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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第5章 コラフル地方
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掟 ~ 始めはど真ん中の13番に飛び込む ~

「どりゃーー!」

パワルドは再び剣を振るう。


エシュロン師範は、ひらりと躱し足払いをする。

態勢を崩したパワルドは床に手を付いてしまう。


「え、あんなん有り?」

剣道じゃない。


「ぁにが?」

ララは俺が何に不満か理解していないっぽい。


「足払いとか有りなん?」

「はぁ?剣を持った盗賊が剣以外を使わない

保証なんてないでしょ。」


確かにそうなんだけど。。。

パワルドは起き上がり、構える。


ニャルマーも気にしていないし、

疑問に思ったのは俺だけだった。


パワルドは何度、叩きのめされても

立ち向かう。


いや、既に何度というよりは、

何十回もボコられている。


初めこそ、エシュロン師範も

違う場所を打ち付けて配慮していたが、

既にその配慮も無くなり、

満身創痍になっている。


エシュロン師範は足払いや頭突き等を

稀に絡めてくるが、

パワルドは剣術しか使っていない。

そして、剣筋も次第にコンパクトになってきた。


それは激痛に耐えての者ものなのか、

何かを掴もうとして、

そうなったのかは素人の俺には分からない。


ただ、必死に立ち向かうパワルドを

止めることが出来ないでいた。


じっと2人の攻防の行方を見守る。


パワルドが意識を失い仰向けに倒れた。


はっきりとは見えなかったが、

エシュロン師範の突き上げた剣が、

顎付近にクリーンヒットしたようだ。


「ヒールア!」

駆け寄り回復スキルを使う。

息はある。


「流石にやりすぎだろ。」

パワルドが使っていた剣を拾い立ち上がり、

エシュロン師範に向ける。


「うむ、そなたも相手してやろう。」

頭に血が登っていたとはいえ、

この状況は勝負を挑む格好だ。


エシュロン師範は勝負を引き受けると、

所定の位置に着く。


パワルドはララとニャルマーに運ばれる。

どうするべ。。。


あ、頭突きが有りならば、

「スキルの使用は?」

所定の位置に着き、尋ねる。


「魔法以外なら構わぬ。」

エシュロン師範は構える。


「では。」

一息ついて構え、スキルを使わせてもらう。

「神速連撃!」


エシュロン師範は数歩下がり、

3度振り降ろされた剣を躱した。


そして、横に振りかざした剣を

横へ転がり躱される。


最後、剣を勢いよく振り降ろす。


「「バチンッ!!」」

片膝立ちで剣を水平にして受け止めてきた。


完全に見切られたのか。

手が痺れ、剣を握る力が弱まる。


「もうよい。」

エシュロン師範は立ち上がり背を見せ、

道場から去ろうと数歩歩き始めた。

やばい、怒らせたか。


「詫びだ。」

エシュロン師範は振り返り、

MP回復薬を1つ投げ渡してきた。


怒っている訳ではない、そう考えてもいいのだろうか。


そして、出入り口に手を掛け

「お前ら3人、暫く稽古をつけてやるが、どうだ?」

と振り返った。


「はい。」「是非。」

ニャルマーと目配せし、

稽古をつけさせてもらう事にした。



【10月4日】


5時半。


日の出と共に起こされ、

道場の裏庭に3人集合させられた。


目の前には師範と、昨日この集落で

最初に出会った兎耳の男がいる。


「まずは、エコキヨの動きを

覚えてもらう事から始める。

十三の形を見せてやれ。」

師範が兎耳の男、エコキヨは指示を受け、

木製の模造剣を構える。


そして「いち」と言いながら5秒ほどかけて、

ゆっくりと右上から右下に振り下ろす。


「に」と続けて、右下から右上へ

やはり5秒ほどかけて振り上げる。


「さん」、「し」、「ご」と続き、

最後、「じゅうさん」で、

相手のど真ん中に飛び込んで

突く動きで終わった。


「13番。始めはど真ん中へ飛び込む。

これが掟だ。」

エコーキヨは腕を伸ばし突いた剣を引いた。


1分半程度の動きをマスターすることから始まった。


「いち!」

ゆっくりと右上から右下に振り下ろす。


「全然駄目だ。」

俺だけダメ出しが入る。

剣を振り上げる前の状態から。。。


エシュロン師範が一番初めの

立っているシーンから顎の位置やら

足幅、膝の曲げ具合など指南してくる。


パワルドとニャルマーはエコキヨから

剣の振り上げた位置や角度について

説明を受けている。


ニャルマーは剣をメインに使ってるから分かるよ。

パワルドも何でそっち側なの。。。

師範から個別指導を受けることになった。


途中朝食を挟み、昼までずっと1番の

指南を受ける。


パワルドとニャルマーは既に3番まで

習得している。


なんてこったい。。。

次回は10月28日リリース予定です。

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