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最強の剣を求めて~Another Story~  作者: 遠浅 なみ
第4章 ケービヨン地方
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VS武帝蛇2 ~ レビテート、フライ・フルー・フロウン ~

一旦バックステップで距離を取る。


武帝蛇は紫色を限りなく黒くした、

よりダークな至極色のオーラを身にまとう。


禍々しい。

触れれば良くないことが起こりそうだ。


どうするよ、、、めっちゃ頭をフル回転させる。

魔法とバフは封じられている。


遠距離攻撃なら弓、あるいは武器を投擲。

弓スキルは低い。

前衛のいない状況で攻撃を避けつつ狙いを定め

矢を射る難易度。

当てた所でダメージは期待できない。


武器の投擲、チープな槍を投げた所で、

砂漠に水を撒くようなものだ。


攻撃力のある高価なものを投擲する

メリットもない。


武帝蛇は高度を上げながら俺の真上まで来ると、

重力に身を任せ自由落下し始めた。


「テレポ!」

10メートル先を目指して瞬間移動した。

消費MPは1メータにつき10。


連続使用も出来ないし、長い距離にも不向き。

しかしながら今回は武帝蛇の背後へ回り込み、

大きなチャンスを与えてくれた。


「超神速連撃!」

背後から強烈な斬撃を与える。


大ダメージを負った武帝蛇は体を捩らせた。

だが一方で毒を喰らってしまう。


0.5秒位でHPが1減っている。

現行のHPを考えると、短期的には無視できる。


武帝蛇は口から数発黒い粘液を飛ばしてくる。

距離を取りながら躱す。


黒い粘液が付いた地面の一部が溶けて

ジュワっとしてる。


スキル使用後の硬直タイムに入っている

武帝蛇の正面から今一度斬撃を加える。


2度目も大ダメージを負いイラっとした武帝蛇は

鋭く睨み付けてくると、再び黒い粘液を飛ばしてきた。


躱しきった所で、反撃する。

「超神速れ・・・」

手がぬるりとして剣がすっぽ抜けそうになる。


慌てて距離を取る。

剣身の中程と鍔の間から透明な粘液が付着し、

柄まで垂れてきている。


いつ付いたのだろうか・・・

黒い粘液は全て躱したつもりだが、

その中に紛れて見落としたか。


今すぐ拭き取りたい。

悠長に時間をくれる訳もない。


更に距離を取る。

武帝蛇は気弾を放つ。


衝撃波と共に受けたバフと魔法スキル無効は

2分を切ったが、使用できない。


ベトベトになってしまった乱鬼龍の剣をしまい、

玄武黒北の爪を装備し構える。


「さっきよりマシな構えじゃな。」

「うるせい!」

バトマ付近で襲われた王宝玉にも

剣を構えが素人だと言われたし余計なお世話だよ。


武帝蛇は近づいてきたが攻撃してくる素振りがない。

受けてやるからかかって来いよという意味なのか、

先ほどまで覆っていた至極色のオーラが消えた。


「玄武雷刻黒拳!」

右拳に力を込め振り被り殴る。


完璧に決まる。


武帝蛇は衝撃に狼狽えている。

が、すぐに尻尾の方から全身で巻き付いてきた。


「しまった!」

油断した。

身動きが取れない。


「んぐうう・・・」

手足に力を入れ締め付けに抗う。

気を抜けば全身の骨が折れる。


「くっそ・・・」

更に締め付けが強くなる。

パワーアップを掛けて力ずくで抜け出す事が頭をよぎるが、

まだあと1分近くは使えない。

持ちこたえるしかない。


「・・・ヤバッ」

締め付けによるダメージがでかい。

回復スキルを使いたいが、

一瞬でも気を抜けば落ちる。


「あ゛あ゛あ゛!!ギブギブッ・・・」

全身の骨が軋む。

耐えきれずタップする。


「おっと、すまんすまん。

ちと本気になってしもた。」

武帝蛇は締め付けを緩め、

地面に落とされた。


武帝蛇は少し離れると回復スキルを掛けてくれ、

パワルド達4人を呼び戻した。


「ほほほ、いい準備運動じゃったわい。」

「準備運動って・・・」

こっちは死ぬかもしれなかったし、

呆れるばかりだ。


「あぁたのお遊びで良かったわ。」

姉の言葉に、リリも頷き、

他に異論はなかった。


「労いの品じゃ。受け取れ。」

パワルドは、武帝蛇の爪を手に入れた。

ニャルマーは、武帝蛇の剣を手に入れた。

ララは、武帝蛇の短剣を手に入れた。

リリは、武帝蛇の斧を手に入れた。


「あれ、俺は?」

俺だけ何ももらえていない。


「んと、お主にはじゃな、

えっと、、、剣も爪もあげちゃったし、、、」

小声でブツブツ言いながら目を細かく動かす。

リストからどれがいいか悩んでいるようだ。


「これ以上強くなれれてもあれじゃし・・・

あ、これなんてどうじゃ。」


補助スキル【レビテート】を覚えた。

武帝蛇の様に空中に浮遊するスキルのようだ。


「お主なら使いこなせば、

いずれ【フライフルー】を覚えられるじゃろう。」

補助スキル【フライフルー】は自由に空を飛ぶスキルらしい。


「さてと、ここも戻さんとじゃな。」

武帝蛇は力を解き放つと周囲が一変する。


背後には高麗門が見え、

前方には道が続いている。

不可思議な道はもう無い。


「まっすぐ進めば神福の丘に出るはずじゃ。

さて、我はクヌキに戻るか。」

「玄冥亀の所デスね。」

「お主たちが会ったのは本体じゃないがな。

もし、100層まで来たら

玄冥亀と共に相手してやるかの。」

「・・・分かったわ。いずれ行くわ。」

ララの言葉を聞くと、武帝蛇はケービヨンの方へ

飛んで行った。


「神福の丘とやらに行ってみまショウか。」

リリの言葉に頷き、目の前に現れた道を進んだ。

次回は9月18日リリース予定です。


短編小説「Kya・Tyu・Rya」も読んでね。

<a href="https://ncode.syosetu.com/n2763jk/">Kya・Tyu・Rya</a>

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