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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第3章 ゴエアール地方
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ポスリメン討伐開始 ~ メセーナさんの絵は意外と特徴を捉えていました ~

似顔絵が公開された後、シンメイさんが「分かり難いわね。」と発言され

俺達はみんな「ウンウン」と頷いたのだが、

「色を付けた方が分かり易いわよ。」というアドバイスに冒険者全員首を横に振り、

内心「違うだろー!」と突っ込んでいた。


南コアゼン川の手前に冒険者用の宿営地を用意することや、注意事項、

質疑応答の時間があったが、突っ込みどころ満載の説明会だったので、

あまり情報が頭に残らなかった。

まぁ何とかなるだろう。

説明会は18時には終わり、明日からポスリメン討伐に参加するための手続きを

終えてギルドを後にした。


【10月14日】

8時過ぎに宿を出た俺達は、昨日一昨日と町の中を見て回っていた

ニャルマーの案内で、街の北側に抜ける道を進んだ。


「昨日はメセーナさんの絵が強烈過ぎて、後半の内容はあまり覚えてないよ。」

「兄貴の言う通り、まるで5歳児が描いたような絵だったもんな。

俺は笑ったら失礼だと思って堪えるのが大変だったよ。」

「私は辺竹凛って言う人の似顔絵が出されたとき、下向いて笑っちゃった。

でも内容は私が理解してるから大丈夫だよ。」

「それは助かるよ。そういや、4,5人でパーティー組んだほうが良いって

言ってたけどこのままでいいかな。」

「ナナさん達も一緒だったら良かったんだけどね。」

「ニャルマーはあの2人と仲良かったからなぁ。今頃家の手伝いで忙しいんだろうけど。」

「カサーナに来たばかりの俺達に知り合いもいないし、しょうがねぇよな。」

「3人でって言うのは随分と久しぶりだよなぁ。」


クリビオーの時は別行動だったし、その前の精霊祭は完全に別だったし、

いつ以来だろうと思い返した。

「隊列としては俺とニャルマーが前衛で、兄貴は後衛か?」

「そうするよ。だけどポスリメンブラック相手にバフは必要かな?」

「いやいや、もっと奥に行ってブラウンとかレッドを倒そうぜ。

なあニャルマー、お前も大丈夫だろ?」

「そうだよ。どうせやるなら、やっぱ奥のほうだよ。」

応援だからあまり危険を冒さず黒相手だけで良いかと思っていたが、

二人のやる気に押される形で奥まで行って茶や赤を相手することに決まった。


街の北側にある門を抜け細い山道を30分位進むと右手に大きな塔が見え、

さらに30分程歩くと、昨日説明されていた宿営地を見つけた。

「ここが宿営地みたいだけど、まだ準備中みたいだね。

宿営地をベースにすれば往復2時間は圧縮できそうだね。」

「2時間はでけぇよな。俺らは奥のほうまで目指す訳だから

ここをベースにするしかねぇだろ。なぁ。」

「ギルドで炊き出しや辺りを見回ってくれるみたいだし、良いと思うよ。」

パワルドに同意を求められたニャルマーも問題無いようだったので、

しばらくここをベースとすることになった。


川に架かる橋を渡ると道が二手に分かれ、説明会では左に行くと

湿地帯があり、ポスリメンが出没するとの事だったので左側に進んだ。


少し歩くと湿地帯だったと思われる場所に出たが、少雨のためか干上がっていた。

道らしい道は無いので、干上がった湿地帯を進むと見回りポスリメン黒が現れた。


「メセーナさんの絵もあながち間違っていなかったな。」

説明会の絵は稚拙ではあったが、本物のポスリメンの特徴を良く捉えていた。

「ウインドカッター」

唱えたのは俺ではなくパワルドだった。


ポスリメンに当たったが、ほとんどダメージを与えられていないようだった。

「あれ、おかしいな?」

「クリビオーじゃないんだから。」

思わず突っ込んだ。その間にニャルマーが斬撃を加えダメージを与えていた。


ダメージを受けふらついているポスリメンにパワルドが獣王の斧で切り裂き、

初めの1体は魔素へと還った。


力のあるパワルドによる斧斬撃は、近くで見ていて相当な威力を感じた。

恐らく当たれば一撃でポスリメンを倒せるだろう。

ただ、モーションが大きく避けられる可能性が高いように思った。


「パワルドの斬撃は凄い威力だねぇ。そんなに大振りで疲れない?」

「このくらいなら疲れることは無いけど、

ここぞというときの一撃にしようと思ってるけどな。」

パワルドも斧による攻撃に何か思うところがあるようで、体術用の装備に変えた。


「やっぱメインはこれかな。」

パワルドは精霊苺の爪、ニャルマーはワザヤミーの剣、俺は山彦の杖で

進めることになった。


少し歩くとポスリメン黒が2体現れ、パワルドとニャルマーがそれぞれ応戦し、

梃子摺ることなく倒した。

「今の俺達なら余裕だな。」

「全然問題なし!」

「余裕そうだったね。説明会の時に複数で襲ってくることもあるって言ってたけど、

3体までは1人1体で良いけど、それ以上でたら複数相手になるけどどうする?」

「いや3体でも 前衛の俺とニャルマーで対処するから、

兄貴はできるだけ前線から離れて後方支援に回ってもらった方が

もっと多く出てきても対応可能だと思う。」

「私もそれで良いと思う。必要なときにヒールやバフをかけてもらって、

余裕があればウインドカッターで攻撃してくれれば大丈夫だよ。」

「二人に負荷がかかるけど良いの?」

「おう、任せとけって。」

「全然OK!」

作戦が決まり奥を目指し進んでいったが、苦戦することは無いけど

少し進むとポスリメンが現れ、なかなか進むことができなかった。

時折別のパーティーが遠くでポスリメンと戦っているのが見えたが、

他も同じようにあまり奥へは進めていないようだった。


ギルド本部の人が来る前にポスリメンを一掃しておいて欲しいという

意味が分かった気がした。


日が沈む前に宿営地に戻ると、テントや炊き出しが準備されており、

アイテムショップや武器屋などもあった。

今は冒険者の大半がここに来ているため、カサーナで商売するより

ここで商売したほうが売上が立つんだろう。


俺達はそれぞれ空いているテントを利用させてもらうことにした。

宿営地はギルドスタッフが見回ってくれていて、

ポスリメンやモンスターが出たときには対処してくれるので安心だ。

数が多い場合はサイレンがなって起こされ、応援に出る必要もあるらしいのだが。


【10月15日】

8時少し前に宿営地を出発し、歩って10分程でポスリメンがいる湿地帯に着いた。

「ポスリメンも黒ばっかり出てきて全然先に進めねぇな。」

「私も奥まですんなり行けるのかと思ってたよ。」

「二人とも余裕だもんなぁ。」

「兄貴がパワーアップを掛けてくれてるから、一撃か二撃で倒せるんだよ。」

昨日はヒールをかける機会はほとんど無く、

バフをかけたりウインドカッターで攻撃していた。

残念ながら俺のウインドカッターでは一撃で倒せないことも多かった。


「とはいえ、あまり奥まで行き過ぎると帰りも大変だから、

まずはこの辺の黒を殲滅してかないとだよな。」

「そうだよな。それじゃ昨日と同じようにやりますか!」

パワルドがどんどん先に行ってしまったので、二人で小走りで追いかけた。


昼過ぎには昨日よりかなり奥まで進むことができ、時折青も出現するようになった。

「青でも二人とも問題なさそうだね。」

「まだまだ全然余裕だけど、あと1、2時間で戻り始めねぇとだな。

これだとなかなか赤の所まで行けねぇな。」

そう言ってる傍から、ポスリメンが3体現れまた戦闘を開始する。


戦い終わると別のポスリメンが現れたり、酷い時には戦闘中に別のポスリメンが

現れて最大で同時に10体以上を相手することになったりした。

さすがにこの時には一旦引くことも考えたが何とか倒しきった。

14時頃、宿営地に戻り始めたが、戻りもポスリメンたちが変わらず襲ってくる。

日が暮れるまでには何とか戻れたが、ポスリメンの多さに疲れきってしまった。


カサーナは埼玉県川越市にある笠幡からのネーミングです。


ゴエアール地方とは川越からのネーミングです。

同じく精霊祭で一緒になったララさんとリリさんのケービヨンも川越なんですけどね。

川越 ⇒ 越川 ⇒ 越River ⇒ 越R ⇒ ゴエアール (高麗川のコマアール同様、川がアールに。)

川越 ⇒ 川Beyond(越える)⇒ K-Beyon(d) ⇒ ケービヨン (最後のdはリダクション)

入間川の西側(的場まで)をゴエアール地方、東側がケービヨンというイメージでいます。


前話で、

 ポスリメンの基地は『最果ての西西』

とありますが、これは笠幡付近にある私の母校の電話番号だったりします。

(市外局番)-31-2424

今では市外局番の区切りが変わってしまいましたが。


(2021/3/28 一部文言を修正しました。)

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