイアボールをお返しする。

白虎はバリアを張ろうとするが、間に合わずダメージが入る。


「グォ~ウ!」

また電撃が来る、見切った俺は放たれる瞬間を待ち横へ逃げるが、

着地した目掛け白虎が速度を上げ襲ってくる。

再度横へ飛ぶには体勢が悪すぎた。


「ディフェンスアップ!」

左腕に装備している盾を右手もサポートするように抑える。


ドスッ!

低い音が周囲に響く。



ポタ、ポタ、ポタ

床に血が滴れる。



俺の首を咬み砕こうと全力で飛び跳ねた白虎は、

突然目の前に現れた盾に勢いよく衝突し、

鼻と口から血が出ている。


対して、ぶつかった衝撃は感じだものの俺はほとんどダメージを受けていない。

レベル差か。

そして、これが今までで一番ダメージを与えたような。。。


脳も揺れたのかフラフラと首を振りながら、

俺を横目で見つつ距離を取る白虎。

マジックアップを使いながら俺も距離を取る。


「ファイアボール!」

威力が増した火の玉が白虎の胴体に当たる。


更にここぞとばかりに追撃で十数発ファイアボールを叩き込む。

白虎の周りは土埃や煙に覆われ、肉眼で姿を確認できない。


警戒しながら少し離れ、落ち着くまで待った。

『合格!』

再び姿を現した白虎は半透明で初めて見た時の様に綺麗で、

仮装大賞の司会者みたいに一言言うと消えてしまい、

祭壇の上に転移陣が出現した。


「あれ、終わり?」

呆気なさに、周囲に誰もいないのに問いかけてしてしまった。


ギルドカードを取出し裏面を確認すると、

左側の中央の高さの位置にデフォルメされた可愛い白虎の絵があった。


「何かイメージと違うなぁ。」

感想を述べながら転移陣に向かう。


まだ時間も早いので、29層に移動して召喚獣たちの

レベル上げを行う事にした。


夕方、3人でバトマへ帰りながら情報共有した。

パワルドも朝一で白虎の刻印を得た。


「オーム社の防具を装備していれば電撃はほとんどダメージ受けないし、

あとはストーンハンマーをブン回してれば簡単に倒せたな。」

「確かにあの防具があるのと無いのでは大違いだろうね。」

「白虎専用と言われるだけあるよな。」

「なるほど。であれば、アタシも用意しておこ。」

「ニャルマーは今何層まで辿り着けたの?」

これから挑む予定で真剣に聞いていたニャルマーに進捗を訪ねた。


「27層まで行ったけど。。。」

もう少しかかりそうなニャルマーは申し訳なさそうにしていた。


「別に焦んなくてもいいよ。」

「どうせ平方ネヨン討伐の報酬もまだだし、橋もメンテ中で通れねぇしな。」



パワルドと2人で励まし、白虎攻略について話ながらバトマへ到着し、

ギルドで素材の売却を行った。


その際、平方ネヨン討伐の報酬も一緒に受け取り、

世界の導きクエスト「シンメイさんの頼みを聞こう」が

達成済みとなって、報酬1000ゼニーも受け取った。


「うぅぅ。。。」

掲示板を確認していると、ニャルマーの元気が無くなった。


目の前の掲示板にはルイマン川の橋を渡れる旨の通知が張り出されていたのだ。

「ようやく先へ行けるな。」

対して掲示板を見て嬉しそうにしているパワルドに軽く肘で突っついた。


「ゴホン、ま、まぁ、急ぐ必要もねぇよな。」

パワルドはニャルマーを見ながら発言を軌道修正したのだが、

彼女は今にも泣きそうな顔をして出ていってしまった。


「やっちまったかな?」

「ああ。」

俺がマズいだろうという顔で答えると、

パワルドは慌ててニャルマーの後を追った。


やれやれ。。。



【2月19日】

昨日、今朝とプンプンとしていたニャルマーが、

普段であれば集合する時間になっても祠から出てこない。


陽が落ち辺りが薄暗くなるまで心配しながら待っていると、

傷だらけでボロボロのニャルマーが転移陣に現れた。


「おい、大丈夫か?」

パワルドと慌てて駆け寄った。



電気抵抗Ω(オーム)

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