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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第3章 ゴエアール地方
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ポスリメン討伐任務達成 ~ カサーナへの帰還、サイポークでの休息 ~

「昨日君達と現地見て回り、ありがたいことにポスリメンの大半を討伐できたと感じている。

そして現状、冒険者の多くが手持ち無沙汰になってきてるという報告も上がってきている。

なので3割程残ってもらい、あとは依頼達成ということでカサーナに戻ってもらいたい。

この間の一件もあり君達に無理をさせたくないという判断で、カサーナに戻ってもらいたい。」

今日はお散歩タイムの方が多く、手持ち無沙汰になっていたのでやむを得ないなと思いつつ

パワルド達を見ると、頷いてくれたので、「分かりました。」と答えた。


「理解してくれて感謝するよ。それで、今夜は簡単な打ち上げを行うから参加してってくれ。

特に予定が無いなら今日は楽しんでいって、明日戻れば十分じゃないかな。」

カスミが参加したそうな顔をしていたので、

「折角なんで俺達も打ち上げに参加します。」

と答えた。


「最後にもう1点重要な事何だけど、モブスタ以外のポスリメンの討伐報酬も

カサーナで精算してくれるかい。

もちろん急ぎで必要ならここで精算できるけど、生憎全員分は持ち合わせが無くてね。」

「明日戻るんであれば、ここで敢えて精算しなくても問題ないですよ。」

「他の人たちも皆そう言ってくれてて助かるよ。それじゃ今日は楽しんでいってくれ。」

メセーナさんは俺の肩をポンと叩いて、次の冒険者に声をかけに行った。


「まぁあの状況じゃしょうがないよね。打ち上げだから香ばしい匂いがしてるんだね。」

ニャルマーが花をクンクンとさせていたが、獣人でない俺にもはっきりと匂いを感じた。

「なんだか楽しそうだよね。」

「カスミはあまりはしゃぎ過ぎないでね。」

「大丈夫だって。」

アビナに注意されてもあまり気にしていないようだったが、たまには羽目を外してもいいだろう。


その日の夜は様々な料理が振舞われ、英傑の乙女戦士たちが歌とダンスを披露して盛り上がった。

彼女達は、カサーナではアイドル的な感じなんだろう。

だからこそ、以前戻りが遅かったときに総出で捜索が行われたのかなと今になって思った。

そして俺とパワルドは翌日、他の男達と同様鼻の下が伸びきっていて気持ち悪かったと

御三方から指摘を受けるのであった。。。



【10月28日】

宿営地ではギルドスタッフと英傑の乙女戦士のメンバーとそのファンと思われる数人が

打ち上げの後片付けをしていた。

それ以外のパーティーはポスリメン討伐に向かっているか、カサーナへの帰り支度をしていた。

徐々にカサーナへ戻る人が増え、俺たちも片づけが終わったので戻り始めた。

「2週間か、ここに来て。」

「ああ、そうだな。兄貴はこれからどうするんだ?」

「サンハイトに戻るのもありかと思ってたけど、辺竹を追ってバトマへ行くってのも良いと思う。」

「なるほど、それもいいな。」

先を歩く俺とパワルドはこの後どうするか雑談ベースで話をしていた。

「なおっち達はやっぱりカサーナから移動するの?」

カスミが心配そうな声で聞いてきた。

「カサーナにはレベリングに適した場所がないし、特に良さそうな依頼がなければ、な?」

パワルドが同意を求めてきた。

「まぁ。そうなるよね。だけどカスミ、どうかしたのか?」

「うんと・・・」

「1年間、来年の春までは冒険者の活動はカサーナですることが、

うちらの両親とギルドに言われている条件なんだ。」

カスミがどう言おうか考えていると、アビナが変わりに教えてくれた。


「とすると、私達が他の街へ行く場合は、2人は残らなきゃならないってこと?」

「うん。」

ニャルマーが確認すると2人は小さく頷いた。

「カサーナでいい依頼があれば良いけど。。。」

「来たときに見たのは採取系か作業の手伝いとかそんなんばっかだったけどな。」

パワルドの言葉に、さらに二人は落ち込んでしまい、ニャルマーが二人を無言で引き寄せた。


しばし無言のまま歩っていると、前方から銀色の鎧一式を装備したパーティーが向かってきた。

「なぁパワルド、あれ何だろう?」

「あれは、ギルド本部の人たちだな。」

「そう言えば、説明会のときに応援を要請しているって言ってたっけ。」

「ポスリメンもこれで完全に制圧されるだろうから、カサーナも安心だね。」

ニャルマーはすれ違ったギルド本部の人達を見ながら、カスミに話を振った。

「うん、これでキリヤの行方が分かればいいんだけど。」

「そうだよね。ポスリメンの拠点でギルドが何か情報を掴んでくれればいいね。」


ギルド本部の人達とすれ違って少し経った所で一回振り返り距離を確認し、パワルドに聞いた。

「さっきの先頭の奴、俺達を睨みつけてたよな。」

「やっぱり兄貴もそう思ったか。」

「お前、ギルド本部に恨まれる様な事した?」

「する訳ないじゃねぇか、、、多分。できれば、さっきの奴とはもう会いたくないな。」

「あ~あ、こりゃ会うフラグが立ったな。」

「なんだよ兄貴それ。。。」

パワルドと冗談を言い合いながら、カサーナへと戻ったが、

まさか数日後に会うことになるとは。。。


カサーナに着いて精算のためギルドへ行くと、既にポスリメン討伐の精算に来ている

冒険者が沢山おり、俺達も精算の列に並んで順番を待った。


「ポスリメン討伐の精算をお願いします。」

30分位待ち、ようやく俺達の番が着たので俺のギルドガードを受付に渡した。

「少々、お待ちください。」

受付嬢は俺のカードを受取って集計を行い始めた。

「こちらが討伐明細になります。」

討伐明細とカードを返してくれ俺の所持金が58000ゼニー増えた。


「あと、別件の方ですが後日ギルドマスタと話をしてもらって決めていただいて良いですか?」

周りにいる冒険者に分からないようモブスタの件を別件と言ってくれた。

「後日って、シンメイさんは今日居ないんですか?」

「出張に行ってて、戻りは明後日の予定です。」

「居ないんじゃ仕方が無いですね。分かりました。」

精算を終えた俺達はギルドにある空いているテーブルに座った。


「今回の報酬は5等分でいいかな?」

代表してパーティー分の報酬を受け取っているので、皆への配分を確認した。

貢献度合いによって金額差を付けるパーティーもあるが、

同じように頑張ったので俺は等分でいいと考えている。

「兄貴がそう言うなら、俺は構わねぇぞ。」

「私も問題ないと思うよ。」

パワルドとニャルマーは同意してくれた。


「僕達も同じでいいの?」

「カスミたちも一生懸命頑張ったんだし、同じでいいと俺は思うよ。」

俺の言葉に、パワルドとニャルマーも笑顔で頷いてくれた。


「アビナもMP回復薬を結構使っただろうから足しにしてくれ。」

「うん、ありがとう。なおっち。」

俺は4人に11600ゼニーずつ渡した。


「さて、これからどうするかねぇ。」

俺達は席を立ち、どんな依頼があるか掲示板を確認しに行った。


「採取系の常時依頼、河川整備とか道の整備の手伝いとか土木関係、

そしてサンハイトとバトマにいく商人の護衛依頼。

護衛依頼は良いんだけど、3日後には戻ってこれないしなぁ。」

「ねぇ、依頼受けないで明日サイポークに行かない?」

俺が悩んでいると、ニャルマーが明日行こうと提案してきた。


「温泉旅行か、悪くないね。」

「えっと、僕達は。。。」

「冒険者としてはカサーナで活動しなきゃいけないって言ってたけど、旅行しちゃだめなの?」

困り顔のカスミにニャルマーが助け舟を出した。


「そうだよね。ねぇアビナ、それなら大丈夫だよね。」

「大丈夫だと思う。」

カスミ、アビナも行くことになり、翌朝サイポーク行きの馬車に乗った。



【10月30日】

昨日はサイポークのハームさんの所でゆっくりし、15時位にカサーナへ戻ってきた。

そしてモブスタの報酬の件でシンメイさんと話をするため、ギルドへ向かった。

「すいません、シンメイさんいらっしゃいますか?」

「ゴドロンパーティーの方々ですね。少々お待ちください。」

受付嬢は別室にいるシンメイさんを呼びに行ってくれた。


受付嬢が入った部屋からは、この間俺達を睨み付けながらすれ違ったギルド本部の

男が出てきて、俺達に近づいてきた。

「ギルド本部のストーレンスだ。お前たちがゴドロンパーティーか?」

25歳位の黒い短髪で少しイケメンの男が、イライラオーラを漂わせていた。


「そうですが、何か?」

パワルドがフラグを立てたフラグをきっちり回収したなと思っていた。

面倒なことになりそうだなぁ、はぁ。。。


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