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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第3章 ゴエアール地方
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VS 王宝玉 ~ 剣の構えは素人です (+_+) ~

「うるさいなるよ。お前なんかに教える訳ないなるよ。」

玉珠は走りながら勢いをつけてパワルドへ蹴りかかった。


パワルドはギリギリの所で躱し、カウンターで顔面に拳を叩きつける。

玉珠は両手をクロスしてガード、

体勢を低くして自身を弾の様にして頭突きを放つ。


仰け反り回避を試みるが、玉珠の勢いは止まらず顔面で受けてしまった。

だが、パワルドは左足で強蹴し玉珠はガードできずに真面に喰らった。

3人は息をのむ展開にずっと見ていたかったが、その場を離れ前方へ走り出す。


「フローズンブリザ!」

付きまとってくる3体を付き飛ばし、

距離を取り前方から近づいてくるポスリメンに唱えた。


「ナオッチ、ここはあたしらに任せて。」

右手にワザヤミーの剣、左手に精霊苺の盾を装備したニャルマーが

3体のポスリメンの前に立った。


そして、大盾を装備したツルボウがポスリメンとの間にどっしりと構え、

ロングソードを両手に持つサッチャンがニャルマーの横に並んだ。


「んじゃ、ここは頼むよ。」

「ここが片付いたらアタシらも追いかける。」

サッチャンの心強い言葉に頷いて振り返り、

次から次へと湧いてくるポスリメンに

フローズンブリザを唱え、倒しながら先へ急いだ。


『ドスン!』

ポスリメンはツルボウの構える大盾にタックルし、鈍い音が響いた。

サッチャンはそのポスリメンに斬撃を放ち、

ニャルマーも別のポスリメンに攻撃した。


だが、2人ともすぐにツルボウの盾の後ろに戻った。

「何かおかしい。」

「確かに。」

違和感を感じたニャルマーにサッチャンも異論は無かった。


『ドスン、ドスン』

「ヤバい!」

2体のポスリメンが連続して大盾にタックルし、

普段ほどんど声を発しないツルボウが冷汗を掻いて音を上げた。


「ねぇねぇ、あの帽子のマーク三日月じゃないよねぇ?」

「半月だねぇ。」

間違え探しに気付いたニャルマーとサッチャンは顔を見合わせた。


「え~~」「え~~」

そして2人の声がハモった。

強さから考えると、巡回ポスリメンの上のランクだろう。


そして、さっき玉珠が言いかけた意味を理解した。

「恐らく巡回ポスリメン赤と同等かそれ以上の強さだと思う。」

「だろうね。3体だけなら3人で何とかなりそうだけど、

まずは1体ずつ後退しながら倒していくか。」

ニャルマーの見解に疑う余地の無かったサッチャンは戦略を口にした。


ツルボウはダメージを受け流すように少しづつ後退し、

その隙を見てサッチャンとニャルマーは狙いを定めた1体に

攻撃を仕掛けていった。



「フローズンブリザ!」

3人が上位のポスリメンに苦戦していることなど露知らず、

ただ前へ歩みを進めながら氷結系範囲魔法を唱えていた。


「ようやく終わりが見えてきたみたいだね。」

サーチモンスターを使い周りの状況を確認した。

MPを半分以上消費しているが、これだけ唱えていれば当然だろう。


残っているポスリメンを難無く倒しきるとサーチモンスターに森の中から

急速に近づいてくる何かに気付いた。

嫌な予感がし、スピードアップを使い気にかけていると、

王玉珠に似た女が槍を持って突進してきた。


「ッチ、あと少しだったなるね。」

ギリギリで躱されたことに女は舌打ちした。


「お前は王玉珠じゃないよね。」

「妹の王宝玉オウホウギョクなるね。

それより、これはどういう事なるね。」

玉珠と同じような赤いチャイナドレスを着ているが、

背が小さく、幼い面影がある。


「どうって、範囲魔法でバンバンと。」

杖を握りフローズンブリザを使う素振りをした。


「ん~そんなの可笑しいなるよ。もうお前は絶対許さないなるよ。」

地団太を踏み怒り狂った目付きで指さして槍を構えた。


「アイスボ、、ッチ」

先制攻撃でアイスボムを唱えようとしたが、

スキル連突レントツを使い高速で宝玉が槍で突いてきたので、

呪文を唱えず守りに徹した。


宝玉の攻撃が止んだので、距離を取り再度アイスボムを唱えるべく構えた。

だが、宝玉はすぐに連突を仕掛けてきた。

「クソッ!」

攻撃が早くて呪文が唱えられない。


幸い攻撃は見えるので致命傷は避けれているが、

少しずつダメージが蓄積されジリ貧になっている。


魔法での使用を諦めて別の手段を考えている間も、続けざまに連突がやって来る。

アイテムボックスに少しだけ意識をやり、連突が止んだ一瞬で

装備をノベグランの杖から乱鬼龍の剣に変えた。


「ははは、素人丸出しなるね。」

攻撃を止め槍を右肩に乗せながら、宝玉は嘲笑った。


リアルで剣なんか扱う事ないんだから、仕方がない。

構えもアニメとかの見様見真似で、自分でもぎこちなさを感じる。


「ほら、かかってくるといいなるよ。」

余裕の笑みを浮かべ、挑発してきた。


「じゃ、遠慮なく。」

一呼吸置き、スキル瞬連撃を使った。


「そ、そんな、初撃しか見えなかったなるよ。」

スキル補正で威力が増した斬撃をノーガードで

全て喰らった宝玉は、血を流しながら膝を付きヒールを使った。


だが全回復するまで待つほど甘くはない。

その隙にもう一度瞬連撃を使い、宝玉は摩素へと還った。


「スキルレベルと自分自身の感覚が合ってないんだよなぁ。」

誰もいなくなった場所で、3回素振りをしてみた。


今回は宝玉が油断してた事もあったが、

それでもモブスタの時と異なり1回で倒せなかった。


しかもモブスタには全く見えてなかったが、宝玉は初撃は見えていたみたいだ。

今後を考えると、体術同様に体を慣らす必要性を感じた。


「そういえば、ニャルマーたち来ないなぁ?」

後で追いかけると言っていた3人の事が気になった。

何か発生したのだろうか?

改めてノベグランの杖を装備し直し、来た道を戻った。



「あっちでナオッチを見てた時には、こんな強く見えなかったのになぁ・・・」

2体目のポスリメンに止めを刺し、

ニャルマーはツルボウの盾の後ろに入って回復薬を飲んだ。


「簡単に往なしてたって事は、ナオッチにとって雑魚同様だったんだろう。

こりゃ彼にはかなわんな。ははは。」

サッチャンも盾の後ろに入り回復薬を飲んだ。


「そろそろ。」

涙目になりつつあるツルボウは、盾でガードしながらチラリとサッチャンを見た。


「すまない、今行く。」

回復薬をもう1つ飲んだサッチャンは、ポスリメンに斬撃を放った。



「あれ、まだニャルマー達ここで遊んでたのかよ。」

ニュルマー達と分かれた場所が見える所まで戻ると、

1体のポスリメンを3人でボコボコにしていた。


近づきながら見ていると、サッチャンが連続で攻撃し、

止めをニャルマーが刺して、3人はヘトヘトになり地面に座ってしまった。


「なしたの、これ?」

傷だらけになっている3人にヒールを掛けながら状況を確認した。

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