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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第3章 ゴエアール地方
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落とす玉イベント10 ~ 最後の福引、あの鐘を鳴らすのはあなた、俺の所にもお願い! ~

千日の塔に入り、昨日シンメイさんと話をしたことを一旦忘れ、

落とす玉イベント最終日に集中し、まずはいつも通り、

運動と呼んでいる魔香を焚いて体術スキルでモンスターを倒していく。


モンスターの動きに慣れて無駄な動きが減り、

息が上がることも少なくなってきたので、

魔香が切れて直ぐに再度使用し休むことなく20分戦闘にあたった。


その後、5分程小休止をはさんで同じように2回魔香を使ったが、

運動を始めた時のような疲労感は無く、少しだが成果を実感している。


運動後は熊太郎たちを呼び出してお任せモードに突入、

もとい召喚獣たちのレベル上げを行いながら、落とす玉を集めていく。


夕方4時近くになり千日の塔から帰還すると、パワルドとシンズさん以外は

既に待っていて、ニャルマーはカスミ&アビナと話をしながら

物凄く悩んでいる様子だった。


転移陣から降りるとすぐにパワルドも帰還してきた。

「ニャルマーはだいぶ悩んでるみたいだね。」

横に並んだパワルドに話しかけた。


「一晩考えさせてくれと言ってるけど、カサーナに残るかどうかは

フィフティーフィフティーってところだな。」

「カスミとアビナと仲良いいし、最悪は俺と2人でバトマだよ。」

「大丈夫だって。こいつがあればポスリメンだろうが、

王何とかって奴だろうが、俺がバンバン倒していってやるぜ。」

ノベグランの爪を突出して、パワルドは余裕の笑みを浮かべた。


「確かにその爪は強そうだもんね。じゃあ俺は王玉珠が現れたら、

どこかに座って見学してるよ。」

「そんな寂しいこと言わねぇでくれよぉ~。」

パワルドは俺の肩をガッチリとホールドしてきた。

ウザイ!ウザすぎる。

「分かった。分かったから。」

肩に載せられた手を払うように軽く手を振ると、

俺の背中を2度ドンドンと叩いて、

「頼むぜ、兄貴!」

とニヤリとした。

まぁ、よっぽどの事がない限りは、2人でもまず問題はないだろうけど。


少しするとシンズさんが息を切らしながら塔から出てきた。

「すまんすまん、待たせたのぉ。」

「ブリーディングエリアですか。」

「ふぉふぉふぉ、さぁさぁ暗くなる前に帰るかのう。」

いつもブリーディングエリアについて注意を促しているシンズさんは

お茶を濁してゲートへ向かい、残ったメンバーはジト目で見送った。

こんな事も、あと少しだなとシミジミと感じつつ・・・


ゲートを出てカサーナへの戻りは、いつもと同じ隊列で帰った。

ニャルマーはカスミとアビナとどうするか話合いながら、

シンズさん達は本日のシンズさん武勇伝を聞きながら、

最前列の俺はパワルドがバトマに着いたら真っ先にポスリメンの拠点を叩く

という本気なのか冗談なのか分からん話を聞きながら。。。


カサーナに到着して最後の福引に挑戦するためギルドを訪れると、

本日は最終日とあって、バーゲンセールの様にごった返している。


最後尾に並び順番待ちをしていると、時折響く大当たりの

鐘に自分も当たるのではと期待が膨らむ。


ただ、残念な事にこのイベントを通じて俺の所では一度も

大当たりの鐘が鳴ることが無かった。

無念。。。



【1月6日】

「ニャルマーはどんな決断を下すんだろうな。」

集合場所になっているギルドへ行く途中でパワルドと合流し、

ペンディングとなっている回答を気にかけていた。


「長らく一緒だったから、できれば一緒に行きたいけどね。パワルドはどう?」

「俺も3人でとは思うけど、彼女の人生だしな。

どんな選択でも否定はしねぇよ。」

道の先にあるギルドの前で俺たち以外が既に集まっているのを

遠くから見つつ、互いに思っていることを共有した。


「昨日の件なんだけど。」

挨拶を終えた後、ニャルマーが近づいてきた。


「気持ちは固まった?」

「うん。正直、カスミ達とカサーナに残って楽しく仲良くやっていくのも

ありだと思う。ただ自分の実力を試したいという事もあるし、

バトマの状況だったり、昨日カスミとアビナから自分たちが行けない分

頑張ってきてほしいという想いを聞いて、

バトマに行きたいと思ってるんだけど、いいかな?」

シンズさんやカスミ達は俺たちが来る前に話を聞いていたのか

驚きもせず頷いており、隣にいるパワルドは俺の背中をポンと叩き

良いんじゃないかと言わんばかりににこやかにサムズアップをしていた。


「ああ、一緒に行こう。まぁギルドへ伝えるのは夕方で良いし、

とりあえず千日の塔へ行こうか。」

塔に滞在できる時間は限られているので、報告は後回しにした。


夕方、千日の塔から戻り俺とパワルド、ニャルマーでシンメイさんを訪ねた。

「回答を急かしてしまってごめんなさいね。」

通された応接室でソファーに腰掛けると、

時を同じくしてシンメイさんが優しく微笑みながら入ってきた。


「こちらも時間を頂いてすいません。」

「パーティー全員で話す時間は必要だろうから構わないわよ。

それでどうかしら?」

一度立ち上がり軽く頭を下げると、シンメイさんが座るように手を向けながら

バトマの件を興味津々にしている。


「皆で話し合って3人でバトマに行くことに決めました。」

「それは良かったわ。もしあなた達が行かなかったら、

メセーナさん達に護衛の依頼をこなしてもらう予定だったから助かるわ。」

今日の明日で冒険者をアサインするのは難しいのだろう。


「一応確認ですけど、8日の9時にシュメーイ方面の街道付近に行けば

良いんですよね?」

「そこに3台の荷馬車が待ってるだろうから直ぐにわかるだろうけど、

私もいる予定だから迷うことはないわ。」

「そんなわざわざお越しいただかなくても。」

お世話になったとはいえ、忙しいシンメイさんにわざわざ

見送りに来てもらうのは申し訳なく思った。


「あら、言ってなかったかしら。私も私用でシュメーイまで、

ついでに同行させてもらうのよ。」

『え、私用?』と思いつつも、

「ああ、そうだったんですね。」

と、無難に答えた。


「最近耳鳴りが酷くて、ドクダー・カロフジに診てもらおうと思って。

ほんと歳は取りたくないわ。」

「まぁ、そうですよね。ははは。」

『完全に職権乱用だよね、これ。』と呆れつつも、

何と返していいのかわからず軽く受け答えて、笑って誤魔化した。


その後もシンメイさんの溜まっている愚痴を聞く羽目になり、

いつもより遅くギルドから帰ることになってしまった。。。



【1月7日】

明日にはバトマに向けて出発してしまい、現状のパーティで

行く千日の塔はこれで最後だが、

いわゆるシンズラジオのお陰でいつもと変わらぬ雰囲気で千日の塔へ到着し、

塔内では日課となっている運動を1時間程度行った。


長期戦ではスタミナが持たないだろうけど、

体術スキルのレベルが高いから瞬発的にはモブスタやラーセニーを

相手にしても全く問題ないだろう。

とは言え、目立ちたくはないので当面体術での運動はお休みしよう。


運動後は召喚獣たちにまるなg、、、

ゴホン、召喚獣のレベル上げを行いながら進めた。


夕方4時になるので千日の塔から出ると、パワルド以外が集まっていた。

パワルドの戻りを待っていると、セントレアのカーピユが

先に出てきてニャルマーと談笑し始め、次にドランゴと、

そして少し遅れてジャインがカーピユを見つけて俺の所へやってきた。


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